夫は突然、長期出張を命じられたと言い、大きな荷物をまとめて家を出ていきました。しかし、その日を境に、夫が家へ帰ってくることはなかったのです。
後日、私は家の中で、夫が記入済みの離婚届を見つけました。そこには「提出しておいてほしい」という伝言が添えられていました。突然のことに困惑した私は、夫の真意を確かめようと携帯電話に何度も連絡しましたが、返事が来ることはありませんでした。
勤務先に問い合わせると、夫はすでに退職しており、長期出張という話も嘘だったことが判明。義両親にも連絡しましたが、夫の居場所は知らないと言われました。さらに、夫は携帯電話の番号まで変えており、連絡を取る手段は完全に途絶えてしまったのです。
離婚届には、息子の親権者を私とする旨が記されていました。一方的なやり方に納得はできませんでしたが、このまま夫を待ち続けるわけにもいきません。悩んだ末、私は離婚届に署名して役所へ提出し、息子と2人で新たな生活を始めることにしたのです。
離婚から2年後、突然連絡してきた元夫
「突然いなくなってごめん」
「また家族でやり直そう」
突然連絡してきた元夫の言葉に、私はあぜんとしました。
「えっ、今さら何を言っているの?」
元夫はヘラヘラと笑いながら、「俺だよ、俺」とでも言いたげな様子。続けて、謝っているのか言い訳をしているのかわからないような話を始めました。
家を出た当時は精神的に追い詰められ、自分のことで精いっぱいだったとのこと。しかし、今はもう元気になったため、これからは夫として、父親としてしっかりする――。だから、また一緒に暮らそうと言うのです。
「あなたがこの2年間、何をしていたか知っているよ」
そう告げると、元夫は何を言われているのかわからない様子で、きょとんとしていました。
「まだ2年しかたっていないだろ」と言う元夫に、私は「もう2年よ」と返しました。夫の突然の失踪に加え、離婚に伴うさまざまな手続きにも追われ、私にとっては本当に大変な日々だったのです。それなのに、今さら戻ってきたいだなんて――。
「私、もう再婚しているの」そう伝えると、元夫は「そんな話は聞いていない」と驚きました。しかし、知らなくて当然です。勝手に携帯電話の番号を変え、長い間、音信不通になっていたのですから。
私を責める元夫に突きつけた真実
私が今の夫と出会ったのは、離婚届を提出したあとです。元夫が姿を消してからしばらくたったころに知り合い、支えてもらううちに交際へと発展しました。それなのに元夫は、「たった2年で再婚なんておかしい。不倫でもしていたのか」と私を責めてきました。
どの口が言うのでしょう。私は、元夫が家を出た本当の理由が不倫だったと知っていました。出張前、友人から「女性と一緒にマンションへ入る姿を見た」と聞かされていたのです。
当初は調査会社に依頼しようとも考えていました。しかし、離婚の手続きや仕事、育児に追われるうちに心身ともに疲れ果て、次第にどうでもよくなっていったのです。元夫の居場所もわからず、慰謝料や養育費を請求する余裕すらありませんでした。そんなときに出会ったのが、今の夫です。
私は元夫に、今後の連絡はすべて弁護士を通すこと、そして不倫に対する慰謝料と、これまで支払われていない養育費を請求するつもりだと伝えました。すると元夫は、まさか今になって請求されるとは思っていなかったのか、きょとんとした様子。しかし、自分がしたことの責任は、きちんと取ってもらいます。
それでも元夫は私の再婚を信じず、謝れば許してもらえると思っている様子。らちが明かないため、私は今の夫に電話を代わりました。これで、もうやり直す余地はないと理解するでしょう。
元夫が今さら連絡してきた本当の理由
今の夫は、交際を始めたあと、私から元夫の失踪や不倫について相談を受け、今後の慰謝料や養育費の請求に備えたほうがよいと言ってくれました。そこで私たちは弁護士に相談し、調査会社に元夫の状況を調べてもらうことにしたのです。
調査の結果、元夫が不倫相手と生活していたことに加え、すでに相手とは別れ、生活に困っていることもわかっていました。そのため、元夫が今になって私へ連絡してきた理由も察していたのです。
不倫相手と別れ、帰る家も頼れる相手も失った元夫は、私なら受け入れてくれると思ったのでしょう。しかし、自分が困ったからといって、都合よく家族のもとへ戻り、これまでのことをなかったことにはできません。慰謝料と養育費は、きちんと働いて支払ってもらうつもりです。
今回の件では、今の夫に何から何まで迷惑をかけてしまいました。それでも夫は、「ひとりで頑張らなくていいんだよ」とやさしく声をかけてくれます。息子のこともわが子のようにかわいがってくれ、こんなに幸せでいいのだろうかと思うほどです。これからも家族への感謝を忘れず、この幸せを大切にしていきたいと思います。
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家族に何も告げず、不倫相手のもとへ姿を消した元夫。妻や幼い子どもがどれほど不安な日々を過ごすことになるのか、想像することすらなかったのでしょうか。
さらに、自分が困窮すると「家族をやり直そう」と戻ってくる身勝手な態度には、あきれますよね。慰謝料や養育費をきちんと支払い、これまで逃げ続けてきた責任と向き合ってほしいですね。
【取材時期:2026年7月】
※本記事は、ベビーカレンダーに寄せられた体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。