「気軽に専門家に質問ができて、さらに返信も早い」とママから日々感謝の声が寄せられているベビーカレンダーの人気コンテンツ【管理栄養士に相談】。その中から特に注目をあつめた質問の内容を一部抜粋してご紹介します。今回は、フォローアップミルクに関するご質問です。
Q.フォローアップミルクを飲ませたほうが良いですか?
生後9カ月の息子について質問です。現在、離乳食は3回食で、毎回残さずよく食べてくれていますが、その後の母乳をあまり飲まなくなりました。2週間ぶりに体重を測ると8,350gで全然増えておらず心配です。
授乳は毎食後と寝る前の4回で、その他に寝起きと午前中と午後に麦茶を70ccくらいずつ飲んでいます。以前は朝起きた時にも授乳していたのですが、飲まなくなり、今は麦茶を少し飲んでいます。麦茶の代わりにフォローアップミルクを飲ませたほうが良いですか?
小林亜希管理栄養士からの回答
生後9カ月のお子さんが離乳食をしっかり食べてくれているが、食後の授乳が減ってきたとのことですね。自然なことだと思いますので、心配はいらないかと思います。
また、つかまり立ち、はいはいなど自分で動けることが楽しい時期だと思いますので、体重の増え方は緩やかになることが多いです。食事間があいていて、その後の食事に影響しないようであれば、麦茶をフォローアップに替えてみてもよいと思いますよ。また、食材として離乳食に取り入れていただく(ミルクがゆ、ミルク煮、ポタージュスープなど)ことで、同じ量でもエネルギーアップができます。
※参考:ベビーカレンダー「管理栄養士に相談」コーナーより
フォローアップミルクと乳児用調製粉乳(粉ミルク)との違い
フォローアップミルクは、新生児期から赤ちゃんに飲ませる乳児用調製粉乳と違い、成分的には乳児用調製粉乳よりも牛乳に近く、牛乳よりも鉄分を豊富に含んでいます。また、栄養所要量に合わせて脂肪の量も少ないことが特徴でもあります。
フォローアップミルクは、乳児用調製粉乳とされておらず、一般の育児用ミルクに添加が許可されている亜鉛塩類、銅塩類が添加されていません。WHOでも、フォローアップミルクは「食品」と位置付けられています。
また、フォローアップミルクより育児用ミルクのほうが加工過程が複雑になるため、その分、価格が高くなっています。
フォローアップミルクはいつから? 絶対に必要なの?
フォローアップミルクは、離乳食期から幼児期の栄養を補うことを目的に開発された粉ミルクです。離乳食が順調に進んでいれば、フォローアップミルクは必要ありません。WHOも1989年の世界保健総会で、「フォローアップミルクは不必要である」と決議しています。
また、離乳食が進んできているときに、フォローアップミルクが乳幼児の栄養の多くを占めてしまうと、離乳食が進まなかったり、時期に見合った咀嚼の発達が阻害される可能性があるとも言われています。
フォローアップミルクの缶の説明書きには、対象年齢は生後約9カ月から3歳ぐらいまでと書かれているのがほとんどで、赤ちゃんが生後9カ月を過ぎたら飲ませなければいけないものと思っている人も多いかもしれませんが、必ずしもそうではないのです。
ただ、母乳育児の赤ちゃんは6カ月以降になると生まれるときにママからもらって赤ちゃんの体内に貯蔵されていた鉄が減少し、鉄欠乏になる可能性があります。乳児期の鉄は脳の発達にも関係するので、育児用ミルクやフォローアップミルクを離乳食の食材として使うのがおすすめです。
※参考: 基礎知識(ベビー):「フォローアップミルクとは? その必要性と与える時期【助産師監修】」【監修者:助産師 REIKO】
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