実母が私を見るなり「病院行きな」
実母が家に遊びに来るなり、私の顔をじっと見つめて「あんた、目が黄色くない?体もやたら痒そうにしてるし、肝臓の調子がおかしいんじゃないの? 今すぐ病院の予約しなさい!」と、まっすぐ鋭い指摘をしてきました。
毎日鏡を見ていた自分ではその変化に全く気づくことなく日々を過ごしていましたが、母の迫力に押されて半ば強引に受診することになりました。すると診断は、まさかの「急性肝炎」。その場で即入院という事態になりました。
検査の結果、数値は予想以上に悪化しており、医師からも「あと数日遅れていたら本当に危険な状態でした」と言われ、思わず肝を冷やしました。
自分の体の異変に対してあまりにも無頓着だった私に比べ、母の驚くべき「観察眼」と、理屈では説明のできない鋭い「直感」に救われました。小さな色味の変化すら見逃さない母の感覚には、驚かされるばかりです。
この経験から学んだのは、そんな母親の勘を決して軽く見ず、理屈は後回しでも、まずは信じて行動に移すことの重要性でした。自分も子どもに対して「母の勘」が働くように、しっかりと日々子どもの様子に気を配ろうと思った出来事です。
◇ ◇ ◇
「微熱と倦怠感=寝不足」と思いがちですが、お母様の助言で受診に至り、無事に治療が受けられたとのこと、本当によかったです。
「急性肝炎」とは、主に肝炎ウイルスの感染が原因で、肝臓に急激な炎症が起きる病気です。初期症状として発熱・倦怠感・頭痛といったものがあり、風邪や疲労と勘違いするケースが多いです。
症状が進行すると、黄疸(皮膚や白目が黄色くなること)が出る、食欲がなくなる・吐き気・発熱・おなかの右上あたりの痛みといったものが現れます。今回お母様が気づいた「目が黄色い」という変化は、まさに「ただの風邪や疲労、寝不足ではない」というサインです。毎日鏡を見ていると自分では変化に気づきにくい場合があり、家族など身近な人の「なんか顔色おかしくない?」のひと言が、早期発見のきっかけになることがあります。
また、もうひとつ注目したいのがお母様の言葉にもあった「かゆみ」です。皮膚のかゆみは肌のトラブルだけが原因とは限らず、肝臓の病気でも起こることがあります。これは、肝臓の働きが低下することで胆汁(消化を助ける液体)がうまく流れなくなり、その成分が血液中に増えて皮膚を刺激するためだと考えられています。また、黄疸の原因物質であるビリルビンが排泄されずに血中に増えてくると、皮膚の神経を刺激してかゆみがでることもあります。
「湿疹もないのになんとなくかゆい」という症状が続く場合、肌の乾燥だけが原因ではないかもしれません。肌トラブルとして放置せず、内科への受診も検討してみてください。
今回、医師に「あと数日遅れていたら危険だった」と言われたように、重症化することもある、決して軽く見てはいけない病気です。「そのうち治るかな」と様子を見ず、気になる症状があれば早めに受診することが大切です。
特に産後のママさんは赤ちゃんのお世話に追われる毎日の中で、「疲れているのは当たり前」「睡眠不足だから仕方ない」と、自分の体の不調を後回しにしてしまいがちです。しかし産後はホルモンバランスや体の免疫が変化しやすく、さまざまな不調が起きやすい時期でもあります。倦怠感・食欲不振・微熱・かゆみといった症状が続くときは、「育児疲れだから」と決めつけずに、早めに受診してくださいね。
自分の体の声にも、まわりの人からの「なんか顔色悪くない?」のひと言にも、ぜひ耳を傾けてみてください。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
監修:天神尚子/産婦人科 | 三鷹レディースクリニック院長
著者:山崎 律子/20代女性・主婦
2歳の子どもを育てる母。ドラマを見るのが好き。
作画:森田家
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2026年6月)
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