そして、その原因はすぐに分かりました。義母です。
義母と夫の嫌み
結婚してから、義母はアポなしで頻繁に家へ来るようになりました。そして私の料理に対して、「味が薄い」「こんなおいしくない料理を息子に食べさせるなんて」と文句を言うのです。
夫も義母に同調するようになりました。
「お前は料理も下手だし、ダメ嫁だな。もっと母さんを見習えよ」
「やっぱり母さんの料理が一番だな」
ふたりが「もっとデキのいい嫁もらえばよかったわね~」と笑いながら話すやり取りを見ては、心が削られるようでした。
私は以前、飲食関係の仕事をしていたことがありました。でも夫は私の仕事の話には興味がなく、義母の言葉ばかり信じていました。私は反論する気力もなく、ただ我慢していました。
親戚の集まりでまた嫁いびり
そんなある日、親戚が集まる食事会が義実家で開かれることになりました。
義母は朝から張り切って大量の料理を準備していました。煮物、天ぷら、焼き魚、ちらし寿司……。
「親戚が来るんだから、ちゃんとした料理じゃないとね」
「まあ、あなたには難しいかもしれないけど」
そんな嫌みに、私は苦笑いするしかありませんでした。
昼ごろに親戚が次々と集まりだし、義母は私の話を始めました。
「この子、料理が苦手でねぇ」「味付けも全然ダメなの」
すると親戚のおばさんが言いました。
「そうなの? でも人数多いし、お嫁さんも少し手伝ってあげたら?」
義母は少し不満そうでしたが、「じゃあ冷蔵庫にあるもの使って、適当になにか作って」と言われ、私はおかずをいくつか作りました。以前の仕事で覚えた、ごく普通の家庭料理です。
義母の料理がなかなか減らない
やがて食事が始まりました。ところが、義母の作った煮物やおかずがなかなか減りません。
「うーん……ちょっと味が濃いかも」「これも結構しょっぱいや」
食べてみるとたしかにかなり濃い味付けで、みんな箸があまり進んでいません。
一方で、私が追加で作った料理は――。
「あれ? これ誰作ったの? すごくおいしい」
「うま! あとで作り方を教えてほしい」
次々となくなり、気づけば、私が作った料理はほとんど空っぽ。反対に義母の料理は大量に残っていました。
夫のひと言で空気が凍った
夫が「母さんの料理、人気じゃん♪」と笑いながら言いました。それを聞いた親戚のおばさんが「え? 違うよ。なくなったの、お嫁さんが作ったほうだよ」と伝えます。
「え……?」その瞬間、夫の笑顔が固まりました。
親戚のおじさんも言いました。
「お嫁さん、料理上手じゃないか! お店の料理みたいだったぞ」
義母は驚いた顔をしています。私は「以前、調理の仕事をしていたことがあるんです」と言うと、夫は目を丸くし「え? 初めて聞いた……」と。これまで何度も話したのに、本当に私の話を聞いてなかったんだなと、思わず苦笑いしてしまいました。
義母と夫が反省した結果
食事会の終盤には、私が作った料理はほとんどなくなっていました。一方で、義母が作った料理は大皿にたくさん残ったまま。親戚たちも気を遣っていましたが、「今日は少し味が濃かったかも」と義母に直接言う人もいて、どこか気まずい空気が流れていました。
さらに親戚から、「お嫁さんの料理、すごくおいしかったよ」「今まで料理が苦手だって聞いていたのに、おいしくて驚いた」と声をかけられ、夫と義母は何とも言えない表情に。
その後、「あんなに料理上手な嫁さんに、ずっと文句を言ってたんだって?」と言われ、さすがの夫も気まずそうに下を向いていました。
食事会が終わった帰り道、夫は「……ごめん。母さんが言うことを、そのまま信じてた」と謝ってくれました。
後日、義母も家に来ました。以前のような強気な態度はなく、「口出ししすぎた」と謝罪してきたのです。その日以来、夫も私を見下すような発言をしなくなりました。最近では夫が夕食を食べながら、「これ、おいしいな」と言ってくれます。一時は離婚を考えるほどつらい毎日でしたが、ようやく夫も義母も私自身を見てくれるようになりました。これからは無理をせず、自分らしく過ごしていきたいと思います。
※本記事は、ベビーカレンダーに寄せられた体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。