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「父さんは任せる」介護を妹に任せ姿を消した兄。父の死から1年後、音信不通だった兄からの連絡に絶句

私の実家は父が営んでいた小さな酒造会社です。母はすでに亡くなっており、実家では父と兄が酒造会社を切り盛りしていました。しかし父がけがで介護を必要とすると、兄は私を家に呼び戻し、「もうこんな生活は続けられない。父さんのことは任せる」と、一方的に家を離れていきました。その後、父が亡くなってから1年ほどたったころ、音信不通だった兄から突然連絡が届いたのです。

 

父の介護を私に任せ、姿を消した兄

兄がいなくなったことで、それまでと同じ体制で酒造りを続けることが難しくなり、酒造会社はいったん製造を休止することになりました。

 

私は介護に追われ、当時は家業の再開まで考える余裕はありませんでした。兄にも何度か連絡をしましたが、返事はほとんどありませんでした。父の様子について尋ねてくることもなく、いつしか連絡そのものが途絶えていきました。

 

そんな生活が続く中、父は亡くなりました。兄にも父が亡くなったことを伝えたく、その後も相続について連絡を取ろうとしましたが、やはり返事はありませんでした。専門家にも相談しながら兄への連絡を試みる一方、遺言書に沿って進められる手続きを進めていました。

 

ところが、父が亡くなってから約1年後のことです。長い間、音信不通だった兄から突然連絡が届きました。

 

「父さん、亡くなったんだって?」

 

久しぶりに来た連絡の第一声がそれだったことに、私は言葉を失いました。しかし、続いて届いた言葉を見て、さらにあぜんとしました。

 

「遺産の話はもう済んだのか?」

「長男の俺が決めるから、勝手なことするなよ」

 

父の最期について尋ねるより先に、兄が気にしたのは遺産のことだったのです。私は複雑な気持ちになりながら、「葬儀は1年ほど前に終わったよ」とだけ返しました。

 

「長男の俺が決める」と言いだして…

すると兄は、「1年前!? だったら遺産の話も進んでるだろ。俺の取り分はいくらなんだ?」と立て続けに聞いてきました。

 

父は生前に遺言書を残しており、自分が保有していた酒造会社の株式は私に、預貯金は兄に相続させる内容になっていました。私は専門家に相談しながら必要な手続きを進めていましたが、兄とは連絡が取れない状態が続いていたため、兄が財産を受け取るための手続きについては完了していませんでした。

 

兄は、「俺は長男なんだから、遺産の分け方は俺が決める」と当然のことのように言いました。私は、「分け方はもう父さんが遺言で決めているよ。兄さんが長男だからといって、内容をひとりで決め直せるわけじゃない」と伝えました。

 

とはいえ、兄にも相続について確認したいことはあるだろうと思い、私は感情的に言い争うつもりはありませんでした。

 

ただ、父の介護や会社のことにほとんど関わらないまま、何年も連絡を絶っていた兄から突然「自分が全部決める」と言われても、その要求をそのまま受け入れることはできませんでした。

 

 

兄の要求には応じず、私は酒造の再開へ

その後、兄にも専門家を通して必要な手続きを案内し、父の遺言書に沿って相続を進めました。最終的に、私は父が保有していた酒造会社の株式を、兄は預貯金の一部を相続しました。

 

兄は「長男なのにこれだけなのか」と不満を口にしていましたが、私は「父さんが残した遺言に沿った結果だよ」と伝えました。その後、兄からさらに強く要求されることはありませんでした。

 

相続の手続きが一段落したころ、私が改めて考えるようになったのが、製造を休止していた酒造会社のことでした。

 

父を介護している間は、とても酒造りを再開する余裕はありませんでした。しかし、父が亡くなった後、残された資料を整理したり、以前働いていた人たちの話を聞いたりするうちに、「父が守ってきたものを、このまま終わらせたくない」という気持ちが強くなっていきました。

 

そこで、酒造りを再開するために必要な手続きを確認するとともに、製造を担う人員などの体制を整え、周囲の力も借りながら準備を進めることにしました。

 

私はもともと酒造りの職人だったわけではありません。そのため、自分ひとりですべてを担おうとはせず、酒造りは経験のある人たちに力を借り、私は会社運営など、これまでの仕事で培った経験を生かせる部分を担うことにしました。時間はかかりましたが、やがて休業していた酒造りを再開することができました。

 

兄が家を離れてから、私は父の介護を中心に生活してきました。大変なこともありましたが、父と過ごす中で、長年守ってきた家業への思いに触れる機会にもなりました。

 

今、酒造りに改めて向き合う中で、家業を受け継ぐということは、財産を相続するだけではないのだと感じています。父が積み重ねてきたものを大切にしながら、自分なりの形で次につないでいきたいと思っています。

 

--------------

家族だからこそ、役割や期待を無意識のうちに押し付けてしまうことがあります。今回の体験談では、父の介護や家業から離れていた兄が、相続の場面になって「長男だから」と主張したことが印象的でした。一方で主人公は感情的に争うのではなく、父の遺志や必要な手続きを確認しながら家業と向き合うことに。財産だけでなく、家族が大切にしてきたものをどう受け継ぐのかを考えさせられる出来事です。

 

 

※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

※AI生成画像を使用しています

 

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ライターベビーカレンダー編集部/ママトピ取材班

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