臨月の私宛てに騒音クレーム→急いで帰宅した先にあった裏切りの現場

結婚を機に、私は夫とマンションを購入しました。新生活に胸を膨らませていたあのころ、隣には同じくらいの年齢のご夫婦が住んでいて、ちょうど赤ちゃんが生まれたばかりだと聞いていました。
ご主人がうれしそうに赤ちゃんを抱いている姿を何度か見かけて、「きっとあたたかい家庭なんだろうな」と感じていたのを覚えています。私自身も当時妊娠中だったため、近くに先輩パパ・ママがいるご家庭があることを心強く思っていました。
ところが、引っ越してしばらく経ったころ、お隣さんについて気になる話を耳にしたのです。
「育児も家事もほとんどご主人がやっていて、奥さんはあまり関わっていないらしい」
真偽はわかりませんでしたが、数日後、その噂話を裏付けるような出来事に直面したのです。
隣人への違和感、そして夫への不信感
ベランダで洗濯物を干していたとき、隣から奥さんが電話で話す声が聞こえてきたのです。その間、赤ちゃんの泣き声がずっと続いていました。そして、電話が終わったあとも、泣き声は止まなかったのです。
初産で、子育て経験のない私。「赤ちゃんはよく泣くもの」と聞いていたこともあり、深く考えないようにしていました。しかし、心のどこかには引っかかるものを感じていたのです。
その夜、隣人夫妻に関する噂話と今日耳にしたことを夫に話してみましたが、夫は「初めての育児で大変なんだろう」「うちも頑張らないとな~」と軽く流すだけでした。
そのころ、夫は「仕事が忙しい」と言って、家でもスマートフォンをずっと見ていました。私の話をしっかり聞いてくれることはほとんどなく、返ってくるのは生返事ばかり。
これから出産を控えているのに、このままで大丈夫なんだろうか……という私の不安は、日に日に大きくなっていきました。
実家への一時避難
隣の赤ちゃんの泣き声はその後も続いていました。
日中、何時間も泣き続けることもあり、このままでいいのか迷うこともありましたが、他人の家庭に踏み込むこともできず、ただ気をもむことしかできませんでした。
そんなある日、隣の赤ちゃんのことばかり気にしている私を見かねたのか、夫が「しばらく実家に帰ったらどう?」と提案してきたのです。実家といっても、同じ市内。産院を変える必要もなかったため、私はその提案を受け入れることに。
最初のうちは平日だけ実家で過ごすつもりだったのですが、次第に夫の休日出勤が増えていったこともあり、私はそのままほとんど実家で生活するようになっていきました。
「ごめん、出産にも立ち会えそうにない」
「どうしても外せない仕事があるんだ」
そう言って、夫は出産予定日にも出張を入れたのです。夫に対する不信感は頂点に達していましたが、「仕事だ」と言われると、私は飲み込むしかありませんでした。
管理人からの電話
不安な気持ちを抱えながら過ごしていたある日、マンションの管理人さんから電話がかかってきました。
「インターホンを鳴らしているのですが、お留守ですか? 赤ちゃんの泣き声がうるさいと苦情が来ていまして……」
思わず言葉を失いました。
「うちにはまだ赤ちゃんはいません」と伝えると、一瞬黙り込んだものの、「念のため、一度ご自宅の様子を確認していただけますか?」と言ってきた管理人。
状況が理解できず、私は不安と違和感を抱えたまま、両親とともに家の様子を見に行くことにしました。
自宅に着いたときには、泣き声は聞こえませんでした。静かに鍵を開けて中に入ると――目を疑う光景が広がっていました。
リビングの床に寝かされた、隣人夫婦の赤ちゃん。そして、寝室では夫と隣の奥さんがあられもない姿で寝ていたのです。
一瞬、何が起きているか理解できませんでした。しかし、状況を見れば明らかでした。
夫が突然私に実家に帰るよう勧めてきたこと、休日出勤が増えたこと、そして隣の赤ちゃんが泣き続けていたこと――すべてが1本の線でつながったのです。
その場では身重の私の代わりに、両親が状況を記録として残してくれました。臨月の私にストレスをかけるわけにはいかないということで、後日の話し合いの場にも両親が立ってくれました。法的にも不貞行為が認められる状況だったこともあり、こちらの希望する慰謝料を請求できたのが不幸中の幸いです。
