在宅勤務を理由に押し付けられた子どもの預かり
ある日、義母から突然電話がかかってきました。
「A子が妊娠したの! 待望の男の子よ」
うれしそうに報告する義母に、私も「それはおめでとうございます」と伝えました。ところが、義母は続けて思いも寄らないことを言い始めたのです。
「A子には無理をさせられないでしょう? あなたはずっと家にいるんだから、時間があるでしょ。上の子2人の面倒を見てちょうだい。学校の送り迎えをして、夕方まで預かってくれればいいから」
A子本人から相談を受けたわけでもないのに、義母は私が毎日A子の子どもたちを預かると決めているようでした。
「家にいるといっても仕事があります。毎日の送り迎えや預かりはできません」と私が断ると、義母は不満そうな声を上げました。
「どうして快く引き受けてくれないの? もしかして、A子が男の子を妊娠したことに嫉妬しているの?」
さらに、「昔は在宅勤務なんてなかった」「家族が困っているときに助けるのが当然」と嫌みを重ねてきました。
これ以上話しても平行線だと思い、私は「この件は夫からもお伝えします」と告げて電話を切りました。
念のためA子にも連絡し、義母から子どもたちの送迎や預かりを頼まれたことを伝えました。するとA子は驚いた様子で言いました。
「そんなお願いをするつもりはないわ。必要になったら夫とも相談して、送迎や預け先は自分たちで調整するから。お母さんには私からきちんと話しておくね」
A子はその日のうちに義母へ連絡し、私に子どもたちを預けるつもりはないと話してくれたそうです。夫からも改めて、私には仕事があるため、定期的な送迎や預かりは引き受けられないと義母に伝えてもらいました。
バーベキューで娘が受けた扱い
それからしばらくして、義母は「A子の体調も落ち着いたから」と、親戚を集めてバーベキューを開くと言い出しました。しかし、日程を知らされたのは直前でした。その日は私には用事があり、夫にも出張の予定が入っていました。
もともと娘は私の用事に連れていくつもりでした。しかし、義母は「親戚も大勢いるから、娘ちゃんのことは私が見ている」と言い、娘もいとこたちに会いたがっていました。
義母が私に冷たい態度を取ることはあっても、それまで娘につらく当たったことはありませんでした。そのため、用事を終えた私が夕方に迎えに行く約束で、娘だけを参加させることにしたのです。
ところが、迎えに行くと、車に乗った娘はうつむいたままでした。
「おばあちゃんの家、楽しかった?」
私が尋ねると、娘は小さな声で言いました。
「もう行きたくない」
事情を聞くと、娘は到着してすぐに義母から「あなたはお姉ちゃんなんだから手伝って」と言われ、食材や食器を何度も運ばされたそうです。いとこたちと一緒に座ろうとしても、そのたびに片付けや飲み物の準備を頼まれたと言います。
娘が「私もみんなと一緒に食べたい」と訴えると、義母は「少しくらい手伝いなさい。そんなにわがままなのは、母親の育て方が悪いからね」と言ったそうです。
しばらくして娘の様子に気付いたA子やほかの親戚が義母を注意し、手伝いをやめさせて、娘をみんなと一緒に座らせてくれたそうです。しかし、義母から浴びせられた言葉へのショックは消えず、娘は泣くのをこらえながら、私が迎えに来るのを待っていました。
帰宅後、娘は夫にも、その日の出来事を話しました。夫はすぐに義母へ電話をかけましたが、義母は「少し手伝わせようとしただけ」「しつけのつもりだった」と言い訳をするばかり。娘への謝罪もありませんでした。
それまで夫は、実の母親だからと関係を改善しようとしてきました。しかし、娘まで傷つけられたことで、私たちはこれ以上同じ関係を続けることはできないと判断しました。
娘を守るために義母と距離を置くことに
私たちは以前から、義母の干渉が続くようなら、義実家から離れた地域へ引っ越すことを考えていました。夫の通勤や娘の通学には影響しない一方、義母から突然用事を頼まれても、すぐに駆け付けられる距離ではない地域で、すでにいくつか物件を探していたのです。
娘の件をきっかけに、私たちはそのうちの1つを契約することにしました。それから約1カ月後、私たちは転居しました。
引っ越しを終えた後、夫から義母へ転居したことを伝えました。すると、その日のうちに義母から私に電話がかかってきました。
「どういうこと?」
「あなたに用事を頼めなくなるじゃない!」
私は落ち着いて答えました。
「私たちは引っ越しました。今後、お義母さんの用事を当然のように引き受けるつもりもありません」
義母は驚き、「何を勝手なことをしているの」と声を荒らげました。
「近くに住み続けると約束したことはありません。それに、娘が受けた扱いをなかったことにはできません」
私がそう伝えると、義母は「家族なのに冷たい」と私を責め始めました。そこで夫が電話を代わり、はっきりと言いました。
「母さんが娘にしたことを、俺たちは受け入れられない。今後は必要な連絡以外、こちらへの連絡は控えてほしい。娘にも直接連絡しないでくれ」
夫は最後に娘への謝罪を求め、電話を切りました。しかし、その後も義母から娘への謝罪はなく、届くのは自分の要求を訴える連絡ばかりでした。
線を引いて取り戻した穏やかな暮らし
その後も義母から何度か連絡がありましたが、夫が必要な内容にだけ対応し、私や娘が直接やりとりすることはなくなりました。
義母は、私が在宅勤務をしているというだけで、時間を自由に使えると思っていました。そして、家族なのだから頼みを聞くのは当然だと考えていたのでしょう。
しかし、在宅勤務であっても仕事は仕事です。また、家族を助けることと、一方的な要求を受け入れ続けることは違います。
何より、娘が傷つけられたと知りながら、以前と同じ付き合いを続けることはできませんでした。義母と距離を置いたのは、仕返しをしたかったからではありません。娘が安心して過ごせる環境と、私たち家族の生活を守るためでした。
今では、義母から突然用事を押し付けられることもなくなり、家族3人で穏やかに暮らしています。あのとき夫と一緒に線を引いたことで、家族を大切にするとはどういうことなのか、改めて考えるきっかけになりました。
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在宅勤務だから時間に余裕があると決めつけ、主人公へ一方的に用事を押し付けていた義母。さらに娘まで傷つけられたことで、夫婦が義母との関係を見直したのは自然なことだったのでしょう。家族だからと要求に応え続けるのではなく、自分たちが安心して暮らすための境界線を引くことも、家族を守る大切な選択なのだと感じさせられます。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
※AI生成画像を使用しています
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