パートだからと見下されて…
私はとある会社で、パート社員として働いていました。配属先は以前から興味のあった営業企画部。正社員を目指し、任された仕事に全力で取り組んでいました。
しかし、直属の部長は「正社員こそ会社を支える人材」という考えの持ち主でした。パート社員の私は戦力として見てもらえず、どれだけ努力を重ねても、「裏方なんだから」と軽くあしらわれることが少なくありませんでした。
そんな部長のお気に入りが、自分と同じ大学を卒業したA男です。
A男は面倒な仕事は周囲へ任せる一方で、目立つ仕事や成果だけは積極的に自分のものにしたがるタイプ。それでも部長は何かあるたびにA男をかばっていました。
そんなある日、社内の資料室へ向かう途中、会議室から部長とA男の笑い声が聞こえてきました。
「あのパート、本当に無能ですよねw」
「まあ、雑用だけやってくれれば十分だよ」
思わず足が止まりました。誰のことかは考えるまでもありません。それでも聞こえなかったふりをして、その場を通り過ぎたのです。
あの日以来、「いつか仕事で見返したい」という思いが、以前にも増して強くなったのです。
部長が下した理不尽な決定
ある日、取引先へのプレゼンを任されることになりました。パート社員の私にとっては異例のことでしたが、日ごろの仕事ぶりを評価してくださった課長が推薦してくれたのです。
ようやくつかんだ大きなチャンスでした。何日もかけて資料を完成させ、あとは本番を迎えるだけ――そう思っていたプレゼン前日のことです。
完成した資料を共有フォルダへ保存して席を外し、戻るとA男が私の資料を開いていました。やがて資料を閉じると、そのまま部長の席へ向かい、2人で何やら話し始めます。
嫌な予感がした数分後、私は部長に呼び出されました。
「今回のプレゼンはA男君に任せる」
突然そう告げられ、目の前が真っ白になりました。私は課長から任された仕事だと必死に訴えました。
しかし部長は、「最終的に決めるのは私だ」の一点張り。取引先の前に立つなら、私よりA男のほうが適任だと言うのです。A男も「資料は完成してるし、説明くらい誰でもできますよ」と笑っていました。
さらに部長は、「資料作成、ご苦労さま。明日は有休でも取って、ゆっくり休んでな」と言い、どこか見下したような笑みを浮かべました。
会議室で聞いた「あのパート、本当に無能ですよね」という言葉が頭をよぎります。悔しくてたまりませんでしたが、これ以上言い争っても無駄だと思い、私は黙って席へ戻ったのです。
目を覚ますと大量の着信
翌日、私は有休を取り、自宅で休んでいました。何度かスマホが鳴った気がしましたが、そのまま眠り続けていました。
昼前になってようやく目を覚まし、スマホを見ると会社から何件もの着信が入っていました。さらに留守番電話まで残されていたのです。
再生すると、慌てたA男の声が流れてきます。
「早く電話に出てください!」
続いて部長の声で、「取引先から数字について質問が出た! 至急連絡してくれ!」というメッセージが。
私は有休中であり、前日にプレゼンから外された立場です。その日は会社へ折り返しの連絡をすることはありませんでした。
最後に評価されたのは…
翌営業日、出社すると社長から事情を聞かれました。話を聞くと、プレゼン中に取引先から資料の根拠や数値について質問されたものの、A男は何ひとつ答えられず、その場は中断になってしまったそうです。
私が事情を説明すると、共有フォルダの更新履歴や課長への聞き取りから、資料を作成したのが私であることや、部長が独断で担当を変更したことが確認されました。
社長は私に、「部長の独断でこのようなことになってしまい、本当に申し訳なかった」と頭を下げてくださいました。
一方で、A男は「資料さえあれば誰でもプレゼンできる」と安易に考え、人の成果だけを横取りしようとしたことを厳しく叱責されたそうです。部長も、雇用形態だけで人を判断し、プレゼン担当を独断で変更した責任を問われました。
その後、私は改めてプレゼンを任され、無事に取引先への説明を終えることができました。
あのときは悔しくて仕方ありませんでしたが、今回の出来事で改めて感じたのは、本当の実力は肩書きや学歴ではなく、積み重ねた仕事の中で評価されるということです。
人の成果だけを横取りしても、その仕事を最後までやり切ることはできない。今回の出来事で、それを改めて実感しました。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
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大ブーメラン返ってきたな。