「お金ない人は無理」僕をフッた元カノ
会場へ入ると、派手なブランドバッグを持ったA子が、同級生のB男に腕を絡めながらこちらへやってきました。
すると、「え、久しぶりじゃん!別れて以来じゃない?」と、軽い口調で笑うA子。高校時代から目立つタイプでしたが、その雰囲気は今も変わっていません。
A子とは、大学卒業後、僕が起業したばかりのころに付き合っていました。ただ当時の僕は、仕事を軌道に乗せるだけで精一杯。生活にもほとんど余裕がなく、デート代を工面するのにも苦労していた時期でした。
最初は僕の仕事を応援してくれていたA子も、次第に不満を口にするように。結局、「やっぱり私、お金ない人とは無理かも」と別れを告げられてしまったのです。
そして現在のA子は、同級生のB男と交際中。B男は実家が旅館やホテルを経営しており、現在は家業を継いでいるらしく、見るからに羽振りが良さそうです。
「最近、軽井沢に別荘買ったの」そう言いながら、A子はスマホで写真を見せ始めました。「テラスからの景色が最高なんだよね~。やっぱり成功してる人って違うなって♡」と自慢げなA子。
さらに、「若いころって“好き”だけで付き合えたりするけど、結局は経済力も大事だよね?」と、ちらりと僕を見ながら笑いました。
「ハワイに別荘がある」って本当!?
しばらくすると、別の友人が僕に話を振ってきました。「そういえば、お前って最近ハワイ行ったり来たりしてるんだろ?」と聞かれ、「ああ、仕事でね」と返しました。
すると別の友人が、「向こうに別荘持ってるって聞いたけど、本当?」と言い出したのです。
その瞬間、A子とB男の表情が変わりました。「え?あんたがハワイに別荘なんて無理に決まってるでしょw」と、A子はバカにしたように笑います。
僕は少し困りながら「別荘……っていうか、コンドミニアムだけどね。仕事でも向こう行くこと多いからさ」と答えました。
それを聞いたA子は明らかに動揺した様子。すると友人のひとりが、「しかも現地に彼女いるんだろ?この前写真見せてもらった」と余計なことを口にします。「ちょ、お前……」慌てる僕をよそに、周囲は一気に盛り上がりました。
「え、海外で彼女!?」
「めちゃくちゃ充実してるじゃん!」
A子は気まずそうにグラスをいじりながら、「ふーん……うまくいったんだね」と小さくつぶやきました。その言い方に少し引っかかるものはありましたが、不思議と腹は立ちませんでした。
元カノの態度が変わり…
同窓会の終盤になると、A子はやたらと僕に話しかけてくるようになりました。
「ハワイってやっぱ暖かい?」
「どの辺に部屋あるの?」
「今度ハワイ行ったら泊まらせてよ」
さっきまで“軽井沢の別荘自慢”をしていた人とは思えない態度に、周囲の友人たちも苦笑い。一方のB男は、そんな様子を見てあまり面白くなさそうでした。
帰り際には、2人が険悪な空気になっているのも見えてしまい、僕はなんとも言えない気持ちになりました。
昔の僕は、A子に認めてもらえなかったことをずっと引きずっていました。でも今振り返ると、本当に大切なのは「誰と比べて上か下か」ではなかったのだと思います。
見栄を張らなくても、一緒にいて自然体でいられる相手を大事にしたい――そう感じた同窓会でした。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
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