義父が亡くなって、ひとり暮らしになった義母から突然こんな連絡がありました。
「家を売ることになりそうなの」
「すぐに住む場所を探すから、それまで少しだけ置いてくれない?」
義父の借金を返済するため住まいを手放さなければならない、と説明され、夫も「短期間なら」と同居を了承しました。
「少しの間だけ」の約束だったはずが…
ところが3カ月経っても義母は家探しをする様子はなく、「このまま一緒に暮らせばいいじゃない」と言い出したのです。しかも家事はほとんどせず、部屋を散らかしたままの生活。
私が思い切って、「家探し、お手伝いしましょうか?」と声を掛けると、「私がいるのがそんなに迷惑なの!?」と怒鳴ってくる始末。
そのたびに夫が私をかばってくれましたが、義母と夫の口論は日に日に増えていきました。
消えた誕生日料理
そんなある日、私は夕飯の下ごしらえを済ませてから仕事へ向かいました。
その日は夫の誕生日。大好物のスンドゥブチゲを作るため、朝から海鮮で丁寧にだしを取り、スープだけ先に仕込んでおいたのです。
さらに、夫の誕生日を一緒に祝おうと、私の両親も自宅へ招待していました。しかし、仕事を終えて帰宅すると、置いてあったはずの鍋が見当たりません。
慌てて探していると、義母が平然と言いました。
「あんな見たこともない料理、どうせ失敗したんでしょ? 何が入ってるかもわからないし危険だわ」
「それに、私は海鮮嫌いなのよ。だから捨てておいてあげたわ!」
あまりのことに、私は言葉を失ってしまいました。
義母の信じられない本音
ちょうどそのとき、夫と私の両親が一緒に帰宅。
私が事情を説明するのを遮るように、義母は開き直りました。
「面倒くさい! だからこんな嫁は嫌だったのよ」
「そもそも私はこの結婚に反対だったんだから!」
たまりかねた私が「今日は夫の誕生日だから夫の好物を作ったんですよ!」と言うと、「……え?」と目を見開いた義母。義母はその日が夫の誕生日であることすら忘れていたのです。
そのやり取りを見ていた夫は義母を見つめ、「妻がどれだけ時間をかけて作ってくれた料理だと思ってる?」「俺は今日をずっと楽しみにしていたんだ。勝手に捨てるなんて許せない」と怒りをあらわにしました。
そして夫は、「もう限界だ。今すぐ家を出て行ってくれ。これ以上一緒には暮らせない」とはっきり告げたのです。
続けて私の父も静かに口を開きました。
「娘から聞いたのですが、亡くなられたお父さんの借金を返すため、家を売却したとか」
「しかし、私は生前の彼から、『妻がホストに入れ込んでいて、借金をしている』と打ち明けられたんですが、そのあたりどうなのでしょうか」
実は私の父と亡くなった義父は、結婚の顔合わせで意気投合して以来、よく2人で飲みに行く仲だったのです。
義母は何も言い返さず、だんまり。そのまま義母は荷物をまとめてわが家を出て行き、それ以来私たちに連絡してくることもありませんでした。
その年の夫の誕生日は、別の日に祝い直しました。もちろん、夫の大好物のスンドゥブチゲも作り直しました。
義母がいなくなったことで、ようやく穏やかな生活を取り戻した私たち夫婦。
そしてしばらくして、私の妊娠がわかりました。報告すると、夫は涙を流して喜び、私の両親も心から祝福してくれました。
つらい出来事もありましたが、夫が最後まで私の味方でいてくれたからこそ乗り越えられたのだと思います。これからは生まれてくる子どもと3人で、新しい幸せな家庭を築いていきたいです。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。