「みちると暮らしてるときのほうが幸せだったなって」「俺、子どもたちのこと大好きだし、また一からいい関係を築いていける」と復縁を求めてきたやば男に対し、みちるは「やり直すなんて、絶対にありえない」と返します。
それでもやば男はヘラヘラしながら話を続け、長男が暮らす予定の借家の家賃を「俺が払うよ。任せといて」——。
これまで一度も養育費を払わなかったやば男のことを信じられるはずもなく、しかし、みちるに経済的な余裕はありません。少額であっても払わせることを決め、「絶対に払いなさいよ」と強く伝えたのですが……。
長男の大学入学から数カ月後、サレ妻の不安が的中して…?








※離婚届を配偶者の同意なく作成・提出する行為は、有印私文書偽造罪や偽造私文書等行使罪などに問われる可能性があります。前もって「不受理申出」の手続きをおこなうことで、本人の意思に基づかない離婚届が受理されることを防ぐことができます。
みちるの不安は的中し、やば男が長男の家賃を払ったのは2カ月のみ……。
約束した家賃の支払いを滞らせただけでなく、そもそもただの一度も養育費を払っていないやば男に対し、みちるは差し押さえの措置を考えるも当時はハードルが高く、断念するしかないのでした。
やば男のあまりの不誠実さに、あぜんとしてしまいますよね。しかし、みちるの言うように、かつては差し押さえに至るまでのハードルが高く、本来、養育費を支払うべき立場の人が“逃げ得”のような状態になってしまうケースもありました。
これまで養育費の未払いに備えるためには、離婚時に「養育費を月にいくら払うのか」を取り決め、その内容を公正証書として残しておくことが重要な方法のひとつでした。さらに、その公正証書に「支払いが滞った場合は、ただちに強制執行を受けても構いません」という趣旨の文言を入れておく必要があり、こうした準備がない場合、実際に差し押さえに進むまでに時間や手間がかかってしまうこともあったのです。
みちるのように養育費の未払いに苦しむシングルマザーやシングルファザーは少なくありません。こうした状況を受け、2026年4月に施行された民法等改正では、養育費の支払いを確保しやすくするための新たな仕組みとして「法定養育費制度」が導入されました。離婚時に養育費の取り決めがなくても、離婚時から引き続き子どもを主に養育する親は、暫定的な養育費として、子ども1人あたり月額2万円を請求できるようになりました。また、この暫定的な養育費が支払われない場合には、差し押さえの手続きを申し立てることも可能です。
この法定養育費制度が適用されるのは、2026年4月1日以降に離婚したケースのみ。ただし、制度導入前に離婚していた場合でも、養育費について父母間で書面を交わしていれば、2026年4月1日以降に発生する養育費について、差し押さえの手続きを進めやすくなります。今回の制度改正をきっかけに、みちるのように泣き寝入りせざるを得ない人が少しでも減ることを願うばかりですね。
岡田ももえ