自分の父親が、デリカシーのない会社の先輩とそっくりだということを、初めて認識した夫。そして、あることに気づきます。
「俺よりひとまわり以上年齢が上なのに、あの先輩は……あの歳で部長にもなれず、平社員なんだよ!」
そんな先輩を尊敬していたこと、今までの由美さんへのデリカシーのない態度を夫は反省。ノンデリを卒業し、夫として、父親としてさらなる成長を決意しました。由美さんはそんな夫の様子を温かな気持ちで見つめていました。
そんなとき、ティータイムが待ちきれない義父が2人を急かし、ある提案を。
「あ、そうだ。俺がこころちゃんに苺を食べさせてあげよう!」
初めて知る、妻の気持ち







「


義父はこころちゃんを子ども椅子に座らせ、義母には苺を持ってくるよう急かしました。そして、大きな苺を1粒丸ごと、幼い孫の口に運ぼうとしています。
慌てて1口サイズに切ろうとした由美さんでしたが、安易に考えている義父はまったく気にしません。喉に詰まらせては大変と焦った由美さんは、義父から苺をさっと取り上げ。 夫は、子ども椅子のベルトを絞めるよう義父に注意しています。
「こう見えても俺は周りがよく見えるんだ!」
「そんな俺が横で見ているから大丈夫だ!」
「そういう問題じゃ……!」
深いため息をついた夫でしたが、その瞬間はっとした顔をしました。こんなやり取りを自分も妻としたことがあることに気づいたのです。「自分は見えている」「わかっている」「口うるさい」と、妻の注意を流してしまったことは数えきれません。
「由美もこんな気持ちだったのかな?」
ふとそう思った、その瞬間、こころちゃんに事件が起こります。
義父がベルトをしていなかったため、こころちゃんが急に立ち上がった拍子にバランスを崩し、椅子から落ちてしまったのです。なんとか夫が滑り込み、頭を打つことはありませんでしたが、「自分は見えている」と思い込んで人の注意を聞かないと、娘がこうして危険な目にあうのだと、夫はやっと気づいたのでした。
◇ ◇ ◇
「自分は周りがよく見えている」と言い張る義父の姿を見て、かつての自分も同じだったと気づいた夫。他人の行動を通して初めて、由美さんがずっと感じていた不安や焦りを理解できたのではないでしょうか。「自分はわかっている」という思い込みは、悪意がないだけに厄介で、今回のようにそれが子どもの危険につながってしまうこともあります。
誰かに注意をされたとき、「自分はわかっている」と流してしまうのではなく、まず一度立ち止まって耳を傾けることが大切です。その言葉が子どもの安全を守るためのものだったと後から気づいても、取り返しのつかないことになってしまうこともあります。注意してくれる人の言葉を素直に受け取る姿勢が、自分だけでなく、大切な家族を守ることにもつながるのではないでしょうか。
そして、由美さんは苺のサイズを心配していたようですが、1歳であれば必ずしも一口サイズに切る必要はありません。しかし、喉に詰まらせないかそばで見守っている必要がある時期ですので、自分であげるときはもちろん、今回のように誰かにあげてもらうときも、十分注意しましょう。
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ミント
