私が取ってきた念願のプレゼンなのに
大手企業へのプレゼンの機会をゲットした私。ずっとアプローチしていた企業だったこともあり、「実を結んだ!」とうれしい気持ちでいっぱいでした。
このことを課長に報告すると、「よくやった!」と褒める言葉をかけてくれました。
しかし、そのあとに続いた言葉に耳を疑いました。
「資料ができたら、俺に提出して」「本番は俺が出る、女性の君がプレゼンの場に出たらナメられるだろうから補助にまわって」と。
私が勝ち取ったプレゼン、資料は私が作るのに、私はプレゼンの場に立たせてもらえないということ? 課長の言葉にモヤッとしたものの、ここで反発して機会を潰すのも違う気がしました。彼の言葉に納得していなかったものの、「まずは資料を仕上げよう」と気持ちを切り替えたのです。
部長からアドバイス
資料作りに追われていたころ、部長からメッセージが届きました。プレゼンの機会をゲットできたことは、部長にも報告していたのです。「期待している。丁寧に準備していこう」と。
さらに、相手企業の特徴として「細かい質問が出やすい」「経緯の説明が雑だと印象が悪くなる」と具体的な注意点も添えられていました。
私はそのアドバイスを元に、想定質問と回答を用意し、説明の順番も整えました。課長に提出できたのは、プレゼンの1週間ほど前です。ここまで準備しておけば大丈夫。そう思いたかったのですが、課長が資料にまったく目を通していない様子を見ていると、不安は消えませんでした。
「女性はお茶でも出しとけ」時代錯誤な発言
プレゼン前日、念のため課長に確認すると、課長は軽い口調で「明日は俺が熱く話せば勝てる」と言いました。資料をきちんと読んだのか怪しくなり、「内容は確認しましたか」と聞いても、「大丈夫」のひと言だけ。
私は部長から聞いた先方の傾向と対策を共有しましたが、課長は鼻で笑うように「そんなのは雰囲気でどうにかなる。男の俺が前に出るから印象はいいはずだ」と言い、最後には「君は気を利かせて補助してくれればいい」「女性はお茶でも出しておきなさい」とまで。
ここまでくると、こちらが何を言っても無駄だと悟りました。私は当日、資料のバックアップと想定問答を手元に置き、最悪の事態に備えることだけに集中しました。
プレゼン当日…
当日、予感は当たりました。課長は資料の説明自体は進めたものの、先方から具体的な質問が出た途端に言葉に詰まり、答えが曖昧になってしまったのです。このままでは話が崩れると思い、私は課長の発言を否定しない形で何度か補足しました。すると先方は、次第に私のほうに質問を向けるように。
課長は焦って会話に割り込もうとしましたが、かえって話が散らかり、先方から「要点が確認できないので、担当の方と直接話したい」とまで言われてしまうほど。課長はその場では引き下がるしかなく、結果的に私が最後まで対応する形になりました。
プレゼン終了後、先方からは「内容は前向きに検討する。ただし進行が不安だった」という趣旨の連絡が入り、部長も状況を把握していました。
数日後、部長から「次回以降、この案件はあなたが主担当で進めて」と正式に言われました。課長は案件から外れることになりました。
課長は後で私に不満をぶつけてきましたが、私は淡々と「失敗を防ぐために必要な補足をしただけ」と伝えました。それ以上、言い合う気にもなれませんでした。
この件以降、課長は露骨な発言を控えるようになり、周囲の空気も少し変わった気がします。私自身は、特別なことをしたつもりはありません。やるべき準備をして、目の前の相手に誠実に向き合っただけです。これからもその姿勢だけは崩さず、淡々と実績を積み上げていこうと思っています。
イラスト:わかまつまい子
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
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