夫の不自然な電話
結婚当初の、今からだいぶ昔の話です。
夫は寡黙で真面目な人で、結婚当初から自分の両親だけでなく、私の両親のことも分け隔てなく大切にしてくれる人でした。ただ、少しやさしすぎるところがあり、そこだけは以前から少し心配していました。
私たちは結婚するとき、「お互いに隠し事はせず、何かあったら何でも相談しよう」と約束していました。
そんなある日、夫と食事をしていると、夫の携帯に電話が入りました。いつもならその場で通話するのに、その日はなぜか小声になり、席を立って2階の部屋へ移動してしまったのです。
少し不自然に感じた私は、夫が戻ってきた後に「誰からだったの?」と聞きました。夫は「実家からだよ」と答えましたが、「何の用事だったの?」と聞いても、はっきりした返事はありませんでした。
口座から消えた400万円
その数日後、用事があって銀行へ行き、夫の口座を確認したときのことです。私の知らないうちに、400万円ものお金が引き出されていることに気付きました。
金額が大きかったため、驚いて帰宅後に夫へ尋ねると、「実家から頼まれて渡した」と言うのです。あのとき、夫の携帯にかかってきた電話は、そのお金の件だったのだとわかりました。
さらに夫によく聞いてみると、これまでも義実家から何か頼まれるたびに、夫が用立てていたことがわかりました。義実家は、普段の暮らしを見る限り、すぐに生活に困っているようには見えませんでした。だからこそ、私は余計に驚いてしまいました。
夫婦で決めたお金の線引き
独身のころなら、夫が自分のお金をどう使うかは本人の自由だったかもしれません。けれど、結婚して家庭を持った以上、夫婦に関わる大きなお金のことを、私に何も相談せずに決めるのは違うのではないかと思いました。
私は夫に、「義実家を大切にする気持ちはわかる。でも、これからは大きなお金のことは必ず夫婦で話し合ってからにしてほしい」と伝えました。夫も私の話を聞いてくれ、それ以降、実家から頼まれてもむやみにお金を渡すことはなくなりました。
その後、義母の私に対する態度が少し変わったように感じることもありました。お金の話になると、家の固定電話ではなく夫の携帯に直接連絡が来ていたことも、今思えば私に知られたくなかったのかもしれないと感じています。
とはいえ、私たちにも自分たちの家庭があります。義実家を大切にすることと、何でも受け入れることは違うのだと、この出来事を通して強く感じました。
言いにくいことではありましたが、最初のうちに夫ときちんと話し合い、夫婦としてのお金の線引きを決められたことは、今でもよかったと思っています。
まとめ
この出来事で、やさしさだけでは家庭を守れない場面もあるのだと感じました。義実家を大切にする気持ちは否定せず、夫婦で共有すべきことを話し合えたことが、私たちにとって大きな転機になりました。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
著者:布田にいな/50代女性・会社員
イラスト:おみき
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2026年6月)
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