「気軽に専門家に質問ができて、さらに返信も早い」とママから日々感謝の声が寄せられているベビーカレンダーの人気コンテンツ【管理栄養士に相談】。その中から特に注目をあつめた質問の内容を一部抜粋してご紹介します。今回は、妊娠中の葉酸摂取に関するご相談です。
Q.葉酸サプリを摂ったほうがよいのでしょうか?
現在、第3子を妊娠中で、妊娠8週の妊婦です。つわりで毎日だるくて眠くて、一日中吐き気が……。妊娠中も葉酸がいいとは知っているものの、積極的にサプリで摂ったことがありません。納豆など普段の食事で摂っているのですが、つわりでなかなか食べられません。やはり葉酸サプリを摂ったほうがいいのでしょうか? また食事でも補えるのであればつわりの間も葉酸を効率よく摂れる食材や調理法などありましたら知りたいです。
久野多恵管理栄養士からの回答
葉酸は胎児の発育に欠かせない重要なビタミンであり、特に妊娠前から妊娠初期にかけて葉酸を摂取することで、赤ちゃんの神経管閉鎖障害発症のリスクが低減すると言われています。
妊娠期に必要な葉酸量は、非妊娠時の240μgに加えて240μgを付加するように推奨されています。1日に350gの野菜を摂取していたとしてもこの推奨量を毎日摂ることは難しいとされています。また、厚生労働省の妊産婦のための食生活指針においても、食品から葉酸を摂ることに加えて、1日400μg程度をサプリメントで補うことを推奨しています。
葉酸には造血作用もありますので、貧血予防のためにも妊娠全期間を通して葉酸サプリを継続されても良いと思いますよ。そして母乳を作り出すのは血液なので、出産後の授乳期にも非妊娠時240μgに加えて100μgの計340μgを摂る事が推奨されています。
葉酸を多く含む食品は、ブロッコリー、ほうれん草、アスパラガス、枝豆、納豆などです。 食事とサプリで、480μg摂れるように心掛けましょう。また、葉酸の上限量は1,000μg(1mg)/日ですので、過度に上限量を超えて飲みすぎることがないようにしましょう。
※参考:ベビーカレンダー「管理栄養士に相談」コーナーより
妊娠中におすすめの葉酸の摂り方
まず、毎日摂る食事に葉酸を多く含む食品を取り入れましょう。葉酸は、枝豆、モロヘイヤ、ほうれん草、ブロッコリーなどの緑黄色野菜やいちごなどに多く含まれています。葉酸は熱に弱く水溶性なので、調理方法は焼いたり、長時間茹でたりするのを避けたほうがよいです。
次に葉酸が強化された食品を利用しましょう。葉酸が強化された食品としては、葉酸米や葉酸卵といった普段の食事に手軽に取り入れられるものも多く出ています。食事で不足する分は、サプリメントを使って葉酸の必要な量を摂取するようにしましょう。
妊娠中に葉酸サプリメントを摂取する際の注意点
食事での葉酸摂取と、葉酸のサプリメントでの摂取では、実は摂取する葉酸の種類が違っています。食事で摂ることのできる葉酸は「食事性葉酸」、サプリメントに多く配合されている葉酸は「モノグルタミン酸型の葉酸」と呼ばれ、食事性葉酸のほうは利用効率がモノグルタミン酸型の葉酸の50%程度となっています。
そのため、推奨摂取量の食事で0.4mg/日、サプリメントで0.4mg/日というのを、サプリメントで0.8mg/日摂れば大丈夫だと勘違いしてしまうと、過剰摂取に繋がる可能性があるので注意しましょう。
また葉酸のサプリメントには、次のような問題があります。
1.品質の問題
医薬品と違い、サプリメントは品質や規格などが一定しません。
2.相互作用の問題
葉酸単独もの以外に、葉酸を含む総合ビタミン剤という形でも販売されています。総合ビタミン剤は、葉酸以外のビタミンを過剰摂取する恐れがあるため、葉酸を摂取するために総合ビタミン剤を選択することはやめましょう。特にビタミンAの過剰摂取は、胎児に影響がある可能性があるため避けましょう。
3.過剰摂取の問題
一日摂取目安量当たりの葉酸摂取量は、サプリメントの銘柄によって違っていますので、記載を確認し、過剰摂取にならないようにしましょう。
以上のことから、葉酸のサプリメントを購入する際は、十分に注意して利用してください。
※参考:基礎知識(妊娠中)「妊娠初期には欠かかせない葉酸。過剰摂取はNG!?」【監修者:医師 天神尚子先生 産婦人科 | 三鷹レディースクリニック院長】
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