「愛してるなら買ってくれるよね?」
付き合ってしばらく経ったころから、誕生日や記念日のたびに、彼女は高価なバッグやアクセサリーを欲しがるようになりました。
最初は「喜んでくれるなら」と思い、無理をしてでもプレゼントを用意していました。ですが次第に、その要求はエスカレートしていったのです。
「これくらい普通でしょ?」「私のこと愛してるなら、それくらいしてくれるよね?」――そんな言葉を笑いながら言われるたびに、僕は少しずつ疲れていきました。
彼女と一緒にいる時間は、とても楽しいものでした。でも、“僕自身”ではなく、“何をしてくれるか”で愛情を測られているような気がして、心のどこかで苦しくなっていました。
そしてある日、彼女から「やっぱり愛されていない気がする」と、突然別れを告げられたのです。
悔しさをバネに、仕事へ没頭した日々
別れた直後は、正直かなり落ち込みました。「もっとお金があれば違ったのかな」と考えたこともあります。でも、いつまでも引きずっていても仕方ないと思い、僕は仕事に打ち込むことにしました。
このタイミングで、本業に加えて副業もスタート。最初は苦労しましたが、少しずつ収入も増え、生活にも余裕が出てきました。すると不思議なことに、以前よりも気持ちが穏やかになっていったのです。
その後、今の妻と出会いました。彼女は、高価なプレゼントよりも「一緒にごはんを食べられるだけでうれしい」と笑ってくれる人でした。
僕はそのとき初めて、“一緒にいて安心できる関係”の大切さを知ったのです。
数年後、元カノに偶然再会し…
ある日のこと。妻とよく行くレストランで、偶然元カノを見かけました。
彼女は昔と変わらず派手な雰囲気で、隣にいた男性に何やら不満をこぼしていました。
「もっと気が利く人だと思ったのに」「これくらいしてくれてもよくない?」――その言葉を聞いた瞬間、僕は「あぁ、彼女はあのころと何も変わっていないんだな」と感じました。
軽く会釈だけして店を出ようとすると、彼女は驚いたようにこちらを見ていました。そして、追いかけて声をかけてきたのです。
そのとき僕は笑いながら、「結婚生活って、思っていた以上に楽しいよ」と伝え、その場を後にしました。昔の僕なら、「見返したい」という気持ちでいっぱいだったと思います。でもその日は、不思議と優越感よりも、「今の自分でよかった」という安心感のほうが大きかったです。
相手に何かをしてあげたいと思う気持ちは大切です。でも、それを当然だと思わず、「ありがとう」を伝え合える関係こそ、長く続くのだと思います。
元カノのことはつらい思い出でもありますが、人との向き合い方を考えるきっかけになったという意味では、僕にとって必要な経験だったのかもしれない――今ではそう感じています。
著者:桜餅太郎/30代男性・社会人4年目のサラリーマンで、趣味は釣りに行くこととその場で本を読むこと。
イラスト:マメ美
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2026年3月)
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