突然告げられた別れ
ある朝、出社した僕は、彼女と後輩のB山から呼び止められました。B山は出世欲が強く、普段から評価をかなり気にするタイプです。
「私たち、今日からパートナーを組むことにしたの」
突然の言葉に、僕は思わず「どういうこと? 仕事の話?」と聞き返しました。すると彼女は悪びれる様子もなく「仕事も恋愛も。あなたとは終わりにしたいの。前からB山くんのほうが私に合ってると思ってた」と言ったのです。
隣にいたB山は、勝ち誇ったような顔で「先輩には悪いですけど、僕たち、少し前から付き合ってるんです。彼女にはもっと上を目指せる相手が必要なんですよ」と笑いました。
ふたりが僕に隠れて付き合っていたと知り、頭が真っ白になりました。彼女に裏切られていたのだと思うと、うまく言葉が見つからず、「……そういうことだったんだ。わかった」と答えるのが精いっぱいでした。
思わぬ相手からの誘い
僕たちの様子を見ていた同じ部署のA子さんが、あとから「大丈夫ですか?」と声をかけてくれました。そして、「無理にとは言わないけど、今日の夜、よければ食事に行きませんか?」と誘ってくれたのです。
その日の夜、レストランで向かい合うと、A子さんは少し緊張した様子で口を開きました。
「あなたのパートナー……私じゃダメですか?」
僕は慌てて、「えっ!? あの、僕は今日、彼女と別れたばかりで……」と言いました。するとA子さんはふっと笑い、「ごめんなさい。恋人としてじゃなくて、仕事のパートナーとしてです。あなたと組みたいと思って」と説明してくれました。
A子さんも直前にペアを解消したばかりで、新しいパートナーを探していたそうです。意味を理解した僕は恥ずかしくなりながらも、「僕でよければ、ぜひお願いします」と答えました。
こうして僕は、A子さんと新たなパートナーを組むことになったのです。
順調そうだったふたりに異変が
元カノとB山は、最初こそ順調そうに見えました。ふたりは僕に聞こえるように、「B山くんと組むと仕事が早くて助かる」「やっぱり相性って大事だよな」などと話していたこともあります。
しかし、しばらくすると、ふたりの関係はぎくしゃくし始めました。B山は自分の評価につながる仕事ばかりして、地道な作業を元カノに任せることが増えたようです。元カノはB山への不満を募らせ、ふたりは職場で口論をするようになりました。
一方で、僕とA子さんは、どちらか一方に負担が偏らないように意識して仕事を進めました。得意なことは任せ合い、苦手な部分は補い合う。その積み重ねが評価され、やがて上司から大きな案件を任されることに。すると、B山は「なんで俺たちじゃないんだよ」と不満をあらわにしました。
そのころには、元カノとB山の口論も周囲に伝わっていました。やがてふたりは連携不足を上司から注意され、業務上の混乱を避けるため、パートナー関係は解消されることに。恋人関係もほどなく終わったようです。
仕事のパートナーから恋人へ
その後も、僕とA子さんは仕事上のパートナーとして信頼を深めていきました。仕事の相談をするうちに食事に行く機会も増え、少しずつお互いのことを知っていきました。やがて僕は、A子さんに惹かれていることに気づいたのです。
そしてある日、僕はA子さんに気持ちを伝えることにしました。
「これからは、恋人として僕のそばにいてくれませんか」
A子さんは少し驚いたあと、笑って「はい」と答えてくれました。
あのときは、仕事も恋も一度に失ったようで、とてもつらかったです。けれど今は、あの出来事があったからこそ、本当に信頼できる人と出会えたのだと思っています。これからもA子さんと、互いを尊重し合える関係を築いていきたいです。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
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