超党派ママパパ議員連盟とは?
超党派ママパパ議員連盟とは、子育て中の議員や、子育て政策に関心のある国会議員が、政党の枠を越えて集まったグループです。主に「子ども・子育て政策をすすめること」や「子育て中の議員が働きやすい環境をつくること」に取り組んでいます。

総会は、会長を務める野田聖子衆議院議員のあいさつからスタートしました。
今回の議題のひとつだった液体ミルクは、じつは超党派ママパパ議員連盟にとって深い関わりのあるテーマ。2016年の熊本地震などをきっかけに「お湯なしで使える液体ミルク」の必要性が注目された当時、災害時の備えとしてだけでなく、日常的な子育ての負担を軽減する大切な選択肢として、国内での販売実現に向けて普及を後押ししてきました。
そうした経緯があるからこそ、販売開始から年月が経った今も「どうすればより多くのご家庭に知ってもらえるか」「毎日の育児負担を減らしながら、いざという時の備えとしても活用してもらうには何が必要か」という現場の課題に継続して向き合っています。
日本の液体ミルク普及率「4%」という現状

総会には、液体ミルクを製造・販売している江崎グリコの担当者も招かれ、現状や課題について説明がありました。
液体ミルクを日本で初めて発売した江崎グリコは、2019年3月の発売以来、さまざまな形で広める活動を続けてきました。それでも、販売開始から7年がたった2026年現在も、赤ちゃん用ミルク全体の売り上げに占める液体ミルクの割合は4%にとどまっています。
「価格」と「魅力が伝わっていないこと」が課題に

液体ミルクの現状について説明する江崎グリコ株式会社の越智裕文氏
では、なぜこんなにも液体ミルクの普及が進まないのでしょうか。参加していた議員からも、そうした疑問の声が挙がりました。
メーカー側は、価格が普及のさまたげになっている可能性を挙げる一方で、粉ミルクにはない液体ミルクの便利さや使い方が、まだ十分に知られていないことも課題ではないかと説明しました。
また、日本と海外では、液体ミルクの歴史に大きな違いがあります。海外には約30年前から液体ミルクが売られている国や地域もある一方、日本での販売はまだ7年ほど。こうした歴史の差も、普及率の違いにつながっているのではないかと考えているとのことでした。
災害時のためにも、日常で液体ミルクを使うことが必要

液体ミルクを自身の育児で使用した経験を語る岩崎比菜衆議院議員
液体ミルクは、毎日の授乳だけでなく、災害への備えとしても役立ちます。総会では、ふだんの暮らしと災害の備えをつなぐ方法として「ローリングストック」が紹介されました。ローリングストックとは、備えの品を日常的に使いながら、使った分を買い足して、いつも一定の量をキープしておく備蓄方法です。
授乳する場所やミルクを溶かすお湯の確保がむずかしい災害時には、確実な授乳手段を確保する必要があります。そんなときに心強いのが、お湯で溶かしたり、あたためて温度を調整したりする必要のない液体ミルクです。
2019年10月には、自治体などに向けて、液体ミルクを備蓄するようすすめる通知が国(厚生労働省)から出されたことも報告されました。
しかし、メーカー側は、自治体での液体ミルクの備蓄やローリングストックは、まだ十分には進んでいないと指摘。備蓄の必要性を訴えていました。
道の駅から広げる液体ミルク「パパママステーション」構想
液体ミルクは、おでかけの際にもとても便利なアイテムです。しかし、荷物が多くなりがちな子育て中、液体ミルクを何本も持ち歩くのは重くて大変……という悩みも尽きません。
「出先で気軽に手に入れることができたら……」。そんなママ・パパの願いを叶える取り組みとして紹介されたのが、「パパママステーション」構想です。
これは、道の駅などに一定の基準を設け、条件を満たした施設に専用のマークを掲示する仕組み。このマークは、いわば「子育てフレンドリーな施設」の証です。マークがある施設に行けば、液体ミルクや紙おむつなどの育児用品を買えるほか、授乳やミルクづくりができるスペース、子どもの遊び場などを利用できます。
外出先で困ったとき、このマークを目印にすれば、必要なものや設備にちゃんとたどり着ける——。そんな「子育て家庭にとっての安心のインフラ」を広げていこうというのが、この構想の狙いです。
ただ、このマークの認知を広げることや、対象となる施設を増やすという点では、まだ課題も残されています。
液体ミルクの選択肢を伝える取り組み

江崎グリコ株式会社の男性の育児休業取得率について語る担当者。
2019年以来、同社の男性の育児休業取得率は100%を維持していると紹介された
液体ミルクを知るきっかけは、家庭やお店だけではありません。江崎グリコからは、男性の育児休業と結びつけて、企業や職場で液体ミルクの使い方を伝える取り組みが紹介されました。
同社は、液体ミルクを発売した2019年に、1カ月の育児休業を有給にする社内制度をスタート。2019年以降、男性の育児休業取得率は100%が続いていて、そこで得た経験をほかの企業でも役立ててもらう取り組みをおこなっています。
2021年からは、授乳の方法も含めた企業向けの両親学級を無料で開催し、企業や自治体など100を超える組織で研修を行ってきたとのこと。この研修の中で、液体ミルクの使い方を知ってもらう機会もつくっているそうです。
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海外には、赤ちゃん用ミルク全体に占める液体ミルクの割合が日本より高い国もあります。メーカー側は、日本でもまずは売り上げの割合が10%を超えることを目指したいと話していました。
今回、総会に集まった議員の皆さんは、メーカーの声や課題を持ち帰り、具体的な政策へと生かしていくとのこと。今後どのような未来のカタチとして実を結んでいくのか——今後の進展が気になるところ。
災害時はもちろん、日常のお世話でも負担を軽減してくれる液体ミルクは、これからの子育てに欠かせない選択肢のひとつです。今回の取材を通じて改めてその価値と現状の課題を知ったからこそ、ママやパパたちがもっと気軽に、そして手に取りやすい価格で利用できる社会を目指し、ベビーカレンダー編集部としても発信を続けていきたいと思います。
※AI生成画像を使用しています