マグマみたいなカレー
うちではカレーを電子レンジで温める際、先にカレー皿にルーを入れて温め、その後にご飯を盛ります。そのため、ご飯の上にカレーをかける形ではなく、カレーの上にご飯が乗せる形になることが多いのです。
その日は生卵を落として温めたため、なかなか火が通らず、カレーがぐつぐつ煮立ったような状態になっていました。
夫は「やっぱりカレーはご飯の上にかけたい」と言いながら食べ始めたものの、あまりに熱かったようで舌をやけどしてしまいました。そして突然、「もう食べない」と言い出したのです。
私は慌ててカレーを冷蔵庫に入れました。その間、夫は漬物やのりでご飯を食べ進めていて、「おなかがいっぱいになったらカレーを食べなくなる」と焦っていました。
子どもの声より夫の機嫌
私は冷蔵庫からカレーを出しては戻し、また出しては戻すことを繰り返していました。
その横で子どもが「一緒にお絵描きしよう」と話しかけてきたのですが、「ごめんね。今、ママは一生懸命カレーを冷やしてるんだ」と答えることしかできませんでした。
今思えば、私はカレーを冷やしていたというより、夫の機嫌を何とかしようとしていたのだと思います。
夫が不機嫌になると、「また嫌われる」「またどこかへ行ってしまう」と不安になるのです。夫に不倫をされてから、その感覚が強くなりました。
ようやく冷めたカレーを夫は食べてくれましたが、私はその間ずっと緊張していました。
「行かないで」が口癖になった
食後、私は夫のそばへ行きました。
「こんなことでイライラしないでよ。また外に気持ちが向いてしまうんじゃないかって怖くなる」
そんなことを言いながら、自分でも不安を止められませんでした。
「お金がなくても出会い系ならできるじゃない」「お願いだから行かないで」と、私は夫の足元にすがるように抱き付いていました。
本当はこんなことを言いたくありません。でも、不倫された後は、ささいな空気でも「また外へ気持ちが向くのでは」と怖くなってしまうのです。
その後、夫は体調が悪いと言って先に寝ました。私は喉が痛いという夫に、市販薬と水を持って行きました。
自分も傷付いているはずなのに、それでも世話をしてしまう自分がいました。
まとめ
私の場合、不倫された後は、普通なら流せるような出来事でも強い不安につながることがありました。熱すぎたカレー一つでも、「夫に嫌われるかもしれない」「また裏切られるかもしれない」と考えてしまうのです。
本当は、ただの食事中の出来事だったのかもしれません。でも私にとっては、「家庭の空気を壊したくない」という必死になる時間でした。不倫で受けた傷は、こうした日常の中に何度も顔を出すのだと感じています。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
著者:藤崎奈々/30代女性・主婦
イラスト:ゆる山まげよ
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2026年6月)
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