もう嘔吐で慌てない!赤ちゃんの対処のコツ【3児ママ小児科医の育児】

2019/12/22 10:30
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東京衛生病院小児科の小児科医保田典子先生のコラム「3児ママ小児科医のラクになる育児」。私生活では7歳5歳3歳の子育て中という3児のママ小児科医が、ママたちの暮らしをグッとラクにしてくれる話を教えてくれます。今回は1回の嘔吐で慌てない!赤ちゃんの嘔吐の対処のコツを教えてくれました。

赤ちゃんの嘔吐

 

こんにちは、東京衛生病院小児科の保田典子です。私生活では7歳、5歳、3歳の子育て中です。小児科の受診で多い訴えでもあり、乳児健診でよく質問されることもある「赤ちゃんの嘔吐」。1回の嘔吐でも病気じゃないのか、脱水にならないのかと、いろいろ考えてしまいますよね。今回は、なるべく慌てずに、でも受診のタイミングを逃さないためのコツをお伝えしたいと思います。

 

赤ちゃんが嘔吐しやすい理由は…?

生後3カ月くらいまでの赤ちゃんは、元気でもよく嘔吐します。それは、ミルクが食道を通って胃に入っていくときに、胃の入り口の噴門(ふんもん)が大人よりも逆流しやすくなっているため、構造的に嘔吐をしやすいのです。

 

また、赤ちゃんは自分のおなかに対して、大量の母乳やミルクを飲んでいます。赤ちゃんには嘔吐をしやすい状況がいろいろと揃っているのです。だから、1回の嘔吐で慌てなくて大丈夫!

 

赤ちゃんは体の中の水分の比率が高く、脱水になりやすいです。でも、1回多量に嘔吐しただけでは脱水にはなりません。冬は小児科の外来は風邪の子がたくさんいます。嘔吐してすぐに受診すると、他の風邪をもらってしまうこともあるので、慌てずに対処していくことが大切です。

 

この嘔吐は病気?

赤ちゃんの嘔吐の原因になる病気はたくさんありますが、ここでは大きく2つご紹介したいと思います。

 

1. 肥厚性幽門狭窄症(ひこうせいゆうもんきょうさくしょう)

生後2週間から2カ月くらいの赤ちゃんに多い病気です。胃の出口である幽門(ゆうもん)が狭いために、ミルクが胃から先に進まないために嘔吐します。発症すると、母乳やミルクを飲むたびに毎回のように多量に嘔吐します。発症当初は元気ですが、栄養が入らないので、赤ちゃんは体重が減ってきます。

 

2. 胃腸炎

代表的なものはロタウイルスやノロウイルス、アデノウイルスなどですが、それ以外にも嘔吐や下痢を起こす病原菌はたくさんあります。嘔吐があり、食欲が落ち、下痢をすることもあります。嘔吐が続く、水分が摂れないことが続くと、脱水になる危険があります。


嘔吐したときのケアは?

 

まずは呼吸をチェック

嘔吐をしたら、まず赤ちゃんの呼吸状態をチェックします。吐物が逆流して気管に入ってしまうことがあるからです。そして、口の中に嘔吐物がまだ残っていないかのチェックです。残っていたら、かき出してあげましょう。
大事なのは、胃腸炎なら親も移ることがあることをお忘れなく。いつもと違う吐き方をしたら、まずは手袋マスクをつけて、ケアしてあげましょう。

 

縦抱きで様子をみる

呼吸のチェックのあと、赤ちゃんがまだオエオエと気持ち悪いのが続いているようなら、縦抱っこで抱き上げて、背中をやさしくトントンしたりさすったりしてあげましょう。特に吐き気もなく、けろっとしているようであれば、嘔吐で汚れた衣類などを処理しましょう。

 

水分はすぐにあげなくてOK

嘔吐をすると脱水が心配ですぐ水分をあげたくなるかもしれません。でも、1回の嘔吐ですぐ脱水になることはありません。赤ちゃんの機嫌をみて、元気がないようであれば、1〜2時間くらい何も口にせず様子をみましょう(私は自分の子どもであれば、4〜5時間くらい我慢させてしまったりします)。お腹が空いている様子がみられたら、本当に少量から水分摂取をしてみましょう。

 

水分は母乳やミルクでOK

水分摂取は、まずはいつも飲んでいる母乳やミルクで大丈夫です。授乳が終わっている子であれば、白湯、麦茶、りんごジュース(乳幼児用)などを飲みましょう。まずは一口ずつから試してみて、15分経過しても再度吐かないようであれば、飲む量を増やしていきましょう。

 

受診のタイミングは?

 

1回の嘔吐では脱水にはなりませんが、それでも大人よりは脱水になりやすい赤ちゃん。水分をとっていなくても3~4時間しょっちゅう嘔吐が続くようであれば、一度受診をしましょう。あわせて、①下痢が半日で7-8回以上でる、②ぐったりしている、などの症状があれば、発症後半日で受診をしましょう。

 

元気で下痢などがなくても1回の嘔吐の量が多く、1日の吐く回数も4-5回以上が続くときは受診を考えてみてください。受診を迷った場合は小児救急電話相談(#8000)にご相談されてもいいかと思います。


軽症だから何も処置されなかった、気がついたら脱水になっていて点滴になってしまった、など赤ちゃんの嘔吐は予測がつきにくいところもあります。救急相談などを利用して、慌てず対処できたらママやパパの負担も軽くなるのかな、と思います。

 

著者

医師 保田典子 先生

小児科 | 医療法人アドベンチスト会東京衛生病院 小児科医師


医療法人アドベンチスト会東京衛生病院 小児科医師。株式会社メドイース 代表取締役。2003年筑波大学医学部卒業、国立国際医療センター、大阪市立総合医療センター小児循環器内科勤務を経て、2014年東京女子医科大学大学院博士課程修了後現職。小児科専門医。一般診療、小児循環器診療に加えて、漢方治療や発達相談にも対応している。


経歴

2003年 筑波大学医学専門学群卒業
大阪市立総合医療センター小児循環器内科研究医
国立国際医療センター小児科臨床研修指導医
東京女子医科大学大学院
2014年より東京衛生病院勤務
2019年株式会社メドイース創業

 

■専門領域
小児科専門医
子どもの心相談医

 

■所属学会
日本小児科学会
日本小児循環器学会
日本小児科医会
日本周産期新生児学



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