なぜ「冷やしきゅうり」で食中毒に?

食中毒というとお肉や魚、暑い時季のお弁当のイメージはありませんか?きゅうりが危ないといわれても正直あまりピンとこないですよね。
意外と知られていませんが、実はきゅうりやトマト、キャベツなどの野菜にも食中毒菌がついていることがあります。
さらに厄介なのが、きゅうりの表面にある「イボ」。細かい凹凸があるせいで、流水でササッと洗うだけだと菌が残ってしまいます。
露店のように「大量のきゅうりを一つの容器で漬け込む」「長時間ぬるい温度に置かれる」といった特殊な条件が重なったときに、菌が爆発的に増えてしまうんです。
漬けてあるから安心は大間違い!?

実はただ氷で冷やしただけのきゅうりよりも、しっかり味が染みた「きゅうりの浅漬け」の方が食中毒のリスクが高まります。
2014年に起きた大規模な集団食中毒も、漬け込んだきゅうりが原因でした。
「塩に漬けると長持ちするんじゃないの?」と思われがちですが、浅漬けは普通の漬け物と比べると塩分濃度が低く、食中毒菌の増殖を抑える効果も弱め。
しかも、調味液には菌のエサとなる「アミノ酸」が多く含まれています。
浅漬けが入った容器の中は、水分たっぷり、うまみ(アミノ酸)もたっぷり。菌にとってこれ以上ない快適な環境なんです。
そのため、1本でも汚染されたものが混ざっていると、ほかのきゅうりにも広がってしまいます。
必要以上に怖がらなくても大丈夫ですが、外で食べるときは注意しましょう。
清潔?体調は万全?露店を安全に楽しむ見極め方
これからの行楽シーズン、屋外で冷やしきゅうりを食べる機会が増えますよね。食中毒のリスクを減らすために、次の2つをチェックしましょう。
①お店の衛生状態
まずは「お店の衛生状態」を確認しましょう。
たとえば、店員さんがお金を受け取った手で、そのままきゅうりをヒョイッと掴んでいないか。
衛生面に気を付けているお店なら手袋を使い分けたり、トングを使ったりするはずです。
また、きゅうりが並んでいる台が汚れていないかも要チェック!「清潔そうだな」と思えるお店を選ぶのがおすすめです。
②その日の体調
食中毒になるかどうかは「菌の量」と「個人の免疫力」で決まります。
「おなかは強い方だから大丈夫」と思っている人でも、寝不足のときや疲れが溜まっているときは、体の防衛機能がガタ落ち。
そんなときに菌が繁殖した冷やしきゅうりを食べると、腹痛や嘔吐といった症状が強く出てしまうかもしれません。
特に小さい子どもや高齢の方は、もともとの免疫力が弱いので注意が必要。
「今日はちょっとバテ気味かも」という日は、しっかり火の通った屋台グルメを楽しみましょう。
家で浅漬けを作るときの3ヶ条

家で浅漬けを作るときは、3つのポイントを守れば大丈夫!きゅうりに限らず、ほかの野菜を使うときも同じなので覚えておきましょう。
①「30秒の流水洗い」と「5秒の熱湯」で菌を落とそう

まず30秒間流水で洗いましょう。これだけで菌の数を3分の1程度にまで減らせます。
さらに安全性を高めるなら「熱湯に5秒」浸してリスクを下げるのがおすすめ。すぐに氷水で締めれば、ポリポリ食感がしっかり残りますよ。
②手洗いは「手首」までしっかり!

過去に起きた集団食中毒では「調理者の手洗い不足」が要因の一つだったといわれています。
食材を洗うことと同じくらい、手を洗うことも大切。爪の間から手首まで、ハンドソープでしっかり洗いましょう。
③「食べきれる分だけ・冷蔵保存」が鉄則

浅漬けは食べきれる分だけ作り、漬けている間は冷蔵庫に入れるのが鉄則です。
常温での放置は菌を育てているようなもの。調味液に漬け込んだらすぐに冷蔵庫に移し、できるだけ早めに食べてくださいね。
正しく知れば怖くない!
露店では衛生状態を確認して、疲れているときは食べない。家で浅漬けを作るときは流水30秒洗いと手洗い、冷蔵保存を徹底する。
しっかり対策して、冷やしきゅうりを思う存分味わいましょう。
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