その後、私は無事に出産しました。腕の中で眠るわが子を見ると、「本当に守るべきものは何か」をはっきりと理解できます。
家族としての信頼を裏切る行為が、どれほど大きなものを失わせるのか――あの一件は、私にとって一生忘れることのない出来事です。
◇ ◇ ◇
日本の法律(児童福祉法・児童虐待防止法)では、虐待の確証がなくても、疑いがある段階で、すべての人に通報(通告)の義務があります。
「通報」は決して保護者を裁くためではなく、育児に余裕をなくしている家庭へ、行政の“適切な支援”を届けるための第一歩。「もしかして?」と気になった際には、近隣の児童相談所につながる児童相談所虐待対応ダイヤル「189(いちはやく)」に相談しましょう。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
1つ目のエピソードでは、臨月を迎えた女性が登場します。ある日、マンションの管理人から「赤ちゃんの泣き声がうるさい」と連絡を受けることに。しかし、女性はまだ出産前。身に覚えのないクレームの裏には、思いもよらない真実が隠されていたのでした。
続く2つ目のエピソードでは、母の看病のため実家へ帰省していた女性が登場します。隣人から届いた思いもよらない連絡によって、夫への疑念を抱くことに。当初は言い訳を重ねていた夫でしたが、確認を進めるうちに、隠されていた事実が次々と明らかになっていき……。
隣人「夜の声を控えていただけると…」実家帰省中にクレーム→夫を問い詰めると!

隣人から電話が来たのは、母の看病で実家に戻って3日目のことでした。「少しお時間いいですか。言いにくいのですが……」そのあとに続いたのは、昨夜も一昨夜も、私の家から女性の声が聞こえていたという話でした。でも、そのとき私は、3日前からずっと実家にいたのです。
母の体調が悪くなったのは、3月の終わりごろでした。しばらく実家に滞在することになり、そのことを夫に伝えると、「大変だな……俺も行きたいけど仕事が忙しい」と返ってきました。
私は「大丈夫だから仕事頑張って」と返し、冷凍庫に作り置きのおかずを入れてあることも伝えていました。
夫はもともと「私がいないと何もできない」とよく言う人でした。当時はそれをかわいらしいと思っていましたが、今思えば完全に甘えだったのだと思います……。
隣人が教えてくれたこと
帰省して3日目の昼過ぎ、自宅の隣に住む女性から電話がかかってきました。会えば立ち話するくらいの間柄です。
そんな彼女が「仲がいいのは素敵なことだと思うんですけど……」と気まずそうに切り出してきたのです。話の内容は、夜中に聞こえてくる声のことでした。
「管理会社に言って大ごとにするのもな、って思って……」
「夜の声をもう少しだけ控えていただけると……」
私は戸惑いながら答えました。
「今、私は実家に帰省中なんですが……」
その瞬間、彼女が息を呑む音が聞こえました。
「え……? じゃあ、昨晩の声は……?」
私は、3日前からずっと実家にいることを説明しました。すると彼女は、「昨日も一昨日も、女性の声が何度も聞こえていました」と教えてくれたのです。
「そんなはずない」と思いながらも、言葉がうまく出ませんでした。
断片的にしか覚えていませんが、「女性の声が何度も聞こえていたこと」「私だと思い込んでいたこと」「楽しそうな声だったこと」などを聞いたとき、頭の中がうまく整理できなくなっていました。
夫への確認
部屋に戻ると、母は静かに昼寝をしていました。その穏やかな光景とは裏腹に、私の中では嫌な想像ばかりが広がっていきました。
夫が「残業で遅い」と言っていた3日間――私は毎晩「おやすみ」とメッセージを送り、体を気遣っていたのに。
気づいたときには、私は夫に電話をかけていました。
「昨日の夜、何してた?」
「普通に仕事して帰って寝たけど。なんでそんなこと聞くの?」
私は隣人の話をそのまま伝えました。すると夫は「テレビじゃないか?」と言ったのです。
その言い訳を聞いたとき、不思議と笑いがこぼれました。納得ではなく、あきれに近い感情でした。
「テレビと人の声の違いくらい、わかると思うけど」
私がそう言うと、しばらく沈黙が続きました。
その後、ようやく「人を家に呼んでいた」と認めた夫。会社の後輩で、終電がなくなったから泊めただけだと説明しました。
