海外ではすでに広く知られていて、最近では日本でも“第3の生理用品”として浸透しつつある「月経カップ」。今回は、そのなかでも日本で購入しやすい人気の月経カップ3つ「メルーナ」「スクーンカップ」「ローズカップ」を使用した方に、使用した感想などを聞きました。
リングが特徴的なドイツ製「メルーナ」
あーさん(@nimr___home)は、ホワイトカラーの「メルーナ」を購入。価格は3,960円です。
カップの柔らかさは下記の3種類から選ぶことができます。
・メルーナクラシック
硬すぎず柔らかすぎず、初心者におすすめ
・メルーナソフト
クラシックより25%柔らかく折りたたみやすい反面、腟内で開くのが難しい
・メルーナスポーツ
クラシックより25%以上の弾力性があり、骨盤底筋が強い人やスポーツや運動をよくする人向き
あーさんはクラシック、大きさはMサイズをチョイスしたそう。
使用期間が短いためにまだ慣れておらず、“正しい位置に入れる”ことは難しいのだとか。漏れることはなくても、動いたりしゃがんだりするとカップが下がってきて底の方が出てきてしまい、その状態になってしまうと違和感と痛みが出るそうです。また、骨盤底筋が弱っているとカップが下がってしまうこともあるとのこと。
カップのサイズはS〜XLまであり、メルーナの公式サイトのサイズチェックというページで、身長・体重・経血量・出産経験・体型・運動・健康状態についての診断表を回答すると自分に合ったサイズがわかります。ただ、正確に測っているわけではなく、試着のようなこともできないので、カップのサイズが合っていないために下がってくるという可能性も。
慣れるまで装着が難しく、カップが下がってしまうこともある……。それでも、あーさんが「次の生理でも諦めずに月経カップに挑戦する!」と思えたのは、実際に使ってみたことで月経カップの仕組みを理解でき、ちゃんと使えたら快適だとわかったから。じょうずに使えていないうちから「慣れたらナプキンに戻れない!」という人の気持ちがわかるほど月経カップは魅力的なようです!
また、メルーナの公式サイトでは初心者の方に、カップのリングへコットンの糸をつけて糸を引っ張って取り出す方法をおすすめしています。
日米両方の薬機法をクリアしたアメリカ製「スクーンカップ」
医療用シリコンが使われている「スクーンカップ」を購入したAさんは、さまざまな面でラクになったそう。ナプキンを使用することがなくなり、生理期間中は「スクーンカップ」を使用しつつ漏れ対策としておりものシートを併用しているそう。
「スクーンカップ」は最大12時間装着でき、慣れてくると自身が生理中であるということも忘れてしまうほど快適なのだとか!
サイズ展開は、小さいカップのサイズ1(未産婦の方、性経験のない方、帝王切開で出産した方、経血量の少ない方向き)、大きいカップのサイズ2(経産婦の方、性経験のある方、経血量の多い方向き)の2種類。カップの柔らかさについては1種類のみで、価格は5,370円です。
Aさんはサイズ1・サイズ2がセットになったものを購入し、実際に装着してサイズ1だと漏れがあり、規定の12時間ももたないためにサイズ2を使用しているそう。
さらにAさんの場合、スクーンカップを使用するようになってから生理痛が解消されたという、うれしい変化もあったのだとか。
柔らかくて小さい日本製「ローズカップ」
助産院太陽と月を開業し、助産師として働く大滝綾乃さん(@ayano_otaki68)は、日本製の「ローズカップ」を購入。価格は6,050円です。
初めは家の中のみでつけてみて、つけているうちに違和感がある・嫌だなと思ったときは無理をせず、外していつもの生理用品を使うなどして練習したそう。
取り外しの練習場所は、汚れてもいい浴室。C折り(カップのフチがCの形になるように折る)で入れると中で開くときに難しく、三角折り(カップ上部の片方の端を斜め下に折って三角形にする)のほうが向いていたそうで、5・6回練習するとコツをつかめたのだとか。
装着が完了したらカップの突起を中で少し上下に動かし、その際にカップが出てこなければしっかりハマっているとのこと。使用中に突起が中に入ってしまって指が届かなくなった際には、産み出すように下腹部に力を入れるとすぐに出てきて焦らずに済んだそう。
「ローズカップ」は日本人女性向けに作られているのが特長。柔らかいシリコン製で、日本人の体型に合わせた小さめなつくりのワンサイズのみです。大滝綾乃さんは、経血が漏れないのでニオイが気にならない、かぶれにくいという点に加え、災害時に役立つのもうれしいポイントだと感じたそう。
赤ちゃんや子どもがいる家庭では、防災リュックの中にベビー用品やキッズ用品、まだトイトレができていなければ紙おむつも……そこへ生理用ナプキンを入れたら、さらにかさばってしまいます。
普段から月経カップを使用しておく、または何度か練習して慣れておけば、生理中に災害に遭った場合、ナプキンが手に入らない状況でも乗り切れるかもしれません。
慣れないうちは月経カップを入れるときに苦労しそうですが、慣れればブルーデーを快適に過ごせそうですね。月経カップを使いこなせたら、蒸れ知らずでナプキンやタンポンは不要になり、プール、海、温泉も気にせずに行けます。
月経カップはまだ日本製品は少なく、海外製品をネットなどで購入する場合もあるかと思います。低コストを重視して造られた廉価版は、安全基準を満たしていないものもあるため注意が必要です。購入する際は公式オンラインショップで正規品を購入しましょう。
防災用品としても魅力的な月経カップ、気になった方はチャレンジしてみてはいかがですか?
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協力/あーさん(@nimr___home)、Aさん、大滝綾乃さん(@ayano_otaki68)
取材・文/寺田梓