産後数カ月で始まった腹痛
2人目を出産して4、5カ月ほどたったころ、胃痛と腹痛に悩まされるようになりました。
ただ、当時はまだ赤ちゃんのお世話で手いっぱい。赤ちゃんを連れて病院へ行くのは大変だと思い、「そのうち治まるだろう」と我慢していました。おなかをカイロで温めながら、数日間なんとかやり過ごしていたのです。
ところが、痛みはなかなか引きません。数日後の夜中、ついに我慢できないほどの腹痛になり、救急車を呼ぶことにしました。
救急外来では胃痛としての対応
搬送先で診てくれたのは、偶然にも私の消化器内科の主治医でした。先生からは
「いつもの胃痛でしょう。痛み止めの点滴をして、飲み薬を出します。点滴が終わったら帰ってください」
と言われました。
真夜中でしたが、点滴が終わった後、私はひとりで自宅に戻りました。
しかし翌日になっても、腹痛はまったく治まりません。痛み止めの薬をもう少しもらえないかと思い、外来を受診しました。
すると、今度は医師が何人も出てきて、いろいろな質問をされました。状況がよくわからないまま検査が進み、
「これは虫垂炎(ちゅうすいえん/虫垂に炎症が起こる病気)、いわゆる盲腸が疑われます」
と説明され、そのまま緊急手術を受けることになりました。
緊急手術で判明したこと
後から聞いた話では、前夜の救急外来で採血した数値に異常が出ていたそうです。病院側も連絡しようとしていたところだったと聞きました。
手術でおなかを開けてみると、症状はかなり進んでいたようでした。虫垂は破裂していて、腹膜炎(ふくまくえん/おなかの内側を覆う膜に炎症が起こる病気)を起こしていたとのこと。もう少し遅ければ危なかったと聞き、背筋が冷たくなりました。
手術後、前夜の救急外来で診てくれた先生が病室に来て、お詫びの言葉をかけてくれました。
私は術後も1年近く微熱が続きました。それ以来、腸の働きも以前とは変わってしまったように感じ、体重も落ちてしまいました。
また、当時はよかれと思っておなかをカイロで温めていましたが、それがよかったのかどうかは今でもわかりません。ただ、自己判断で痛みをやり過ごそうとしていたことに後悔しています。
まとめ
赤ちゃんのお世話を優先し、自分の痛みを後回しにしてしまったことを、今でも思い出します。あの経験を通して、強い痛みを「いつものこと」と決めつけず、自分の体の異変にも目を向ける大切さを感じました。
医師による解説:見逃したくない急な腹痛
強い腹痛が続く場合、胃痛や一時的な不調と思っていても、虫垂炎など緊急性のある病気が隠れていることがあります。
急な腹痛で考えたいこと
虫垂炎は、初めはみぞおちやおへそ周辺の痛みとして感じられ、その後、右下腹部へ痛みが移ることがあります。吐き気、発熱、食欲不振などを伴う場合もあり、症状の出方には個人差があります。痛みが強い、長引く、いつもと違うと感じる場合は、早めの受診が大切です。
虫垂炎が進行した場合
虫垂炎が進行すると、虫垂に穴が開き、腹膜炎を起こすことがあります。腹膜炎になるとおなか全体に強い痛みが出ることもあり、治療が遅れると重症化するおそれがあります。腹痛が続く場合は、自己判断で様子を見続けず、医療機関で相談しましょう。
産後の受診をためらうとき
産後は赤ちゃんのお世話が優先になり、自分の体調不良を後回しにしがちです。しかし、強い腹痛や発熱、吐き気、歩くと響くような痛みがある場合は注意が必要です。受診時には、痛みの場所や始まった時期、変化、発熱や吐き気の有無を伝えると診断の助けになります。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
監修:渡海義隆先生(半蔵門 渡海消化器・内視鏡クリニック 院長)
著者:金田あや/50代女性・派遣社員
イラスト:あさうえさい
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2026年6月)
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