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ごめん、本当にごめんね…。生まれてすぐ「いらない」なんて、ひどい言葉をぶつけてしまった【体験談】

生まれた直後は、息子のことをかわいいと思えませんでした。小さな命を背負う不安と恐怖に押し潰され、脳裏によぎる母親失格の文字。実母に抱かれてすやすやと眠る息子を見ていると、私は必要ないんだ……と思えてしまったのです。そして、口をついて出たのは「もういらない。息子は置いていく」という言葉。ひどいことを言ってしまった後悔の気持ちを綴ります。

慣れないお世話、慣れない環境

里帰り先で、息子との生活が始まりました。里帰り先と言っても、実母は再婚しており、継父が建てた家にお邪魔することに。まだ建てて間もない家は、使い勝手がわからず、コップがどこにあるかもわからない状態。継父はとてもいい人なのですが、私はどうしても好きになれずにいました。

 

不安はありましたが、実母たちが「帰っておいで」と言ってくれたので、好意に甘えることにしたのです。

 

少しずつストレスが蓄積されていった

初めてのお世話は不安でいっぱいでした。私は抱っこする手つきも危なっかしく、何をするのもオロオロ。一方、実母の抱っこは安心感がありましたし、あらゆるお世話を難なくこなしていました。長年のブランクも感じさせません。継父も、不器用なりに息子をかわいがってくれました。

 

息子を抱っこする実母。実母の隣で、息子を眺める継父。その光景は、理想の家族像そのもの。離れた場所で3人の姿を見ている私は誰だろう……? 実母に抱かれている息子は誰の子だろう……? お世話が下手だったため、私は母としての自信を失くしてしまったのです。

 

きっかけはささいなことだった

ある夜、息子が泣き出したので、実母とひと通りのお世話をしました。ようやく休めると思いながら息子を寝かせると、息子がミルクを吐き出したのです。息子は吐き戻しが多く、日に何度も着替えが必要でした。また、着替えさせなきゃいけないのか。そう思った瞬間、張り詰めていた糸がプツンと切れて涙が止まらなくなりました。

 

私は、泣きじゃくりながら、実母に不満をぶつけてしまいました。実母や継父が息子のお世話をしていると、息子が取られたように思えたこと。次第に、息子が誰の子どもなのかわからなくなって、かわいく思えなかったこと。そして「もういらない」と息子の前で言ってしまったのです。

 

私の味方はいないと思ったけれど…

実母とは口論になり、当初1カ月を予定した里帰りを1週間で切り上げることに。夫に事情を話しても、息子をかわいく思えない気持ちを理解してくれませんでした。孤独感に押しつぶされ、息子のお世話がつらく、時には体が思うように動かないことも。1カ月健診では、精神状態があまりよくないと判断されてしまいました。

 

健診で引っかかったため、市の保健師さんが定期的に連絡をくれるようになったのですが、私には保健師さんが救いの手でした。私の愚痴から弱音までなんでも聞いてくれて、いい気分転換になったのです。そのうち、あやすと息子が笑ったりうれしそうにしたりと反応が見られるようになって、だんだんと育児が楽しくなっていきました。

 

 

息子が1歳になった今では、息子が世界一かわいいと思っています。息子と継父が遊んでいる姿も、穏やかな気持ちで見られるようになりました。これもホルモンの影響なのか、当時の私はとにかく感情の起伏が激しく、別人のようでした。

 

息子は、今回の出来事を覚えていないでしょう。でも私にとっては、一生心に残りそうな、苦い思い出となってしまいました。

 

 

監修/助産師 松田玲子


著者:結城あかね

1歳男児の母。登録販売者としてドラッグストアに勤務。現在は育休中。これまでの経験をもとに、子育て・恋愛・ライフスタイルに関する記事を執筆している。

 

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