産後の第一声「 DNA鑑定しなさい!」
出産して間もなく、私が病室で休んでいると、義母がやってきました。子どもが生まれたおめでたい日だというのに、いつものようにどこかイライラした様子です。
義母はベビーベッドで寝ている赤ちゃんを見て、お祝いの言葉を言う前に「息子に似ていない……あなた、浮気相手の子どもを産んだわね!? DNA鑑定しなさい!」と言い放ちました。娘はまだ生まれたばかり。夫に似ているかどうかなど、私にも判断できません。
義母は、以前私が同僚の男性と偶然道端で立ち話をしているところを目撃したことがあり、どうやらそれ以来ずっと私の浮気を疑っていたようです。しかし、それはまったくの濡れ衣です。
本当にただの仕事関係の後輩で、やましいことは一切ありません。しかし、義母はかたくなに私の浮気を疑い続けていたのです。私がいくら否定しても、一切聞き入れてくれませんでした。そのうち誤解は解けるだろうと思っていましたが、まさか出産直後の病室でまで持ち出されるとは思ってもみませんでした。
私が悪いの!?
さらにショックだったのは、義母が私の浮気を疑う横で、夫まで「絶対に浮気じゃないとは言い切れないよな」と同調し始めたことです。どうやら夫も、娘が自分に似ていないと感じており、義母の言葉に乗せられて疑心暗鬼になってしまったようでした。
私はまったく納得がいきませんでしたが、この問題を早く解決するために、自らDNA鑑定をして潔白を証明することにしました。結果は当然、夫が娘の父親であることを示すものでした。早速、義母と夫に鑑定結果を見せることにしました。
すると夫は、謝るどころか「俺に似てない子を産んだお前が悪い。心配をかけた母さんにも謝れよ」と開き直ったのです。出産したばかりの妻に対して、ねぎらいの言葉もなくこのような対応をとる夫。私は、この先彼と一緒に子育てをしていくことに強い不安を覚えました。
離婚を決意……そして私の反撃!
私の不安通り、その後も夫は義母の言いなりでした。育児に積極的に関わるどころか、何かあるたびに「母さんが言うなら」と義母の味方ばかり。私がつらさを訴えても、「考えすぎ」「母さんも心配してるだけ」と取り合ってくれませんでした。
このままでは、娘を守りながら夫婦としてやっていくのは難しい。そう感じた私は、育児をしながら少しずつ今後の生活や養育費について調べ、ひそかに離婚の準備を進めました。そして出産から半年後、義両親と夫の前でついに離婚を宣言したのです。
しかし義母は、「浮気している女に養育費なんて払う必要ないでしょ! 私にはわかるのよ!」と、DNA鑑定の結果が出ているにもかかわらず、まだ私の浮気を疑っていました。もちろん、養育費は娘のためのお金であり、義母が決めることではありません。
あまりにも義母がしつこく理不尽な主張を続けるので、私はある事実を切り出すことにしました。「お義母さん、浮気についてそこまで過敏になるのは、ご自身に何か思い当たる節があるからではないですか?」と尋ねると、義母は「失礼ね! 名誉毀損で訴えるわよ!」と、感情的にまくし立てました。しかし、私には確信がありました。
義母が長年隠していたこととは?
実は、夫はこれまで自分の血液型を正確に知らなかったのですが、今回の一件をきっかけに検査を受け、O型であることがわかりました。そこで私は違和感を覚えたのです。
義母はO型ですが、義父はAB型です。一般的なABO式血液型の遺伝では、O型とAB型の両親からO型の子どもが生まれることは通常考えにくいとされています。もちろん、まれな例外があることは知っていましたが、私はどうしても違和感を拭えませんでした。
夫に確認したところ、彼は両親と血がつながっていると信じて疑っておらず、義父も夫を自分の実の子だと思って育ててきたようでした。さすがに他所様の家庭の事情なので黙っておこうと思っていたのですが、ここまで私を理不尽に疑い、攻撃してくるのであれば、私も黙っているわけにはいきません。
墓場まで持っていくつもりが……
私が血液型の矛盾について指摘すると、義母は顔を真っ赤にして怒り出しました。「そんなに言うなら、お義母さんたちもDNA鑑定をしてみてはいかがですか」と私が提案すると、義母は「私を疑うなんて失礼よ! 鑑定なんてするわけがない!」と取り乱しました。その態度に、義父も夫も強い違和感を覚えたようでした。
私の指摘を聞いた夫は、真っ青な顔をして言葉を失っていました。結局、疑念を抱いた義父の強い要望もあり、一家でDNA鑑定をおこなうことになり、夫と義父に血のつながりがないことが証明されたようです。そして、その後の話し合いの中で、義母がかつて別の男性と不倫関係にあったことを認めたそうです。
義母の長年の裏切りにショックを受けた夫は、私に深く謝罪し、「やり直したい」と懇願してきました。しかし、一番つらい時期に私を信じず、心ない言葉を放った夫への愛情はすでに冷めきっていました。私は復縁をきっぱりと断り、その後、話し合いを重ね、養育費についても取り決めた上で、無事に離婚を成立させました。
義両親も現在、離婚に向けて話し合いを進めているそうです。義母は自分の秘密を墓場まで持っていくつもりだったのでしょうが、それが明るみに出るきっかけを作ったのは、ほかでもない彼女自身の、異常なまでの疑心暗鬼でした。過去の過ちから目をそらし続けても、いつか向き合わなければならないときが来るのかもしれません。
◇ ◇ ◇
産後の心身ともに不安定な時期に、一番の味方であってほしい夫や家族から浮気を疑われるなんて、どれほどつらかったことでしょう。わが子が似ていないというだけで不貞を決めつけるのは、あまりにも暴論です。
義母は、自分自身の過去の後ろめたさがあったからこそ、他人の行動に対して過剰に反応してしまったのかもしれません。隠し事を抱えたまま、人を攻撃して自分を正当化しようとしても、いつかは自分自身に返ってくるもの。大切な人に対してこそ、真摯な姿勢で向き合っていたいですね。
※本記事は、ベビーカレンダーに寄せられた体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。