夫に壊された化粧水の破片を拾い集めながら、コヨリさんは妊娠後期の真夏に起きた出来事を思い出していました。重いおなかを抱え、思うように歩けない自分から日傘を奪い、炎天下に置き去りにした夫……。
ふらふらになって帰宅しても心配する様子は一切なく、夫は涼しい部屋でくつろぎながら、「生ものとアイスを守るために先に帰った」と、あまりにも身勝手な言い訳を口にします。妻やおなかの子どもよりも、自分の都合を優先する夫の姿に、コヨリさんは絶望し、言葉を失ってしまうのでした。
「妊婦だからって甘やかさないよ」から一転……



















おなかの張りを訴え、「少し荷物を持ってほしい」と頼むコヨリさん。しかし夫は、「妊婦だからって甘やかさないよ」と冷たく突き放します。無理を重ねた結果、コヨリさんは切迫早産で入院することに。すると夫は一転、「僕はなんて愚かなんだ!」と大号泣しながら謝罪してきたのでした。
その姿を見て、コヨリさんは「今度こそ改心してくれたのかもしれない」と安心します。無事に出産を終え、里帰りから戻ると、夫は「今日から僕も協力する! 母体優先!」と、頼もしく夜泣き対応を宣言してくれたのです。
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おなかの張りを「甘え」と突き放された結果、コヨリさんは無理を重ね、切迫早産で入院することになってしまいました。切迫早産とは、妊娠22週以降、正期産(37週)より前に赤ちゃんが生まれそうになっている状態のことで、母子ともに大きな危険を伴う非常にデリケートな状態です。
妊娠中におなかの張りや痛みを感じた場合は、「これくらい大丈夫」と無理をせず、すぐに休んだり、かかりつけ医に相談したりすることが何より大切です。また、夫や家族も家事や荷物運びを積極的に担い、お母さんが無理せず過ごせるよう協力する必要があります。
だからこそ、妻のSOSを軽視していた夫の無理解は、とても深刻な問題だと言えるでしょう。いざ大事になってから「なんて愚かなんだ!」と涙を流されると、つい許したくなるものですが、もしかしたら“反省している自分”に酔っているだけというケースもあります。
産後の「俺が頑張る!」という言葉も含め、大切なのはその場の涙や勢いではなく、実際の行動が伴っているかどうか。言葉だけで判断せず、冷静に見極めることが大切なのかもしれませんね。
監修:関根直子(助産師)
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