夫は私に対しても、「何の取り柄もない専業主婦なのだから、親の介護くらいしてもらわないと養っている意味がない」と言います。
結婚以来、家事に育児に孤軍奮闘してきた私。夫は、家のことを全部私に丸投げしてきました。手伝うことはなく、感謝の言葉すらありません。口を開けば文句ばかり。
義父の調子が悪く、眠れなかった日の翌朝、私は夫のお弁当に冷凍食品を入れたことがありました。すると「あの弁当は何だ!」と激怒。たまのことですし、義父の介護が原因となっているのに、そんな言い方しなくても……。
義父の最期にも帰ってこない夫
いよいよ義父とのお別れが近づいたとき、時刻はある平日の19時ごろでした。私は急いで夫に連絡しましたが、仕事中だと言って帰ってこようとしません。お別れのあいさつをしようと、孫である私たちの息子も仕事を調整し、遠方から駆けつけてくれたというのに、実の子である夫が帰ってこないなんて……。
仕事だと言いますが、夫が今いる場所は会社ではないと思います。私も義父も知っているのです。夫が今夜も不倫相手の女性と一緒にいることを……。私がそう言うと、「何をばかげたことを言ってるんだ!」と夫はキレてきました。しかし、本当のことだからキレているのでしょう。
義父が倒れて20年。私はずっと介護をしてきました。加えて、家事や育児もして、本当に忙しい毎日でした。だから夫は、不倫に気づかないと思っていたのでしょうが、3年も前から知っていました。
いくら義父に暴言を吐いていても、さすがに最期くらいは……そう期待していましたが、私の考えが甘かったようです。
連絡の最後に、「お前は社会のお荷物で、俺に養われなきゃ生きていけない無駄な存在なんだ、これからはもっと言動に気をつけろ」と警告された私。「俺の気分次第でお前なんて簡単に捨てられるんだからな」とまで言われました。
介護が終わり、捨てられる用済みの私
結局、夫は顔を見せないまま、義父は最期を迎えました。それから1週間後、葬儀も終わり、遺品整理もひと段落したころ、夫が突然こう言いました。
「20年間介護ご苦労さん!」
「離婚届は出しておいたから、もう好きにしていいぞ」
そういえば昔、夫と喧嘩をしたときに離婚届を持ってこられて、記入したことがあったことを思い出しました。夫は、昔書いた離婚届を、私に確認もなく提出していたのです。もう夫婦でいる気はなかったので、別にいいのですが……。
「ありがとう♡ じゃあ今すぐ出てって!」
夫の身勝手さにあきれつつ、私は夫に家から出ていくように伝えました。すると夫は「は?」と驚いた顔をして「なんで俺が?」 と言います。
「なんでって……」この家は私のものだからです。3年前、夫の不倫に気づいたころ、義父は弁護士に相談し、「この家はバカ息子ではなく、◯◯さん(私)に譲りたい」と言ってくれました。
その後、贈与税や登記のことも専門家に確認しながら、生前贈与として正式に所有権移転登記を済ませました。つまり、この家は義父が亡くなる前から、すでに私名義だったのです。
さらに義父は、夫を推定相続人から廃除する手続きも進めていました。相続廃除は簡単に認められることではありませんが、夫は以前義父の通帳を盗もうとし、その際に義父に大けがをさせたことがあります。その際の診断書、当時の記録、暴言の録音などを証拠として提出し、家庭裁判所で廃除が認められていました。
そのため夫には相続権がありません。ただし、孫である息子には代襲相続の可能性があったため、その点も弁護士を通して整理が済んでいます。きっと義父は、何もしないどころか自分を邪魔者扱いし、罵倒していた夫に何も残したくなかったのでしょう。
相続廃除の手続きにも、私がこの家を譲り受けるための手続きにも時間は要しましたが、どちらも義父の強い希望でした。義父本人が弁護士に相談し、私は証拠集めや手続きのサポートをし、準備をしてきました。
若い女性との再婚を夢見た夫の末路
自分には一銭も遺産が入らないと知り、夫はがく然。「俺はお前らを養うために一生懸命働いてきた」と言いますが、夫ひとりだけで家庭が回っていたわけではありません。
それどころか、夫は不倫をして相手の女性にたびたび高価なプレゼントを送っていました。私は結婚して以来、夫からプレゼントなんてもらったことがありません。自分勝手で文句ばかりの夫に、私たち家族は嫌な思いばかりしてきました。いいタイミングで離婚ができて清々しているというのが、私の今の本心。
離婚届は夫によってすでに出されています。勝手に出されたので、本来なら無効を主張できる可能性もあるそうですが、弁護士に相談したうえで、離婚そのものは追認することに。同時に財産分与や不倫に関する慰謝料などについても弁護士に相談しました。後日、弁護士を通して話し合うことになりましたが、夫はその前に復縁を望んできました。
どうやら、介護問題が解決したらさっさと私と離婚して、20代の不倫相手と再婚しようと思っていたらしいのですが、あっさり振られてしまったようです。最後の最後まで身勝手で本当にあきれます。そもそも、勝手に離婚届を出したのは夫です。謝られても許す気にはなれませんし、復縁を求められてもやり直す気になれるわけがありません。
この年齢でひとりで生きていくのは大変だぞと夫は言いますが、まったく問題ありません。私はこの20年、時間を見つけては資格取得や在宅ワークに励んできました。収入もきちんと得ています。息子が巣立ち、義父の介護も終わったこれからは、もっとしっかり働く時間を取れます。
その後、弁護士を通して何度か話し合い、私は夫と不倫相手の2人に慰謝料を請求しました。最終的に夫は、すべてを諦めたような顔をして家からも出ていきました。今は会社の近くに安いアパートを借り、ひとりさびしく生活しているようです。
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家族だからこそ、心を許して本音で向き合いたいものですが、何を言ってもいい、してもいいということとは違いますよね。家族だからこそ、丁寧に接する必要もあるでしょう。どんな相手に対しても思いやりを持って接したいですね。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。