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「10cmを超えています」中年太りと思った下腹部の膨らみ。検査で告げられた重い病【医師解説あり】

忙しい毎日の中で、自分の体の変化にゆっくり向き合うことはほとんどありませんでした。少しの違和感があっても深く考えずにやり過ごしていたのです。その小さな見過ごしが、後に大きな意味を持つとは思ってもいませんでした。【医師解説あり】

この記事の監修者
監修者プロファイル

医師國見幸太郎先生
産婦人科 | 山城公園レディースクリニック 院長

徳島市で診療する産婦人科医。日本産科婦人科学会専門医、日本女性医学学会女性ヘルスケア専門医。更年期医療やホルモン補充療法、フェムテック領域を中心に、女性のライフステージに寄り添った診療をおこなう。予防医療の啓発や地域医療への貢献にも注力し、講演・執筆を通じて正確で実践的な医療情報の発信に取り組んでいる。
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下腹部の膨らみは中年太り?

年齢を重ねるにつれ、少しおなか周りが気になるようになりました。若いころのように体重がすぐ戻ることもなく、ズボンは少しずつきつくなっていきました。

 

運動しなければと思いながらも、家事や仕事を優先してしまう日々。子どもに「ちょっとおなか出てる?」と笑われても、「年齢のせいかな」と軽く受け止めていました。妊娠でおなかの皮が伸びたことも関係しているのかもしれない、と自分なりに理由をつけていたのです。

 

左足のしびれと異変

異変を感じたのは、子どもの文化祭を控えた夜でした。左足のつけ根に鈍い痛みがあり、足先までじんわりとしびれが広がりました。「少し疲れているのかな」と思い、そのまま眠りましたが、翌朝には痛みが強くなっていました。冷や汗が出るほどで、さすがに不安になりました。

 

その日は祝日で病院は休み。週明けまで待つしかありませんでしたが、気持ちは落ち着きませんでした。月曜日、夫に付き添ってもらい総合病院を受診。血液検査で白血球の数値が大きく上がっていると告げられ、CT検査を受けることになりました。

 

 

CT画像に映っていたもの

診察室で見せられた画像には、大きな影が映っていました。医師からは卵巣腫瘍(らんそうしゅよう/卵巣にできる腫瘍の総称で、良性から悪性までさまざまな種類がある病気)の可能性があると説明されました。

 

「10cmを超えています。すぐ婦人科を受診してください」と言われ、頭が真っ白になりました。腫瘍が神経を圧迫していたことが、足の痛みやしびれの原因だったそうです。

 

1.2kgもの腫瘍を摘出、さらに続く闘病生活

その後は、受診した病院で異常を指摘され、婦人科で詳しく診てもらった後、手術や術後治療に対応できる総合病院を紹介されました。必要な検査と説明を受けながら治療方針が決まり、手術に臨むことになりました。

 

検査を重ねた後、手術で摘出した腫瘍は1.2kg。病理検査の結果、卵巣がん(らんそうがん/卵巣に発生する悪性腫瘍で、初期は自覚症状が少なく、進行すると腹部膨満や痛みなどが出ることがある病気)と診断されました。こうして6カ月にわたる闘病生活が始まりました。

 

まとめ

今回の経験を通して、体の変化を「年齢のせい」と決めつける怖さを痛感しました。下腹部の膨らみを「ただの太り気味」と思い込んでいた私にとって、それが1.2kgもの腫瘍だったという事実は衝撃的でした。

 

もっと早く受診していれば、これほど大きな手術や長い闘病を避けられたのかもしれない。そう思うと、自分自身の体を後回しにしていたことが悔やまれます。忙しい毎日ですが、「いつもと違う」という自分の感覚を信じて、一度足を止める勇気を持つことがいかに大切かを、身をもって学びました。

 

医師による解説:短期間でおなかが出たら受診を

卵巣は症状が出にくく、気付いたときには病状が進んでいることもあります。見逃しやすいサインや、検診時に意識したい検査について医師が解説します。

 

「沈黙の臓器」に注意

卵巣は「沈黙の臓器」とも呼ばれ、腫瘍ができても自覚症状が出にくく、かなり大きくなってから見つかることも少なくありません。腹部の張りや下腹部の膨らみを「年齢のせい」「太っただけ」と思い込まず、短期間でおなかが目立ってきた場合は早めに婦人科を受診しましょう。

 

足のしびれが婦人科疾患のサインになることも

卵巣腫瘍が大きくなると、今回のような足のしびれのほか、腰痛、頻尿、便秘などの症状が現れることがあります。これは腫瘍が神経や周囲の臓器を圧迫するためです。内科や整形外科で原因がはっきりしないときは、婦人科系の病気が隠れている可能性も考える必要があります。

 

検診時は経腟エコー検査の追加を

卵巣の状態を確認するには、内診だけでは十分な情報が得られないことがあります。早期発見のためには、自治体の子宮頸がん検診などの機会に経腟エコー検査もあわせて受けることが大切です。卵巣は症状が出にくいからこそ、定期的に状態を確認しておくことが早期発見につながります。

 

 

※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。

※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。

 

監修:國見幸太郎先生(山城公園レディースクリニック 院長)

著者:小田栞/50代女性・パート

イラスト:はせがわじゅん

 

※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2026年4月)

 

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