A美とは、私が娘を妊娠中に参加した母親学級で出会いました。
母親学級での出会い
最初は気さくに話しかけてくれたA美でしたが、しだいに図々しい行動が目立つようになりました。わが家に遊びに来るたびに、「このベビー服かわいい! これも欲しいなぁ〜」「これももらうわね〜」と言って、私が作った作品やベビーグッズを勝手に持ち帰ろうとするのです。
私が止めようとしても彼女は聞き入れず、「また作ればいいじゃない」と言って持ち帰ってしまいました。それも一度や二度ではありません。ハンドメイド作品や子ども用の小物など、気付けば何点も持ち去られ、私は次第にA美と関わりたくないと思うようになり、距離を置くことにしたのです。
想定外の再会
A美の息子は、自宅近くの幼稚園に入園すると聞いていました。一方、娘は教育方針に共感した少し離れた幼稚園への入園を決めていたため、もうA美と顔を合わせることはないだろうと思っていました。ところが入園前の説明会へ行くと、そこにはなんとA美の姿があったのです。
A美は「夫の実家が近くて、何かあったときに息子を預けやすいからこっちの幼稚園にしようと思って」と言います。その幼稚園では、通園バッグや上履き入れ、布団カバーなど、保護者が手作りするものが必要とのことでした。
説明会終了後、A美は私のもとへやって来て、「私、ミシン持ってないの〜どうしよう~」と言い出しました。私に作ってほしいと言う魂胆が見え見えでしたが、私は「ミシンがあると便利ですよ。今後も使う機会があると思いますし、ご自身で用意して作ってみてはどうですか?」と言いました。
真実が明らかに
数日後の夜のことです。突然インターホンが鳴り、玄関を開けるとA美夫婦が立っていました。するとA美が「ミシン、受け取りに来ましたぁ〜」と言うのです。
意味がわからず戸惑っていると、「ミシン、譲ってくれるって言ったよね?」と続けました。もちろん私はそんな約束はしていません。
「いいえ。ミシンを購入して、ご自身で作ってみてはどうですか、とお話ししただけです」
そう説明すると、A美の夫が驚いた表情を浮かべました。
「えっ? だってあなたに3万円払ったって聞いてますよ? 代金も渡しているのに、どうして受け取れないんですか?」
その言葉を聞いた瞬間、A美の顔色が変わりました。どうやらA美は夫に、『(私から)ミシンを3万円で譲ってもらう約束をした』と嘘をつき、夫からお金を受け取っていたのです。
A美は、これまで何度も私の作品を半ば強引に持ち帰っていました。そのため今回も、夫の前で既成事実を作ってしまえば私が断れないと考えたのでしょう。
夫に嘘がバレたママ友
真実を知ったA美の夫は激怒し、何度も頭を下げて謝罪しました。
私はこの機会に、これまでA美に私のハンドメイド作品やベビー用品を無断で持ち帰られていたことも話しました。するとA美の夫はさらに驚き、「そんなことまでしていたのか……」とあ然としていました。
追及されたA美はついに観念し、持ち帰った作品の一部をフリマアプリなどで販売し、小遣い稼ぎをしていたことを認めました。販売履歴も確認した結果、実際に売却していた作品数や金額が判明しました。
A美は涙ながらに謝罪しましたが、それだけで済ませるつもりはありません。
最終的には、持ち帰られた作品の材料費と制作費に加え、販売した作品の売上相当額についても弁償してもらうことで話がまとまりました。
その後、幼稚園生活が始まりましたが、私はA美とは適度な距離を保ち、必要最低限の付き合いだけを続けています。ママ友関係でも、お互いの境界線を尊重し、感謝の気持ちを持って接することの大切さを改めて感じた出来事でした。