人使いの荒い先輩パートさん
5年前、私は成人式の振袖を扱う店で、約1年間だけ前撮り写真のセレクトスタッフとして働いたことがあります。お店には同じようなスタッフが数人いて、その中に2歳年上のA子さんがいました。私より1カ月早く入ったA子さんは、新人の私によく声を掛けてくれて、私たちはすぐに打ち解けました。
ところが、一緒に仕事をするうちに、少しずつ違和感を覚えるように。週末の撮影会に備えて、20個ほどある衣装箱の中身をチェックするときはいつも、「自分が記録係をするから」と椅子に座り、衣裳を確認する仕事は私に割り振ります。
でき上がってきたアルバムを発送するときは、「自分がチェックするから」と座り仕事を買って出て、私には梱包用の箱の組み立てや包装を割り振ります。私が体を動かす重労働をしている間、彼女がこれを手伝うことはまずありませんでした。
撮影当日、退勤前に自分が担当した写真のチェックをするときも、私が先に終わると「手伝って!」と引き留め「これどう思う?」「修正指示はどう書けばいい?」と仕事を振り、自分は省エネモード。
反対に自分が先に終わると「手伝ってあげる」とやってきて自分の退勤時間を遅らせ、手伝いはそっちのけでおしゃべりに夢中になっていました。
出勤時間が重なるといち早く打刻するのに、退勤時間が重なると「どうぞお先に」と、少しでも勤務時間を増やそうとしているのが明らか。一見親切に見えるA子さんの言動には、いつも他人を利用して自分がラクをしよう、得をしようとする下心が透けて見え、私はうんざりしていました。
利用され続けたあげく入院
働き始めてすぐ、私とA子さんともう1人同世代のB美さんの3人で、仕事の連絡用としてLINEグループを作りました。しかし、まもなくB美さんが退職することになると、A子さんは「お別れランチ会をしよう」と言い始めたのです。
ところが、言い出しっぺのA子さんは「やろう、やろう」と騒ぎ立てるばかりでなかなか動き出しません。仕方なく私がお店をいくつか提案すると「なら、あなたが予約して!」と丸投げされ、私が3人のスケジュールを調整しながらお店の予約をすることに……。
ランチ会当日、セッティングを人任せにしておいてはしゃぐA子さんを見ながら、私はもやもやが止まりませんでした。
その年はちょうど新型コロナの感染拡大でお店が数カ月休業した後だったので、撮影の遅れを取り戻すために週末の撮影会は大忙し。心身ともに職場のストレスが膨れ上がり、私はついに体調を崩して1カ月入院しました。
それを知ったA子さんは、頻繁に体調を案じるメッセージをくれましたが、そこには職場の愚痴も多く書かれており、お店ともA子さんとも少し距離を置きたかった私は最低限の返事だけをし、こちらから送ることはしませんでした。主治医の勧めもあり、私は退院してすぐそのお店を辞めました。
憂うつな気分を手放す決心
3人で作ったグループLINEは、B美さんと私が退職したことで自然消滅するだろうと思っていました。しかし、しばらくするとA子さんから「また会っておしゃべりしたいね」とメッセージが送られてきました。
私は突然の入院であいさつもせず退職したことを後ろめたく思っていたので、一度だけならと考え、「まだ新型コロナが心配だけど、お弁当買って公園でピクニックランチはどう?」と提案してみました。
すると、案の定A子さんは「では詳細はあなたが決めて」と病み上がりの私に丸投げしてきたのです。このランチ会は新型コロナ感染者の急増で企画倒れに終わったのですが、その後もA子さんは近況報告とは名ばかりの職場の愚痴を長々と送ってきて、最後には決まって「会いたいね」「ランチしよう」と誘ってくるのでした。
当然、A子さんはいつも言い出しっぺなのに自分は動きません。そのたびに私は、以前のように私が空気を読んでランチ会をセッティングするのを待たれているように思えて、嫌な気持ちになりました。
何度もはぐらかした末に「時間が取れないので、よかったら2人でどうぞ」と返したこともありますが、お膳立てする人がいないので実現していない様子。グループLINEにメッセージが来るたびに憂うつな気分になっていた私は、ついに決意し、今年の初めにあいさつなしでグループLINEを退会しました。
まとめ
50歳を過ぎてから、もう終わった人間関係や、距離を置きたい人との連絡をどうするべきか考えるようになりました。今回のように一方通行になっている関係は続けることに負担を感じ、かといって自分の退会記録が残ることも気になっていました。しかし、もう距離を置きたい相手にどう思われるかを、必要以上に気にしなくてもいいかもしれないと思いました。グループLINEを退会した今、心はすっきり軽やか。最近、身の回りの物を少しずつ整理していますが、自分のために手放してもよい人間関係もあると感じています。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
著者:あらた繭子/50代女性/1999年生まれの息子と2005年生まれの娘をもつフリーライター。長年にわたる無茶な仕事ぶりがたたり、満身創痍の身体にムチを打つ毎日。目下の癒しは休日のガーデニングと深夜のKPOP動画視聴 。
イラスト:マメ美
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2026年5月)
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