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「母をどうしよう」ワンオペ介護中に乳がんが判明…手術前に私が直面した現実とは【医師監修】

乳がんの告知を受けたとき、一番不安だったのは手術や治療のことではありませんでした。真っ先に浮かんだのは、「私が入院している間、母をどうしよう」という思い。数年前に父を亡くしてから、私は認知症の母をほぼひとりで介護していました。入院前に直面した悩みと支えになった出来事についてお話しします。

この記事の監修者
監修者プロファイル

医師菊池大和先生
医療法人ONE きくち総合診療クリニック 理事長・院長

地域密着の総合診療かかりつけ医として、内科から整形外科、アレルギー科や心療内科など、ほぼすべての診療科目を扱っている。日本の医療体制や課題についての書籍出版もしており、地上波メディアにも出演中。
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乳がんの告知を受けて真っ先に浮かんだこと

主治医から手術が必要だと説明を受けた日、私は治療よりも母のことばかり考えていました。

 

母は認知症があり、環境の変化にとても敏感です。以前の入院をきっかけに認知面で変化が見られるようになり、興奮すると気持ちの切り替えが難しく、私は手を焼いていました。

 

そんな母を残して、今度は私が入院したらどうなるのだろう。ショートステイを利用できたとしても、退院後に落ち着かない状態が続いてしまったらどうしよう。術後の体でその変化を受け止められるだろうか……。考えれば考えるほど不安は大きくなり、自分の手術について考える余裕はありませんでした。

 

そこでケアマネジャーさんに相談したところ、「レスパイト入院(一時的に在宅での介護が難しくなった際、要介護者が医療機関などに短期間入院する仕組み)」を利用できるかもしれないと教えていただきました。

 

母も同じ病院で預かってもらえれば、私も安心して治療に専念できると思い、主治医へ介護の状況を正直に話しました。

 

すると先生は私の不安を受け止めるように「じゃあ、お母さんも一緒に入院しちゃおうか」と言ってくださったのです。

 

その時点では、まだ手術の日程も決まっていなかったにもかかわらず、外来の看護師さんから母の名前や生年月日などを聞かれました。

 

レスパイト入院に向けて動いてくださっているのだとわかり、「どうにかなるかもしれない」と張りつめていた気持ちが少し軽くなったことを覚えています。

 

母の拒否と伯母からの思いがけない申し出

ところが、その話を母にすると「あんたと同じ病室にしてもらえたとしても、私は入院しない!」と言うのです。以前の入院がよほどつらかったのか、母は「そのくらい入院が嫌だってわかってちょうだい!」と強く言いました。そう言われた私は、それ以上何も言えませんでした。

 

やはりショートステイを利用するしかない。そう考えていたころ、キーパーソン(医療機関や介護サービスとの連絡窓口になる人)をお願いするために伯母に連絡を取りました。

 

すると伯母はキーパーソンを快く引き受けてくれただけでなく「入院期間中は私がお母さんと一緒にいるから、安心して手術を受けなさい」と言ってくれたのです。

 

伯母も高齢です。そんな伯母に負担をかけてしまうことが心苦しくもありましたが、「今は治療に専念することが一番なんだから、甘えなさい」という伯母の言葉に、ようやく出口が見えた気がしました。

 

伯母は約2週間わが家に泊まり込み、母を支えてくれました。母は大好きな姉と一緒に過ごせたことで安心していたようで、私は安心して治療に専念することができました。

 

 

乳がんと介護を経験して気付いたこと

これまで「迷惑をかけたくない」という思いから、何でも自分で抱え込もうとしていました。ですが乳がんが見つかって、ひとりでできることには限界があると痛感しました。

 

入院中は買い物にも行けませんし、術後しばらくは重い物を持つこともできません。そのため、ケアマネジャーさんから買い物代行サービスの提案があったときは、本当に助かりました。

 

こうしてケアマネジャーさんや伯母、友人、医療スタッフの方々に支えていただいたおかげで、私は安心して治療を受けることができました。

 

不安でいっぱいでしたが、結果的に周囲へ相談したことが大きな支えになったと思います。

 

まとめ

乳がんと介護を同時に経験し、ひとりでは乗り越えられないこともあるのだと感じました。

 

不安なときほど誰かに相談し、助けを借りることは決して悪いことではありません。

 

「頼ることも介護の一つ」

 

乳がんと介護を経験した今、誰かに頼ることの大切さを実感しています。

 

 

※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。

※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。

 

監修:菊池大和先生(医療法人ONE きくち総合診療クリニック 理事長・院長)

著者:橘 あおい/40代女性。認知症の家族を在宅介護しながら、日々の出来事や感じたことをもとに執筆をおこなっている。自身も乳がんの手術・治療を経験しており、介護や病気と向き合う中で感じた不安や戸惑い、言葉にしづらい気持ちを、読者に寄り添いながら丁寧に言葉にすることを大切にしている。

イラスト:おみき

 

※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2026年6月)

 

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