「パパ、気づいてないの?」娘のひと言
娘の誕生日前日、交際中の彼女が家へ遊びに来てくれました。彼女の手には、かわいらしくラッピングされたプレゼントの箱がありました。
「娘ちゃんに似合うと思って選んだの!」
彼女は満面の笑みで娘にプレゼントを手渡し、その後、帰宅しました。
娘はワクワクした様子で包みを開けましたが、喜ぶどころか、みるみる表情を曇らせます。そして、「パパ、気づいてないの?」と、困惑した様子で私に尋ねたのです。
娘の表情を曇らせたプレゼントの正体
なんと、娘が箱から取り出したのは、亡き妻が生前、娘が成長したら着せようと大切に保管していた洋服でした。さらに、別の箱に入っていたアクセサリーも、妻が娘に残した大切な形見だったのです。
妻は生前、「大きくなったら着てね」と、洋服やアクセサリーを娘に見せていました。そのため、娘はひと目で妻の形見だと気づいたのです。
実は以前、妻の思い出話をしていたとき、私は彼女に「妻が娘のために残してくれた洋服やアクセサリーがある」と話したことがありました。娘が成長したら渡したいと伝えていたため、彼女も形見の存在自体は知っていたはずです。
彼女に電話をかけて問い詰めると、以前、私が近所のスーパーへ出かけた際に、クローゼットから形見を持ち出したことをあっさり認めました。そのとき、娘は友だちの家へ遊びに行っており、家にいたのは彼女だけ。私が買い物をしている間にクローゼットを物色し、見つけた形見を勝手に持ち出したようです。
そして、それらを自分で包装し直し、あたかも自分で購入したプレゼントであるかのように娘へ渡したのでした。私が中身を見れば、妻の形見だとすぐに気づくはずです。それなのに、なぜ彼女がこのようなことをしたのか、私にはまったく理解できませんでした。
彼女が語った、身勝手すぎる理由
人の家を勝手に物色したうえ、形見をまるで自分で用意したプレゼントのように見せかけるなんて……。あまりの出来事に言葉を失っていると、彼女は悪びれる様子もなく、電話口でこう話しました。
「娘ちゃん、洋服やアクセサリーのこと知ってたんだ〜。あなたから話を聞いたとき、娘ちゃんに渡したらきっと喜ぶだろうなって思ってたの。娘ちゃんに気に入ってもらえれば、私のことも“新しいお母さん”として受け入れてくれるかもしれないでしょ?」
「私、本気であなたと結婚したかったし、早く娘ちゃんとの距離を縮めたかったの。しまい込んであったから、娘ちゃんはまだ知らないと思って……。どうせいつか娘ちゃんに渡す物なんだから、私からプレゼントしたことにしてもいいかなって。あなたには、あとから説明すればわかってもらえるかなって」
彼女は笑いながらそう言い放ちました。亡き妻と娘の大切な思い出を、自分が娘に気に入られ、私との結婚を進めるための道具として利用したのです。
留守中に勝手に家の中を物色した行為にも、決定的な価値観の違いと恐怖を覚えました。これ以上、彼女との関係を続けることはできないと思い、私はその電話で別れを告げました。
娘の言葉に誓った、父としての決意
その後、私は娘と一緒に形見を丁寧に元の場所へ戻し、「嫌な思いをさせてごめん」と謝りました。すると娘は、「ママの大切な物を守れてよかった」と、やさしく微笑んでくれたのです。その言葉に申し訳なさを覚えると同時に、胸が熱くなりました。
自分の見る目のなさを深く反省し、これからは何があっても娘の幸せを第一に考えて行動しようと、強く心に誓った出来事です。
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形見や思い出の品は、持ち主や家族にとって、金額では測れない大切な意味を持つものです。まして、他人の家を勝手に物色し、持ち物を無断で持ち出す行為は、単なる価値観の違いでは済まされない重大な問題。場合によっては法的な問題に発展する可能性もあります。
違和感を覚えたときは曖昧にせず、相手と距離を置いたり、周囲に相談したりしながら、慎重に対応したいですね。
【取材時期:2026年7月】
※本記事は、ベビーカレンダーに寄せられた体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。