手紙の主は息子の担任!?
いつものように学校から帰ってきた息子。ランドセルから教科書を出していると、かわいらしい柄の小さな封筒がヒラリと落ちました。
学校からのお便りかな? と思い手に取ると、しっかり封がされていて、表には夫の名前だけが書かれてありました。
驚いて息子に聞くと、息子は思い出したように言いました。
「あ! 忘れてた! 担任の先生がパパに渡してって言ってた!」
その封筒は、息子の担任の先生から渡されたものでした。
息子にそう言われ、私は一瞬首をかしげました。学校からの連絡なら保護者宛てに渡されるはずです。それなのに、なぜ母親である私ではなく、父親にだけ渡すように言ったのか……。胸の奥に小さな違和感が残りました。
夫と担任の先生の関係に違和感
その夜、夫に何気なくメモのことを聞いてみました。私は「今日、息子が先生からメモを預かってきたみたいだけど、何か用事?」と尋ねました。すると夫は一瞬だけ表情をこわばらせ、「ああ、忘れ物のことで少し話しただけだよ」と慌てたように言いました。その反応に、私はさらに違和感を覚えました。
その後、夫は残業や休日の外出が増えました。理由を聞いても「仕事だよ」「ちょっと用事」とはぐらかすばかり。私は不安を抱えながらも、すぐに問い詰めることはしませんでした。不安は募る一方でしたが、決定的な証拠もないまま問い詰めることはできなかったのです。
それからしばらくたったある日のことです。夫と息子が一緒にスマホゲームをしていたとき、息子が「画面が動かなくなった」と、夫のスマホを私のところへ持ってきました。その瞬間、画面にメッセージの通知が表示されたのです。差出人は、息子の担任の先生。そこにはそこには「この間は楽しかったね♡また行こうね!」と書かれていました。
私は思わず息をのみました。 勝手に夫のスマホを操作することはしませんでしたが、表示された通知だけで、ただの保護者と担任のやり取りではないことは明らかでした。
疑いは確信へ
私はすぐに夫を問い詰めたい気持ちをこらえました。感情的に動けば、証拠を消されたり、言い逃れされたりするかもしれないと思ったからです。
そこで私は、調査会社に相談することにしました。調査を依頼すると、夫と担任の先生が退勤後や休日に複数回会っていたことがわかりました。さらに、学校とは関係のない場所で2人きりで過ごしている様子も確認されたのです。私はショックで言葉を失いました。子どもを預けている学校の先生と、息子の父親である夫が、そんな関係になっていたなんて……。ただ、この時点でも、夫を問い詰めることはしませんでした。まずは息子が学校で嫌な思いをしないよう、学校にも冷静に相談する必要があると考えたのです。
私は夫のスマホに表示された通知の内容や、調査会社の報告内容を整理し、学校に連絡して、校長先生との面談を申し入れました。校長室で、私は校長先生と教頭先生に事情を説明しました。
「息子の担任の先生と、私の夫が私的な関係になっているようです。子どもを通じて夫にメモを渡されたこともあり、とても不安です」
最初、校長先生は驚いた様子でした。けれど、私がメモや調査会社の報告内容を見せると、表情が一変しました。
「これは学校としても確認が必要です」
校長先生はそう言い、教頭先生とともに事実確認を進めることになりました。その後、学校から説明を受けました。担任の先生は最初こそ「相談に乗っていただけ」と説明していたそうです。しかし、事実確認が進むにつれ、夫と私的に連絡を取り合い、学校外で会っていたことを認めたといいます。最終的には、夫と私的な関係だったことも認めたそうでした。
夫と先生が失ったもの
学校側はすぐに対応し、担任の先生はクラスから外れることになりました。その後、先生は学校に来なくなり、後日、学校を離れたと聞いています。
一連の対応が落ち着いたころ、私は夫と改めて話し合いました。夫は「一時の気の迷いだった」と言い訳をしましたが、息子の担任と関係を持ち、さらに息子を通じてメモまで受け取ろうとしていたことを、私はどうしても許せませんでした。
その後、夫との話し合いの中で、きっかけは息子の忘れ物を夫が学校へ届けた日だったとわかりました。そのときに夫が担任の先生と話し、その後、個人的に連絡を取り合うようになったようです。どうしても許せなかった私は、専門家に相談しながら離婚に向けて話し合いを進めました。夫からは謝罪を受け、慰謝料などについても取り決めをすることに。
息子には詳しい事情を伝えませんでした。しばらくして、息子が「担任の先生が変わったんだよ」と何気なく話してくれたことがあります。私は「そうなんだね」と答えながら、静かにほほ笑みました。
今でも思い出すと胸が痛みます。けれど、息子を守るために、あのとき違和感を見過ごさなくてよかったと思っています。
◇ ◇ ◇
子どもを預ける学校の先生には、保護者として信頼を寄せているものです。だからこそ、その立場を越えた行動は、子どもや家庭を深く傷つけてしまうのかもしれません。違和感を覚えたときは感情的にならず、冷静に事実を確認することが、自分や大切な家族を守ることにつながるのでしょう。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。