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妊婦さんは飛行機にいつまで乗れる?海外旅行や海外出張をしても大丈夫?

この記事では医師監修のもと、妊娠中の飛行機の利用と海外旅行についてお話しします。妊娠中の旅行はおすすめはできませんが、体調管理などに気を付け、自己責任で慎重に判断しましょう。

この記事の監修者
監修者プロファイル

医師太田 篤之 先生
産婦人科 | おおたレディースクリニック院長

順天堂大学卒後、派遣病院勤務を経て、平成22年より順天堂静岡病院周産期センター准教授就任。退職後、平成24年8月より祖父の代から続いている「おおたレディースクリニック」院長に就任し現在に至る。
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妊婦の旅行

 

今回は、妊娠中の飛行機の利用と海外旅行についてお話しします。

 

妊娠中は飛行機にいつまで乗れる?

まず、航空会社によって搭乗可能な妊娠週数は異なりますので、事前に確認しておきましょう。搭乗条件に、医師の診断書の提出が必要なことがあります。

 

飛行機に乗る予定がある場合は、妊婦健診の際に担当医に相談してください。国内線と国際線によって、妊婦の搭乗条件、診断書の書式や提出期限は異なります。病院側が航空会社に提出する診断書を常に用意しているわけではないので、ご自身で調べてから担当医に相談するようにしましょう。

 

ただし、医師が診断書を書いたとしても、飛行機を利用する当日の妊婦さんや赤ちゃんの健康状態、搭乗中や滞在先で受ける医療の質を保証するものではないので注意が必要です。
妊娠経過は個人差があり、週数によって起こりやすい症状やトラブルは異なるため、医学的に安定期と言える時期はありません。航空会社の説明に「安定期 妊娠○~△週」と表現があるため、安定期といわれる期間は搭乗しても良いと解釈する妊婦さんもいますが「安定期」は医学用語ではなく、すべての妊婦さんの安全を保証するものではないのです。


また、空港内や飛行機内には多数の利用者がいます。航空会社はすべての利用者が快適に利用できるようにルールを設けています。それぞれの健康状態に対して予防・対策をするのは利用者のマナーであり、自己責任であることを心得ておく必要があります。
飛行機を予定外に着陸させることはあってはならないので、飛行機に乗る際は慎重に判断しましょう。

 

妊娠中は海外旅行や海外出張をしてもいいの?

産婦人科医や助産師は、妊娠中に海外旅行や海外出張へ行くことを基本的には許可しません。普段以上に体調管理が必要な時期に海外へ行くことを安全だと断言できないためです。

 

もし、どうしても妊娠中に海外に行かなければならない場合は、担当医や助産師に正直に相談しましょう。妊婦健診では、妊娠による妊婦さんの変化やおなかの中の赤ちゃんの成長を確認しますが、旅行や仕事で海外へ行く妊婦さんや赤ちゃんの健康状態を確約できるものではありません。海外へ行くと決めた時点で妊娠経過が順調であっても、その後、いつ何が起こるかは誰にもわからないので、慎重な判断が必要になります。

 

担当医や助産師への相談の有無に関係なく、自己判断と自己責任で海外へ行く妊婦さんもいますが、結果的に何もトラブルなく過ごせたとしてもそれは偶然のことであり、その経験がすべての妊婦さんに当てはまるわけではありません。知人や身近な人が妊娠中に海外へ旅行や仕事で行っても大丈夫だったから自分も大丈夫、と油断するのは危険です。


新婚旅行を兼ねて、リゾート地や海外での挙式を希望する妊婦さんもいますが、もし結婚式当日にその土地で入院や早産した場合を想定したうえで検討しなくてはなりません。妊婦さんの体調管理を優先すること、そして妊婦さんとパートナーの人生において優先すべきことを考えながら自己責任で慎重に判断しましょう。

 

妊娠中の海外旅行保険について

海外旅行保険では基本的に妊娠・出産に関わる医療費はカバーされません。通常の医療保険やクレジットカード付帯保険は、海外での妊娠・出産に関わる医療費は補償対象外です。


妊娠中に加入できる海外旅行保険もありますが、医療費をカバーする妊娠週数が限定されています。海外の保険会社に妊婦さんを対象とした保険もありますが、滞在先で使用する言語が堪能でないと、もしものときにサービスを受けられないことがあるので注意が必要です。


また、日本国内と海外では医療システムや治療費が異なります。滞在する国によっては日本と同じ医療レベルの治療を提供してくれるとは限りません。万が一海外で入院や早産した場合の医療費、滞在費など想定しておくことも大切です。

 

まとめ

妊娠中は、普段以上に体調管理が大切です。妊婦さんの体調と、人生において優先すべきことを第一に考えて、飛行機を利用すること、海外へ行くことを慎重に判断しましょう。

 

<参考>
産婦人科診療ガイドライン産科編2017
外務省 海外安全ホームページ「海外旅行保険加入のすすめ」

 

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    この記事の著者
    著者プロファイル

    助産師古谷真紀

    一般社団法人産前産後ケア推進協会プロジェクトリーダー。大学病院勤務を経て、2015年より現職。妊娠中や産後の女性のココロとカラダの相談、ママパパ&赤ちゃんのちょっと気になるコトに日々応えています。

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