手術は無事終了、あとは回復するだけと思っていた
3年前、私は副腎腺腫(副腎にできる良性の腫瘍)の手術を受けました。手術は腹腔鏡でおこなわれ、予定どおり無事に終了しました。
術後はカテーテルを入れていて、翌日に抜く予定になっていました。私は、手術も終わったし、あとは回復するだけだと思っていました。ところが、そのカテーテルを抜く場面で、思いがけず強い痛みに襲われたのです。
カテーテル抜去で涙、「先生、痛いです!」
翌日、主治医の若い先生と看護師さんが来て、カテーテルを抜くことになりました。ところが、抜こうとした瞬間、あまりの痛さに思わず涙がこぼれ、「先生、痛いです!」と叫ぶように訴えてしまいました。私があまりにも痛がったため、先生はいったん抜くのをやめてくれました。
するとそこへ、少し年配の別の先生が来られました。若い先生が事情を説明すると、その先生は「今抜かないと癒着してしまって、開腹になる可能性がありますよ」と言いました。
「開腹」のひと言で覚悟を決めた私
「開腹」という言葉を聞いた瞬間、頭が真っ白になりました。せっかく腹腔鏡で手術が終わったのに、ここでそんなことになるかもしれないなんて、思ってもいませんでした。
その先生に「痛いとは思いますが、今抜いたほうがあなたのためですよ。どうしますか」と聞かれ、私は「抜いてください!」と、また叫ぶように答えました。
実際、抜くときは本当に痛くて、涙がぽろぽろこぼれ、「痛い、痛い」と声が出てしまいました。それでも無事に抜いていただくことができ、結果的に開腹せずに済みました。
若い先生は、私があまりにつらそうだったので、無理をさせないよう気づかってくださったのだと思います。一方で、年配の先生は、その場で必要な判断をはっきり伝えてくださいました。あのとき厳しくても状況を説明してもらえたおかげで、自分でも覚悟を決めることができたのだと思います。
もしあの先生が来ていなかったらと思うと、今でも少しぞっとします。痛みで冷静に考えられなくなっていましたが、「開腹になるかもしれない」と聞いて、とっさに決断できて本当によかったです。
まとめ
強い痛みに襲われると、頭ではわかっていても気持ちが追いつかなくなるものだと実感しました。それでも、状況をきちんと伝えてもらえたことで覚悟を決めることができ、無事に乗り越えられた経験として今も心に残っています。
医師による解説:副腎手術後に起こること
副腎腺腫は、副腎にできる良性の腫瘍です。治療として腹腔鏡手術がおこなわれることもあり、術後には回復の経過を見ながら管を抜く処置が進められます。
副腎腺腫とはどんな病気?
副腎は腎臓の上にある小さな臓器で、体に必要なホルモンを作っています。副腎腺腫は、その副腎にできる良性の腫瘍です。大きさや性質、ホルモン分泌の有無などを確認した上で、手術が検討されることがあります。
腹腔鏡手術後の処置について
副腎の手術では、腹腔鏡やロボット支援でおこなわれることがあります。術後は状態を見ながら、必要に応じて留置した管を抜いていきます。施設や手術内容によって時期は異なりますが、回復の経過に合わせて段階的に進めるのが一般的です。
管を抜くときに痛みを感じることも
術後の処置では、痛みや強い違和感を覚えることがあります。感じ方には個人差があり、処置の内容や体の状態によっても異なります。不安や痛みが強いときは、我慢しすぎず、その場で医療者に伝えることが大切です。術後疼痛に対しては必要に応じて鎮痛薬を使うこともあります。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
監修:窪田徹矢先生(くぼたクリニック松戸五香院長)
著者:鈴木はなこ/40代女性・会社員
イラスト:きびのあやとら
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2026年4月)
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