海外赴任と、1年前に終わっていたはずの結婚生活
しかし、現実はそう甘くありませんでした。妻の身勝手な振る舞いが原因で1年前に離婚。顔を合わせるたびに罵倒をぶつけてくる彼女とは、同じ家にいても息が詰まるような別居状態の末に、ようやく縁を切ることができたのです。
離婚成立後、私は心機一転、海外支社への赴任を命じられました。「いつか新しい土地で平和な日常を取り戻せたら」と、私は心のどこかで淡い期待を抱いていました。
身に覚えのない「最低な濡れ衣」
そんな私のささやかな願いが完全に打ち砕かれたのは、赴任先である海外のマンションで休んでいた私のスマホが、突然震え出した時のことです。
画面を見ると、元義父からの着信。嫌な予感を抱きながら電話に出ると、元義父は鼓膜が破れそうなほどの声で怒鳴りつけてきました。
「慰謝料払って今すぐ離婚しろ! 娘が包帯だらけで泣いて帰ってきたぞ! お前から被害を受けたと聞いている!」
私は思わず言葉を失いました。
「は? 私たちはすでに離婚していますし、私は1年前から海外にいますが……」
しかし、元義父はまったく聞く耳を持ちません。
「君の言い分など聞きたくない! 一度、家族できちんと話し合うべきだ!」
その瞬間、私はすべてを理解しました。
元妻は、離婚していた事実を両親に隠したまま、自分が負った怪我まで私のせいにして、慰謝料を取ろうとしているのだと。
厳格な両親に、自分の不倫が原因で離婚したなどとは、とても言えなかったのでしょう。
怒りはありました。でも、ここで感情的に否定しても、元義父はきっと聞く耳を持たない。
そう思った私は、あえて静かにうなずきました。
「……了解です。では、きちんと確認させてください」
私がそう言うと、元妻は一瞬だけ勝ち誇ったような声を出しました。
けれど、それも長くは続きませんでした。」
「それならキッチリ終わらせよう」水面下で進めた反撃の準備
私はすぐさま日本の探偵事務所に連絡を取り、元妻の素行調査を依頼しました。
「絶対に言い逃れできない証拠を掴んで、終わらせてやる」。そう心に誓い、私は仕事の合間を縫って弁護士への相談や証拠集めを淡々と進めていきました。
数週間後、私は一時帰国をして元義実家に臨みました。リビングには元義父と、元義母、そして包帯姿の元妻が待ち構えていました。
顔を合わせるなり、元義父は「よく逃げずに来たな。さあ、慰謝料の誓約書にサインしろ」と、私を見下すように宣言してきました。
「……いよいよ、この時が来たか」私はついに集めた証拠をカバンに詰め込み、反撃の口火を切りました。
「嘘」が暴かれたリビングと、元妻の絶望
リビングにいる元義父と元妻は、「誠意を見せないなら警察に行くからな」と、相変わらずのふんぞり返った態度でした。
私は表情を変えず、淡々と口を開きました。
「慰謝料はお支払いしません。理由は、私が元妻に怪我をさせた事実などないからです」
私はそう言って、パスポートの出入国記録と、赴任先での勤務記録を元義父に見せました。
「元妻が怪我をしたと主張している時期、私はすでに海外にいたのです。」
私はカバンから、私のパスポートの出入国記録と、元妻が新しい交際相手の男性と金銭トラブルになり、突き飛ばされて怪我をしたという決定的な証拠写真をテーブルの上に並べました。
「なっ……!?」と息を呑む元義父。元妻は信じられないものを見るような目で顔面蒼白になっています。
「俺が1年前からずっと海外にいたことは、出入国記録が証明しています。君は、両親に離婚したことを隠したまま、交際相手とのケンカで負った怪我を俺にされたことに仕立て上げて、同情を買うついでに俺からお金を騙し取ろうとしたんですよね?」
それを聞いた元義父母は、愕然とした表情で元妻を凝視しました。
「お前……まさか、全部嘘だったのか……?」
元妻は「ち、違うのよ! 誤解よ!」と必死に弁解しようとしましたが、完全に後の祭りです。私は「自分の保身のために平気で嘘をつくような方とは、今後一切の関わりを持ちません」と冷ややかに言い放ち、その場の空気は完全に決着がつきました。
自分が実の娘から完全に騙されたと知った元義父は、激しい怒りとともにその場で元妻に絶縁を宣言。「こんな恥知らずな娘はもううちの敷居を跨ぐな! すぐに出て行け!」と突きつけました。
実家を追い出された元妻は、交際相手からも見捨てられて多額の借金だけが残り、今は日雇いのアルバイトでその日暮らしをしていると聞きました。
一方の私は、無事に海外に戻り、大きなプロジェクトに没頭し幸せな日々を過ごしています。
◇ ◇ ◇
自分の保身や見栄のために他人を悪者に仕立て上げたり、平気で嘘を重ねたりする行動は、いつか必ず自分自身の首を絞め、大切な人からの信用をすべて失う結果を招いてしまいます。どんなに状況がすれ違ってしまっても、一番近くにいるパートナーや周囲の人に対しては、常に「誠実」に向き合うことを大切にしていきたいですね。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。