二世帯住宅のローンを背負った私
夫は自営業をしていました。しかし収入が安定しておらず、住宅ローンの審査は厳しい状況でした。そこで、会社員だった私がローンを組むことになったのです。
購入したのは築年数の経った中古の二世帯住宅でした。祖母から相続したお金を頭金にし、その後は夫婦で返済していく予定でした。ところが夫の仕事が思うようにいかない時期もあり、気づけばローンの大半を私が負担するようになっていたのです。
それでも私は不満を口にしませんでした。
「いつかローンが終わったら、外壁もきれいにしたいな」
「キッチンも少し使いやすくしたい」
そんなことを考えながら、仕事を頑張っていたのです。
ローン完済の報告に、義母が返した言葉は…
そして迎えた完済の日。私は長年の節約で貯めたお金を使い、残っていたローンを一括返済しました。
ようやく終わった。――そう思うと、これまでの苦労が報われたような気がしました。その喜びを伝えたくて、私は夕食の席でローン完済を報告したのです。
「やっとローンが終わったよ」
すると義母は、「あ、そう」とひと言。その直後、「そういえば義妹ちゃんたち、そろそろ家が欲しいらしいのよね。頭金くらいは援助してあげたいわ」と話題を変えてしまったのです。
義父も夫もそれに同調し、この家のローンの話はそのまま終わりました。長年返済を続けてきた私への労いの言葉はありませんでした。
家を出ることにした私
その後も状況は変わりませんでした。義家族は当然のように生活し、夫も私に感謝を示すことはありません。
むしろ義母は、「ローンも終わったんだから、これからは義妹ちゃんを助けてあげないとね♡」とまで言い出したのです。
私はようやく気づきました。この家で私だけが都合よく利用されていたのだと。悩んだ末、私は家を出る決断をしました。
夫は驚いていましたが、引き止めるようなことはありませんでした。その反応を見て、私は今後の結婚生活について真剣に考えるようになったのです。
家に残った義家族を襲った現実
私が家を出てから半年ほど経ったころでした。夫から久しぶりに連絡がきたのです。
話を聞くと、大雨の日に雨漏りが発生したとのことでした。業者に調査を依頼したところ、屋根の防水が劣化しており、外壁にもひび割れが見つかったそうです。さらに給湯器も交換時期を迎えていました。
修繕費の見積もりは総額300万円以上。
実は私も以前から天井のシミや外壁の劣化が気になっており、ローン完済後に修繕するつもりでいました。しかし、その前に家を出てしまったのです。
夫は遠回しに費用の援助を求めてきました。けれど私は、「もうあの家で暮らすつもりはありません」とだけ答えました。すると夫は黙り込んでしまったのです。
数カ月後、たまたま近くを通りかかったときのことです。家の屋根には応急処置のためのブルーシートがかけられていました。私は複雑な気持ちになりましたが、そのまま車を走らせました。
私は長い間、自分さえ我慢すればいいと思っていました。でも本当に大切なのは、相手が自分を大切にしてくれているかどうかです。
現在は別居を続けながら、今後について話し合いを進めています。あのとき家を出る決断をしたことを、私は今でも後悔していません。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
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