「もっと褒めて!」
結婚してしばらく経ったある日、夫から思いがけないことを言われました。
「もっと褒めてほしい」
話を聞くと、毎日当たり前のようにやっている家事でも、「ありがとう」や「助かったよ」、「すごいね」と声をかけてもらえるとうれしいのだそうです。
正直、最初は「子どもじゃないんだから……」と思ってしまいました。でも考えてみれば、私も夫に家事を手伝ってもらったときや、仕事を頑張っている姿を見たときは、感謝の言葉をもらえるとうれしくなります。
それ以来、小さなことでも「ありがとう」「助かったよ」と伝えるようにすると、夫も以前よりうれしそうに笑うようになりました。
「これしてもいい?」が口ぐせに
さらに夫は、何かするたびに私へ聞いてくることも増えました。
「これ食べてもいい?」
「次は何を手伝えばいい?」
冷蔵庫の中身を管理しているのは主に私なので、夫が確認したい気持ちもわかるのですが、毎回聞かれると少し疲れてしまいました。
ある日、そのことを夫へ伝えると、「怒られたくないんじゃなくて、一緒に決めたいだけなんだ。話しかけるきっかけにもなるし」と言われたのです。
その言葉を聞いてからは、「聞いてくる=頼りない」ではなく、「コミュニケーションをとりたい」という夫なりの気持ちなのだと考えられるようになりました。
気づけば家中ついてくるようになり…
そんな夫には、もう一つ不思議な行動がありました。私が洗濯物を取り込みに行くと、夫もついてくる。別の部屋へ物を取りに行くと、また後ろからついてくる。
「どこ行くの?」
そんなふうに声をかけられることが増え、最初は「一人で動きたいのに……」と少しイライラしていました。
ところが夫に理由を聞いてみると、「特に用事はないよ。ただ、一緒にいたいだけ」という答えが返ってきたのです。話しかけたいわけでもなく、何かしてほしいわけでもない。ただ同じ空間にいるだけで安心するのだそうです。
それを聞いてからは、夫が後ろをついてきても「またついてきたな」と笑えるようになりました。交際中はしっかり者だと思っていた夫でしたが、結婚してからは甘えたり頼ったりする姿を見せてくれるようになりました。
最初は戸惑うこともありましたが、それは夫が私に気を許し、安心して素の自分を見せてくれている証拠だったのかもしれません。これからも、お互いに甘えたり支え合ったりしながら、私たちらしい夫婦でいたいと思っています。
著者:松茉莉花/40代女性・栄養士資格保持。趣味は執筆とお菓子作り。執筆を続けながら、小さなカフェとお菓子のオンライン販売をするのが目標。
イラスト:ほや助
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2026年2月)
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