入院中に運命の出会い
当時、私は持病の検査で入院していました。同じ時期、A男もケガで入院していて、談話スペースで顔を合わせるうちに自然と仲良くなったのです。A男は穏やかで話しやすく、一緒にいると不思議と安心できる人でした。
退院後も連絡を取り合うようになり、やがて交際がスタート。私は彼のことを、ごく普通の会社員だと思っていました。
ところが後になって、彼の実家が地元では有名な病院だと知って驚きました。A男の父は病院の院長で、兄は医師としてその病院で働いているとのこと。ただ、A男自身は医学部へ進まず、一般企業でエンジニアになる道を選びました。
「うちは昔から、“医者になるのが当たり前”って空気でさ」。A男は苦笑いしながらそう話してくれました。医学部へ進まなかったことで、両親から嫌味を言われ続け、大学卒業と同時に家を出たそうです。
そんな彼に支えられ、私は持病のことや、中卒であることへのコンプレックスも、少しずつ前向きに受け止められるようになっていきました。
そして交際して3年目の冬、彼からプロポーズを受けたのです。
「親族全員欠席」…どうして!?
結婚式の準備は順調に進んでいました。ある日、A男の両親から、「親族への招待状はこちらで送っておくから預かるわね」と言われ、お願いすることにしました。
しばらくして、新郎側親族の返信はがきが次々と届き始めました。ですが、その内容を見た私たちは言葉を失いました。なんと、新郎側親族の返信が“全員欠席”だったのです。
私は「やっぱり、中卒の私との結婚なんて認められなかったのかな……」と、不安でいっぱいになりました。ですがA男は、返信はがきを見ながら眉をひそめていました。
A男は実家を出てから、親族付き合いもほとんどなく、連絡先もわからない状態だったそうです。それでも気になったA男は、昔よく遊んでいたいとこの名前をSNSで検索してみることにしました。
すると偶然、いとこのアカウントを発見。A男は迷った末、DMを送ったのです。
「突然ごめん。実は結婚することになったんだけど、招待状届いてる?」――すると、すぐに返信が返ってきました。
「え、結婚するの!?おめでとう!!招待状、まだ届いてないよー」
驚いたA男は、いとこ経由でほかの親族にも確認してもらいました。すると、誰一人として招待状を受け取っていないことが判明しました。
なんと、義両親は預かった招待状を送ってすらいなかったのです。その事実を知ったA男は、すぐに実家へ向かいました。
両親を問い詰めると!
両親を問い詰めると、義父は面倒くさそうに「だって彼女、高校も出てないんだろ?医者の家系に合わないって思うのは普通じゃないか」と言ったそうです。さらに義母も、「親戚にいろいろ言われるのは、こっちなのよ?」と、まるで悪びれる様子もなかったそうです。
その瞬間、A男の怒りが爆発しました。「いい加減にしろよ!」――普段は穏やかなA男が、本気で怒鳴ったのは初めてだったといいます。
「昔からそうだったよな。医者にならなかっただけで、ずっと俺を否定してきた。学歴とか肩書とか、そんな話ばっかり……うんざりだ」
そして彼は、はっきりと言いました。
「もう、こんな家には帰らない」
義兄の驚きの決断!
私たちは何度も話し合い、一度は結婚式を延期しました。ですが最終的に、「本当に祝福してくれる人たちに囲まれて結婚しよう」と決め、改めて式の準備を進めました。
結婚式当日は、私の家族や友人たち、そしてA男の兄や親族も何人か来てくれました。「幸せになってね」――そんな温かい言葉をかけてもらい、私は涙が止まりませんでした。
さらに驚いたのは、A男の兄の言葉でした。
「親の言うことは気にしなくていい。俺も、もう親の言いなりはやめる」
義兄もまた、両親の“家柄や肩書ばかりを重視する考え方”に苦しんでいたそうです。そして後日、義兄は病院を継がないことを決めたと聞きました。そのことで義両親は大きなショックを受け、親族との関係も以前のようにはいかなくなったようです。
現在もA男は義両親と距離を置いています。でも彼は、「新しい家族ができてうれしい」と、私の両親を大切にしてくれています。
肩書や学歴だけで人を判断していると、本当に大切な人とのつながりを失ってしまうのかもしれません。今回の出来事を通して私は、“自分を大切にしてくれる人を大切にすること”の意味を、改めて実感しました。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
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