「男の人の前でそんな話はダメ!」
ある日、学校から帰宅すると、祖母が遊びに来ていました。祖母は当時80代。
ちょうど私は生理中で、おなかが痛いことや憂うつな気分について母と話していました。特別な内容ではなく、普段から家でしている何気ない会話でした。
同じ部屋には兄もいましたが、私は特に気にせず話を続けていました。すると突然、祖母の表情が変わったのです。
「はしたない!!」
祖母が思わず声を荒げたため、私は何が起きたのかわからず、その場で固まってしまいました。
その後、祖母は私をそばに呼び寄せ、兄に聞こえないよう小声でこう続けました。
「男の人がいる前で、そんな話をするものじゃありません」
普段は穏やかな祖母だっただけに、私はただ驚くばかりでした。
兄なんだけど…?
兄は家族ですし、そもそも私は兄に向かって話していたわけではありません。母と会話をしていて、その場に兄がいただけ、でした。
「どうしてそんなことで怒るの?」
「兄なんだから別にいいじゃん」
当時の私はそう思っていました。「おばあちゃんは考え方が古いな」と感じていた記憶もあります。
それでも、めったに怒らない祖母が真剣な表情をしていたことだけは強く印象に残りました。
大人になった今、振り返ると…
大人になった今でも、「祖母の考えが正しかった」とは言い切れません。ただ、祖母が育った時代を思うと、あの言葉の意味が少しわかる気がします。
祖母の世代では、女性の体に関する話題は人前で口にしないものだったのでしょう。たとえ家族であっても、男性がいる場では控えるべきだという感覚があったのかもしれません。
私にマナーを押し付けたかったというより、自分が大切にしてきた価値観を伝えようとしていたのではないか――今はそんなふうに感じています。
当時の私は祖母の言葉に戸惑うばかりでした。しかし今振り返ると、あの出来事は世代による価値観の違いを考えるきっかけになりました。
今は以前よりも体のことをオープンに話しやすい時代になっています。一方で、話す相手や場面によって受け止め方が異なることもあります。
自分にとっては当たり前のことでも、別の世代や立場の人には違って見えることがある――。祖母の「はしたない」というひと言は、そんなことを考えさせてくれる忘れられない思い出です。
著者:神谷まりな/30代女性・夫と2018年生まれの娘との3人暮らし。歯科助手として3年勤務経験あり。自身の経験や趣味をもとに、歯科関連、アニメ・映画、生理に関する記事を執筆している。
イラスト:マメ美
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2026年1月)
ムーンカレンダー編集室では、女性の体を知って、毎月をもっとラクに快適に、女性の一生をサポートする記事を配信しています。すべての女性の毎日がもっとラクに楽しくなりますように!