「釣り合わない」義父からの冷たい視線
妹の結婚式当日。和やかな空気が流れる中、新郎の父だけは、私のことを冷ややかな目で見ていました。実は顔合わせのときから、私が「高卒」であることが気に入らなかったようです。
親族が集まる歓談の場で、義父は信じられない言葉を口にしました。
「医者一家に低学歴の親族ができるなんて、正直恥ずかしい」
「うちの息子には、もっと釣り合う相手がいたはずだ」
周囲の空気が凍りつきます。妹は悔しさをこらえながら義父に歩み寄り、「兄は家計を支えるために進学を諦めただけです。私をここまで育ててくれた、大切な家族です」と必死に庇ってくれました。
それでも義父は「理由があっても結果は結果だ。学歴は努力の証明だろう」と、鼻で笑ったのです。
私の勤め先を聞いた親族が、思わず声を上げ…
やりきれない思いで黙っていると、妹が義父に向かって静かに言いました。「お義父さん、兄のことを何もご存じないですよね」その言葉に、義父は一瞬眉をひそめました。すると、新郎のいとこが私の勤め先や部署を親族から聞いたようで、驚いたように声を上げたのです。
「え、お兄さんの勤め先、医療機器の分野では有名ですよね」
私は医師ではありませんが、病院向けの機器やシステム導入を支える部署で長年働き、資格取得や研修を重ねてきました。すると、自身も医師であるそのいとこが義父に向かって言いました。
「叔父さん、医師だけで医療が成り立っていると思ってるの? 機器を扱う人、研究する人、現場を支える人がいるから診療できるんだよ」
さらに、新郎側の親戚からも、「医療現場を支えてくださる方を、“低学歴”のひと言で見下すような考え方は、正直残念です。少なくとも、医療に携わる者の姿勢としては恥ずかしいことだと思います」と言われ……。
妹と新郎の言葉に、義父は言い返せず…
思いがけない医療関係者たちからの正論に、義父は自分の発言が周囲に聞かれていたことに気づき、顔をこわばらせました。
そこへ妹が、はっきりと宣言しました。「兄は自分の進学を後回しにしてまで私を支えてくれました。その後も努力を続け、自分の力で信頼を得てきた人です。私は兄を恥ずかしいと思ったことは一度もありません」
これまで義父に対してどっちつかずの態度をとっていた新郎も、ついに義父に向き直りました。「彼女の家族を侮辱するなら、父さんにこの結婚を祝ってもらう必要はない。今日この場で謝れないなら、今後の付き合い方も考える」
周囲から冷たい視線を向けられた義父は、ようやく自分が場違いな発言をしたことに気づき、私と妹に頭を下げて謝罪しました。私は「学歴で判断される場面があることは、私もわかっています。でも、それだけで人の生き方まで否定していい理由にはならないと思います」とだけ返しました。
その後、予定されていた新郎の父による親族代表のあいさつは取りやめに。式が終わったあと、妹が「お兄ちゃん、来てくれてありがとう。私の自慢の兄だよ」と笑顔で言ってくれたことが、私にとって何よりの誇りです。
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学歴や肩書きだけで人を見下すような言動は、相手の心を深く傷つけてしまいます。表面的なものだけで判断するのではなく、その人の人柄や、これまで歩んできた道のりにもしっかりと目を向けたいですね。
【取材時期:2026年6月】
※本記事は、ベビーカレンダーに寄せられた体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。