雨で病院行きバスが遅れ…疲れた体で待つことに
新幹線で大学病院がある街に着いた私は、雨の中、いつもの駅前のバス乗り場へ。「雨で渋滞してバスは遅れるだろうな」と、少なからず待つ覚悟はしていました。
持病の影響で、体がすぐに疲れてしまう私は、バス乗り場のすぐ近くのコンビニ店内の椅子に腰かけ、バスが来る方角を注視。5分、10分と待ちますが、なかなかバスはやってきません。
しかし、さすがに15分遅れることはないだろうと思い、座っていた椅子から立ち上がり、乗り場へ向かうことにしました。そのバスを逃したら、病院の予約時間に間に合わなくなってしまいます。私は立ったまま、前かがみになり、持っていたつえに寄りかかるように歩いて行きました。
そのとき、ふと前を見ると、同じようにつえを持った方が2人、バスを待ちくたびれて、しんどそうに立っています。ともに大学病院へ向かうに違いありません。
つえを持つ人の赤い札を調べると…私も一緒だ!
乗り場に到着し、2人に目を凝らすと、それぞれ手にしているカバンに、赤い札が付いているのに気が付きました。
「何だろう? 十字とハートのマーク……もしかしたら何かを知らせるマークかな?」と思い、すぐスマホでチェック。すると、これは「ヘルプマーク」だということが判明しました。「援助や配慮を必要としていることが外見からはわからない方々が、周囲に配慮を必要としていることを知らせ、援助を得やすくするためのマーク」とあります。
そのとき、私はハッとしました。「きつそうだな、大丈夫かな、きっと外から見ただけではわからない不調や事情を抱えていらっしゃるのかもしれない」と思うと同時に、「私と一緒だ。私の病気も、痛い、きついと伝えなければ、誰にも気付いてもらえない」と感じたのです。
普段は、病気について理解してくれている家族と職場の方々のおかげで、日々の暮らしや仕事ができています。通院などで遠出をするときはつえを使用しますが、日常ではなるべく使わず、足を少し引きずることがあってもゆっくりと、無理なく歩くようにしています。それでも、病気で疲れやすいので、予備の薬を持ち歩き、つえには家族の連絡先を書いているくらいです。
この日以来、あの赤い札の存在が気になって仕方がありませんでした。
ヘルプマークを入手し安心感…私の御守りになる
後日、自分自身の病状とヘルプマークの対象について調べてみました。すると、私はマークを利用する対象の可能性があるようでした。
そこで私は思い切って、役所の福祉課を訪ねました。「あのー、ヘルプマークについて聞きたいのですが……」と問うと、職員は丁寧に説明してくれました。特定の疾患名だけで判断されるものではなく、援助や配慮を必要とする人が申し出ることで交付を受けられ、診断書などの提示は求められませんでした。
私は、簡単なアンケートに答えただけで、その場ですぐに十字とハートが描かれた赤いヘルプマークのタグと、必要な情報を書き込めるカードを渡してもらえました。
シンプルな札ですが、実際に手にすると心強く、安心感に包まれた気分になったのが不思議でした。私は、少し心が軽くなって帰宅しました。
ヘルプマークは、公共交通機関の利用時や移動中、街中、そして緊急時・災害時などに、周囲へ配慮や手助けを求めやすくするもの。私にとっては、貴重なものです。もし災害が起きて避難所で過ごすことになったとき、きっと私の御守りになってくれると思っています。
まとめ
今回、偶然知ることになったヘルプマーク。使用する際は、できる周囲で「そんな手助けが必要か」を具体的に伝えられるようにしておくと、周囲も動きやすいのだと感じました。私は、マークの裏面に、緊急連絡先や「体調不良時は水を飲ませてください」など、必要な対応を書いたシールを貼っています。
ヘルプマークは何かを当然のように優先してもらうためのものではなく、配慮や手助けが必要なことを周囲に知ってもらうためのものだと感じています。マークの意味がまだ十分に知られていない場面もあるかもしれませんが、自分でも体調管理を続けながら、もしものときには、この赤い札が助けを求めるきっかけになってくれればと思っています。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
※AI生成画像を使用しています
著者:琥珀乃 たびと/40代独身女性。契約社員として働く。高齢の両親と3人暮らし。現在、父は介護施設に入所中。珈琲とパン、甘いものが好きな食いしん坊。
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2026年5月)
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