ワンマンすぎる2代目社長の暴走
新しい社長は、現場の苦労も知らないまま「俺がトップになった以上、利益率をガンガン上げていく!」と豪語し、数字のため無理難題を押し付ける典型的なワンマンタイプ。
ある日、進行中の大規模プロジェクトについて、社長から突然「予算を半分にする」と告げられました。それでは納期も品質も保てないと意見すると、社長はデスクに足を投げ出し、鼻で笑って言ったのです。
「ちゃんと頭使ってよw もっと単価が低いエンジニアに依頼するとか、やりようはあるでしょ」
「社長、お言葉ですが、このプロジェクトは半年以上チームで詰めてきたものです。今さら根底から覆すことはできません」 僕が反論すると、社長は苛立ったように言い放ちました。
「おい、俺に刃向かうってのか。別に嫌なら辞めたっていいぞ。文句あるなら自分の会社でも起こしてやってみろw」
あまりの暴論に、現場の空気は一気に凍りつきました。
「じゃあ、やります…」僕の決意
社長は僕が平謝りすると思っていたようですが、僕は静かにこう返しました。
「……わかりました。じゃあ、そうさせていただきます」
僕の言葉に、社長は「は?」と呆気に取られていました。僕はその場ですぐに退職を決意。すると、長年一緒に苦楽を共にしてきた同僚たちが、次々と僕のところに集まってきたのです。
「やった! だったら独立しましょう!」
「私も! 今の社長についていくより、先輩と一緒に仕事がしたいです」
さらに、後日、複数のクライアントから連絡が届きました。「今の社長になってからやりづらくなった。もし新しい環境で動くなら、ぜひ声をかけてほしい」という温かい言葉でした。
こうして僕は、信頼できる仲間たちと共に、新会社を設立する決意を固めたのです。
独立後の成功と、崩壊した会社
僕と同僚たちが一斉に退職願を提出したとき、社長は「代わりなんていくらでもいるw」と相変わらず余裕の表情でした。しかし、現実はそう甘くありません。
後任スタッフにきちんと引き継ぎをしたものの、新社長の見積もりの甘さで運用メンバー不足に陥り、進行中のプロジェクトはすべてストップ。さらに、社長の強引なやり方に不信感を抱いていたクライアントたちが、「信頼できる担当者がいないなら」と契約更新を見送ったケースが続出。そして、僕たちの新会社へ正式に相談を持ちかけてきてくれたのです。
数ヶ月後、風の噂で、社長の会社は深刻な人手不足と赤字に陥り、身売りを検討していると聞きました。
一方、僕たちは自分たちの信念に基づいた自由な環境で、のびのびと仕事をしています。
あの時、傲慢な態度で「自分でやってみろ」と背中を押してくれた社長には、ある意味で感謝しなければいけませんね。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。