結婚前は「子どもはあまり好きじゃない」と言っていた夫。それなのに今は、口を開けば「子ども、子ども」とそればかりです。自分の本心からというより、完全に世間体を気にして欲しがっているようにしか、私には思えません。
「子どもがいないと妻子を養う経済力がないと思われる」というセリフを耳にしたときには、呆れて開いた口が塞がりませんでした。
夫のイライラ
最近、毎日のように「残業だ」と遅く帰ってくる夫。しかし、部屋に落ちていた給与明細を見ると、残業手当はほとんどついていませんでした。問い詰めると「ストレス発散のために友だちと飲み歩いていた」と白状したのです。
ストレス発散と言いますが、夫のイライラはひどいもの。あまりに夫が妊娠を急かすので妊活を始めたのですが、それ以来「まだ妊娠しないのか?」と毎日のようにプレッシャーをかけてくるようになりました。
マイペースな私に対して、夫のイライラは募るばかり。「少しは俺に申し訳ないと思ったらどうだ!」と心無い言葉をぶつけてくる始末です。
夫と見知らぬ女性が!?
ある日、私は夫に「早く帰ってきてほしい」と連絡しました。どうしても伝えるべき、大事な話があったからです。
しかし、夫は聞く耳を持たず、「用件ならメールで言え」と突っぱねるばかり。仕方なく、私は文字で伝えることにしました。
実は先日、私は偶然にも夫の不倫現場を目撃してしまっていたのです。見知らぬ女性と仲睦まじく手をつなぎ、ホテルへと消えていく夫の姿を――。
言い訳のしようもない、完全な“クロ”。当然、平謝りされるかと思いきや、夫から返ってきたのは信じられない言葉でした。
「俺の浮気は妊娠しないお前のせいだ!」「男の本能ってヤツだよ」
なんでも、自分の子どもを産んでくれる「完璧な女性」を求めていたのだそう。呆れ果てる私をよそに、夫からは「だからお前とはこれで終わり。離婚だ」と、一方的なメッセージが送られてきたのです。
大切な報告
一方的に離婚を突きつけ、自分は悪くないと思っている夫。しかし私には、まだ伝えていない「もう1つの報告」がありました。
「妊娠なら、もうしてるけど」
本当は今夜、妊娠の報告をするとともに、不倫の事実を問い詰めるつもりでした。彼が心から反省し、やり直す覚悟を見せてくれるなら、許すことも考えていたのです。
でも、もうそんな状況ではありません。動転しているであろう夫へ、私はさらにメッセージを送りつけます。「だけど……あなたにはもう関係ないね」
私の妊娠を知った瞬間、夫は手のひらを返します。これまでの暴言や不倫を必死に謝罪し、なりふり構わず許しを請うメッセージが次々と届きました。
ですが、時すでに遅し。あれほど私を傷つけ、裏切った男をいまさら許せるはずがありません。私の心は、完全に決まっていました。
浮気の言い訳
ついに夫は、「相手の女性に騙されて浮気をしてしまったんだ」「これからは良い父親になって償う」と、苦しい言い訳を始めました。当然、そんな言葉を信じられるはずがありません。
さらに夫は『子どもがいない男は半人前』だという世間の風潮に追い詰められたとまで主張する始末。自分の思い通りにならないと、すぐに周囲や社会のせいにするのは夫の悪い癖です。
このまま一緒にいたら、また何かにつけて私のせいにされ、罵倒される日々に戻るだけでしょう。
後日、話し合いの場で私の離婚への意思が固いと察した夫は、今度は「離婚には応じるから、親権は俺に渡せ」と言い出しました。扶養に入っている私に対し、「経済力のない専業主婦に親権なんて取れるわけがない」と、相変わらず見下した態度をとってきたのです。
しかし、夫に心配される筋合いなど1ミリもありません。私の両親は「子どもが生まれたらいつでも手助けするからね!」というスタンスです。
それに私には以前取得した資格があります。実家の近くに移り住み、環境さえ整えばすぐにでも再就職して、十分に自立できるでしょう。
離婚協議の結果
その後も離婚や慰謝料などの条件協議は難航したものの、夫にとって決定打となったのは、自分の両親からの一喝でした。今回の不倫とこれまでの暴言を知った義両親は激怒。「こんな情けない男とは今すぐ離婚しなさい」と、全面的に私の味方になってくれたのです。
その後、離婚は無事に成立。私は実家のサポートを受けながら、おなかの赤ちゃんとの新しい生活に向けて、前向きな一歩を踏み出しました。
◇ ◇ ◇
「子どもがいない男は半人前」――そんな古い価値観や、周囲の勝手な風潮に惑わされる必要はどこにもありません。
子どもを授かるかどうかは、誰かに言われて決めることではなく、自分たちの意思で決めるべき大切なことです。世間体や周囲の目を気にしすぎると、結果として大切なパートナーを傷つけ、家庭を壊すことになりかねません。
幸せのカタチは人それぞれ。他人の身勝手な物差しに振り回されることなく、自分たちにとっての幸せを見失わないようにしたいですね。
【取材時期:2026年5月】
※本記事は、ベビーカレンダーに寄せられた体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。