父の海外赴任が決まり…
A子は結婚後も何かと両親を当てにしており、以前から「この家、将来私たちにちょうだいよ」と冗談交じりに話していました。
しかし両親は、そのたびに断っていました。実家はかなり築年数が経っており、両親も以前から「いずれ誰も住まなくなったら取り壊そう」と考えていたのです。
そんなある日、父の海外赴任が決まり、母も一緒について行くことになりました。
それをきっかけに、私も以前から考えていたひとり暮らしを始めることを決意。すると父は、「この家に住む人もいなくなるから」と、実家の解体を具体的に進めることにしました。
業者との契約や手配は父が済ませてくれましたが、工事は両親の出国後になったため、その後の現場確認などは私が対応することになりました。
A子にもそのことを伝えようと何度か連絡しましたが、なかなかつながらないまま日にちが過ぎていきました。
「お姉ちゃんは出て行って!」
両親が海外へ出発して間もなく、A子が夫のB男を連れて突然実家へやってきました。
「お父さんたちもいないんだし、これから私たちがここに住むから。お姉ちゃんは早く出て行ってね」
どうやら、実家に住めばB男の職場に近くなるうえ、家賃も浮くため、都合がいいと考えたようです。当然、両親から許可をもらったわけではありません。
あまりに勝手な話にあきれながらも、私は「この家、もう取り壊すことが決まってるよ」と伝えました。しかし、A子は「私たちを住ませたくないから、そんなウソついてるんでしょ?」とまったく信じません。
すでに解体業者まで決まっていると説明しても、「はいはい」と笑うばかり。私は最後に「ちゃんと伝えたからね」と言い、それ以上相手にするのをやめました。
引っ越し当日、妹夫婦が絶句
それから数週間後。A子からはその後何の連絡もなく、私はすでに新居へ引っ越していました。
その日は工事の様子を確認するため、実家を訪れていました。すでに作業は始まっており、壁や屋根の一部も取り壊されていました。見慣れた家が少しずつ形を失っていくのを眺めながら、寂しさを感じていたときです。
突然、家の前に荷物を積んだ車が停まりました。
降りてきたのは、A子とB男。どうやら本当に、この日から実家へ住むつもりだったようです。しかし、目の前の家を見た瞬間、2人は固まりました。
「な、何これ……!?」
A子は「どうして本当に壊してるの!?」と大慌て。そんなA子に私は「だから、取り壊すって言ったでしょ」と冷静に告げました。
妹夫婦が実家を狙った理由
どうやら2人は私の話を完全にウソだと決めつけ、今住んでいるマンションの退去手続きまで済ませていたようです。
A子は「もう退去日も決まってるのに!」「これからどうすればいいの?」と騒いでいましたが、両親の許可もなく勝手に実家へ住むと決めたのは2人です。私は「それは自分たちで何とかするしかないよ」と伝えました。
後日、母から聞いたのですが、A子夫婦はかなりお金に困っていたそうです。A子はカードの支払いがかなり膨らんでおり、さらにB男にも借金があったとのこと。そのため、少しでも家賃を浮かせようと実家を当てにしていたのでした。
結局、2人は急いで別の住まいを探すことになったようです。それ以来、私もA子とは必要以上に連絡をとっていません。
実家を離れてから生活もすっかり落ち着き、今では私も新しい部屋でひとり暮らしを楽しんでいます。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
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