しかし、その説明には無理がありました。
「妻がいない間に女性を泊めて、何もないで済むと思ってるの?」
夫はしどろもどろになりながら言い訳を続けていましたが、もちろん説得力はありません。その場で追及を続けることはせず、近くに住む叔母夫婦に母のことをお願いし、私は帰宅して確認することにしました。
部屋に残されていた違和感
急いで自宅に戻ると、部屋は不自然なほどに整えられていました。
洗面台の化粧水の位置がいつもと違う。見覚えのないコットンのパッケージがゴミ箱に入っている。洗面台の下には、知らないピアスが落ちていました。
一つひとつなら言い逃れできるかもしれません。しかしそれらが重なっていくたびに、偶然では片づけられなくなっていくのです。
話が変わるたびに、もう言い逃れは無理だと自分でもわかっているのだろうと思いました。そこで私は反論せず、発言を一つずつ記録することにしました。日時と発言の内容をメモに残し、やり取りも保存しました。
最初は「特に親しくはない異性の友人」、次に「親友みたいな女性」、そして最終的には、その女性と個人的な関係にあったことを認めたのです。話が変わるたびに、夫は自分でも何を言っているのかわからなくなっているようでした。私は感情的に責める代わりに、「今の話も記録するね」とだけ伝えました。
交際期間を聞くと、しばらく黙ったあとで「半年くらい前から」と返事がありました。
その半年間、私は毎日お弁当を作り、体調を気遣い、支えていたつもりでした。そのことを思い出しても、怒りよりも虚しさしか残りませんでした。
静かに進めた決着への準備
夫から言質を取った翌日、私は弁護士の無料相談へ。そこで「今後は感情的なやり取りを避け、記録を残すこと」が重要だと教えられました。
努めて冷静でいるつもりでしたが、やはり気は動転していたようです。何から手をつけていいかわからない私に、弁護士はいろいろと確認すべきポイントも教えてくれました。
弁護士に言われた通りに確認すると、夫のカード明細には外食やアクセサリー購入の履歴が残っていました。私は一つひとつ写真に撮り、証拠として保存しました。
また、例の隣人は、音が聞こえた日時を記録してくれていました。「必要なら私が証言しますから!」という力強い言葉にどれだけ救われたかわかりません。
これだけの証拠と本人の自白があれば十分に進められる、と弁護士に言われたとき、ようやく私の中で話がつながりました。夫がその場しのぎで重ねた言い訳は、すべて自分を追い詰める材料になっていたのです。私は荷物をまとめ、その日のうちに実家へ戻りました。夫からは何度も「反省している」と連絡が来ましたが、私は何も返しませんでした。もう言葉で揺さぶられるつもりはなく、必要なことはすべて弁護士を通すと決めていたからです。
その後――。
弁護士を通じて手続きを進め、私たちは離婚。慰謝料の支払いが確認できた時点で、私は元夫の連絡先をブロックしました。元夫と、その女性がその後どうなったのかは知りません。
あの日、隣人が勇気を出して伝えてくれなければ、私は何も知らずに同じ生活を続けていたと思います。そう考えると、怖さよりも虚しさのほうが強く残りました。
◇ ◇ ◇
離婚後の生活は、驚くほど静かです。洗面台が自分の使ったままの状態であることに安心したとき、胸が少し痛みました。それでも、もう誰かの嘘や言い訳に振り回されることはありません。特別な幸せはまだいりません。ただ、穏やかに一日を終えられること――それを自分の手で取り戻せたことが、今の私には何より大きいと感じています。
※本記事は、ベビーカレンダーに寄せられた体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
いかがでしたか?
今回は、第三者からの連絡によって夫の裏切りを知ることになった女性たちのエピソードをご紹介しました。
信頼関係は、相手が見ているときだけでなく、見ていないときの行動によっても築かれるものです。しかし、隠し通せると思っていても、嘘や裏切りは思わぬところから明らかになることがあります。
一度失った信頼を取り戻すことは簡単ではありません。相手を裏切ることの重さと、誠実であることの大切さを改めて考えさせられるエピソードでした。