「手伝いをしなかった」「母さんも怒ってたぞ」と夫。「あの日は体調が悪くて……」と伝えるものの、「体調が悪くても手伝いぐらいできるだろ?」と言い返されてしまいます。
ついこの間も義母に「すぐ謝る癖を直したほうがいいんじゃない? 謝れば済むと思っていると誤解されるわよ」と指摘されたばかり。
法事で役に立てなかったことは、私も申し訳ないと思っています。「もういっそ関わらないほうがいいんじゃないか?」という夫の提案に、お互い嫌な思いをするくらいならと、私はうなずくしかありませんでした。
実家に帰らせて!
父が腰の手術を受けることになったのは、その2週間後のことでした。私の実家は遠方にあり、手術の経過も心配だったため「3泊ほど実家に帰りたい」と夫に伝えたのです。
しかし夫は、「3泊も? その間俺の飯は誰が作ってくれんの?」とあからさまに不機嫌になりました。デリバリーを利用するのはどうかと言っても、首を縦には振ってくれません。
「命にかかわる病気じゃないんだろ? うちの家族にすら認められてないのに、結婚してたった1年で実家に帰るなんてありえないから」
冷たく言い放つ夫に「でも……」と食い下がろうとすると、夫は夕食にと作っておいた料理に手を伸ばしました。
「そもそも俺、時間の経った料理は嫌いだって言ったじゃん」と言いながら皿を台所へ持っていくので、私は「それは私が食べるから! 今すぐ作り直すから捨てないで!」と必死で懇願しました。
すると夫は、いやらしい笑みを浮かべながらこう言ったのです。
「わかった。実家、帰っていいよ。今日から俺の言ったこと、全部その通りにできたらな」
夫が突き付けてきたのは、あまりにも理不尽な条件でした。
「実家に帰るまでの2週間、俺の分の作り置きも含めて完璧に家事をこなすこと。それと罰として、俺の目にかなわなかった料理は残さず全部お前が食べきれ。時間を置いた料理も、失敗した料理もな。文句をひと言でも言ったら、帰省は即キャンセルだ」
私は夫が決めたルールに従うしかありません。
義母に真実を伝えると…
2週間後、買い物に向かっていた私に、義母から連絡がありました。
「あなたたちの家に立ち寄ったんだけど、家の鍵がかかってなかったわよ! 危ないじゃない!」と怒る義母。極度のストレスと疲労で頭が回らなくなっており、うっかり鍵を閉め忘れてしまっていたようです。
「入って留守番しておくから、買い物終わらせて早く帰ってきなさい」と言われ、私が了承した直後、義母から「何これ!?」というメッセージが届きます。
「この傷んでいそうな料理は何!?」
「息子はこんなひどいもの食べさせられてるの!?」
「……それ、私の食事です」
出先だというのに、目の前が涙でにじんできてしまった私。あれ以来夫は私の料理に難癖をつけて、大量に残すようになりました。ストレスであまり食べられないこともあり、あまり物の数々が冷蔵庫を占めるように……。
「それを全部食べないと、実家に帰れないんです」と伝えると、義母は「……息子からは『あなたが自分たちを嫌って避けようとしている』と聞いていたけれど、そんなひどい条件を呑んでまで帰省しようとするなんて、どういうこと? 家に戻って、腹を割って話しなさい」と返してきました。
自宅に戻り「私、お義母さんたちのこと、嫌ってなんていません!」と反論すると、義母は疑問をぶつけてきました。
「じゃあ、この間の法事での態度は何?」
その日、私は体調不良に加えて、夫から失敗しないようにと強くプレッシャーをかけられたことで萎縮し、緊張してしまいました。そのため、うまく振る舞うことができずにいたのです。
私の話を聞いた義母は「……どうして早く言わないの」と絶句。「本当にうちの息子がそんなひどいことをしているの?」と半信半疑。
私はすぐさま夫からの命令が残ったメッセージのやり取りを見てもらいました。「残さず食べないと、お父さんのお見舞いに行かせてもらえないんです」と泣きながら伝える私を、義母は涙を流しながらぎゅっと強く抱きしめてくれました。
義両親の怒りと、決別
その後――。事情を知った義両親は激怒。呼び出された夫は「あいつの被害妄想だ!」「勝手に自分が節約だと言って食べていただけだ!」などと苦しい言い訳を述べていたようです。
しかし動かぬ証拠を突きつけられて逃げ場を失い、義両親も交えた話し合いの末、私たちは離婚することになりました。
結婚後、夫は私を精神的に追い詰め、支配しようとしていたのでしょう。じわじわと私が他の人を頼れないよう、あえて義両親や親戚には私の悪口を吹き込んでいたのです。
おとなしく従順だった私は抵抗できずにいましたが、義母に助けられました。父の手術にも無事立ち会うことができ、回復まで寄り添うことができてホッとしています。
離婚後、私は実家に帰り、心の底から安心して生活を送れるようになりました。ここには暴言も、理不尽な罰を与える人もいません。今は失っていた自尊心を取り戻し、少しずつ心の回復に努めています。
♢ ♢ ♢ ♢ ♢ ♢
パートナーから理不尽な扱いを受け続けていると、次第に「自分が悪いのではないか」「私が我慢すれば丸く収まるのではないか」と自分ばかりを責めてしまいがちです。
「何かおかしい」と感じたらひとりで抱え込まず、まずは信頼できる友人や家族、または専門の相談窓口に声をあげてみてください。相手からのメッセージや出来事のメモを残しておくことも、いざというときに自分を守る重要な証拠になります。
我慢を続けて心を擦り減らす前に、どうか自分の安全と尊重される暮らしを一番に考え、助けを求めてくださいね。
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【取材時期:2026年6月】
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
※AI生成画像を使用しています