こんにちは、保育士の中田馨です。ママたちから「家ではトイレの失敗ばかりなんですが、保育所ではできているんですよね?」と質問を受けることがあります。ママとしては「できるはずのことが、どうして家でできないの?」と不思議に思うのだと思います。
今日は保育所ではトイレに行けるのに、家ではおもらしをしてしまうことの考えられる理由と対処方法を話します。
家でおもらしをしても怒らない
保育所でトイレに行けているのだから「家でもできるはず」とママが思うのは、当然のこと。ですので、「おしっこはトイレでして!」「またおもらしをしたの?」と言ってしまうかもしれませんが、その言葉はグッとこらえましょう。なぜなら、怒ったり注意したりすることが、子どものプレッシャーになってしまうことがあるからです。
おもらしをして「あ、出ちゃった」と一番感じているのは子ども自身です。おもらしをしたときは、「おしっこ出たのね。着替えよう」「着替えてスッキリしたね」とそれだけでOK。毎回のことになると思わず一言、言ってしまいそうになりますが、そのときにする行動を伝えるだけで十分です。
おもらしするときはどんなときかを検証してみる
子どもがおもらしするのは、どんなときかを考えてみると、おもらしの理由が分かるかもしれません。例えば、遊びやテレビに集中しているとき、起きたとき、お出かけする前、ごはんのあとなど、決まったタイミングでおもらしをする場合は、トイレに行くタイミングが遅かったということになります。いつもおもらしする少し前の時間が、その子にとっての「トイレのタイミング」かもしれません。
また、ママが弟や妹のお世話をしているときにおもらしする子は、「私のことを見てほしい!」という愛情の欲求の場合もあります。子どもがおもらしをするそのときの場面だけを切り取らず、おもらしをする前後の状況も見てみると、おもらしをする理由と子どもの気持ちが分かります。
保育士に保育園での子どもの様子を聞いてみる
せっかく保育園に行っているのですから、「保育園でできているのに、家でできないことを悩んでいる」と保育士に打ち明けてみましょう。トイレに行くときは嫌がらず行けているのか? どんな流れでトイレに行くのか? 子どものトイレのタイミングは? などを聞いてみてください。
保育士はママと一緒に子育てをしている強い味方です。話しているうちに、課題点や新たな気づき、解決方法などが見つかるはずです。もし、朝夕の送迎の時間に余裕があるなら、保育士に頼んで、トイレに行く様子を見せてもらいましょう。先生とママに見守られながらトイレに座ることで、「お家でもママとトイレに行こう!」という気持ちが芽生えることもあります。
保育園での生活リズムや声かけをまねする
手始めにできることは、どのようなタイミングでトイレに行っているかなど、保育士のまねをすることです。「トイレに行きたいと言わない」というママもいますが、遊びに集中しているときに自分から「トイレに行きたい」という2歳児はほとんどいません。保育士は、その子の1日のおしっこの間隔を知り、生活の流れの中でトイレに誘う時間やタイミングを計算しながら声かけをしているはずです。
また、トイレに誘うときの声かけの方法、おしっこができたとき、おもらしをしたときの声かけの方法など、子どもがやる気になる保育士の声かけのテクニックを教えてもらい、まねすることからスタートです!
おもらしをしてしまうと「これがいつまで続くんだろう……」という不安と焦りの気持ちになることもあると思います。でも、いずれはトイレでできるようになりますので、慌てず子どものペースに合わせつつ進めてください。