同期のありえないひと言
僕は現在の会社に入社して以来、目立つ華やかさはなくとも、営業の下準備や資料作成のフォローなど裏方の仕事をコツコツと続けてきました。その姿勢を上司が評価してくれ、少しずつ重要な案件のサポートを任されるようになりました。
しかし、Aはそんな僕のことが気に入らなかったよう。
Aは営業成績を第一に考える自己主張が激しいタイプで、サポート業務中心の僕が評価されることを妬むようになっていきました。次第に自分の面倒な雑務を僕に押し付けるなど、身勝手な嫌がらせが増え、僕たちは自然と疎遠になっていきました。
そんな中、Aが別部署の女性と社内結婚することに。僕を含む社内の同期たちにも招待状が届いたのですが、Aは僕に「お前が来ると空気が悪くなるから、結婚式は最初から欠席しろ」と言ってきました。
「それなら私も行かない!」同僚たちも欠席?
争いごとが苦手な僕は反論できず、波風を立てないようAの要求に「わかったよ」と答え、招待状の返信ハガキに「仕事の都合」と書いて穏便に欠席しようと考えていました。
しかし、Aが僕に暴言を吐いているその現場を、別の女性同期が聞いていたよう。僕に「何か言われてたよね?」と聞いてくれて……。僕が事情を説明すると、「それなら私も結婚式には行かない!」と激怒してくれたのです。
人一倍正義感が強く、曲がったことが大嫌いな彼女の怒りはそれにとどまらず、職場の親しいメンバーにも事のてんまつを話したようです。すると前々からAの身勝手な態度にいい印象を持っていなかった他の同僚たちも、次々に結婚式の欠席を申し出る事態になったのです。
それを聞いたAは真っ青に。さすがにまずいと思ったのか、「いや、来なくていいのはあいつだけだから!」と言っていましたが後の祭りでした。
Aの噂が婚約者にも届き…
同僚たちの結婚式への欠席が相次いだことで、社内では少しずつAの振る舞いに関する噂が広まりました。それを耳にした別部署の婚約者の女性は事態を不審に思い、噂の出所を探るうちに僕と女性同期の存在を知り、直接事情を聞きに来ました。
僕たちは戸惑いながらも、職場でのAの日常的な嫌がらせや、僕への「結婚式への出席拒否」の件をありのままに話しました。実は婚約者の女性も、以前から社内でAの評判が良くないことを耳にしており、密かに不安を抱いていたそう。
ショックを受けた婚約者は、Aに事実確認を求めたそう。そして、後日、僕や事情を知る同期にも話を聞く場が設けられました。婚約者から職場での身勝手な振る舞いについて問い詰められると、Aは言い逃れができなくなり、僕への嫉妬と嫌がらせを認めました。
事の重大さを重く受け止めた婚約者は、「今すぐ心を入れ替えて態度を改めないなら、この結婚は白紙に戻します」と、Aに厳しい条件を突きつけたのです。
猛省したAと結末
婚約者から条件を突きつけられたAは心を入れ替えて猛省したよう。後日、Aは僕に向き直り、これまでの嫉妬からくる態度を謝罪してくれました。僕自身も、嫌なことを言われたときにその場で自分の意見をはっきり伝えず、うやむやにして事態を悪化させてしまった点を反省し、Aの謝罪を受け入れることにしました。
その後、Aは職場での態度をガラリと改め、周囲への感謝を忘れない誠実な人間へと変わっていきました。同僚たちとの関係も少しずつ改善して……。後日、僕は同僚たちとともにAの結婚式に無事出席し、笑顔で2人を祝福することができました。
今では職場の雰囲気もすっかり良くなり、Aとは仕事で切磋琢磨し合う「良きライバル」となっています。そして、あのとき真っ先に声を上げて僕を助けてくれた女性同期は、何でも相談できる一番の理解者になりました。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
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