「実はあなたの旦那さんと付き合ってます♡ ごめんなさいねw」
「毎日朝から晩まで静かに家事ばっかりして、所詮ただの家政婦でしょ? 愛情もないのに妻の座にしがみついて、情けなくないんですか?」
「私が彼と結婚するので、早く離婚して家から出て行って!」
彼女は完全に私を見下し、勝ち誇ったように煽り立ててきます。
浮気の暴露と離婚の要求
最初は突然の出来事に戸惑った私ですが、彼女の言葉を聞きながら、冷め切っていた夫婦生活を見つめ直していました。
結婚して仕事を辞めた途端、夫は豹変。何か話しかければ「仕事で疲れてるから黙ってろ」と一蹴され、少しでも逆らおうとすれば生活費すら渡してくれないモラハラ夫になったのです。
そのため、私は自分の気持ちを押し殺し、ただ静かに家事をこなすだけの毎日を過ごしていました。
浮気相手の存在を知り、私の中で何かが吹っ切れました。戸惑いも未練も一瞬で消え去り、むしろこの地獄のような生活から抜け出せる絶好のチャンスだと思えたのです。
「はーい! 喜んで!」
「……え?」
意気揚々とマウントを取ってきた浮気相手に対し、私は明るく即答。拍子抜けして絶句する彼女をよそに、私は言われた通りすぐ家を出る準備を始めました。
当時はまだ行くあてもありませんでしたが、私の心はこれまでにないほど前向きで晴れやかでした。
差し伸べられた手
数時間後――。私のスマホに突然、義母から電話がかかってきました。
「あなたたちいつの間に離婚なんてしたの!?」動転している義母。事情を聞くと、予想外の出来事が起きていました。
「ついさっき、見知らぬ女性が菓子折りを持ってわが家に来てね、『彼と結婚して次の妻になります』なんて挨拶してきたのよ! 息子に連絡してもつながらないし、一体どういうことなの!? 説明してちょうだい!」
義母の話を聞いて、私はピンと来ました。どうやらあの浮気相手は、私に離婚を求めた勢いそのまま、義実家へ突撃したようです。
私は呆れつつも、夫が海外出張中であること、そして私のもとにもその女性から連絡があり、離婚を要求された経緯を全て打ち明けました。
「前々から夫には冷たくあしらわれていて……。そこへ堂々と略奪宣言までされて、心が折れてしまったんです。彼らの思い通りになるのは不本意ですが、もう離婚を決意しました。今までお世話になりました。どうぞこれからは、新しい奥さんをかわいがってあげてください」
しばしの沈黙のあと、義母は強い口調で言いました。
「そんなの無理に決まってるでしょう! 息子もその女も汚らわしくて、もう顔も見たくない!」
義母は実の息子の愚行に激怒し、何より私を心配してくれたのです。
「それよりあなた、行くあてはあるの? 早くにご両親を亡くしているし、頼れる場所はあるの?」
私が正直に行くあてがないことを伝えると、義母は温かい声をかけてくれました。「それなら、うちにいらっしゃい! もろもろ片付くまで……いいえ、あなたの生活基盤が整うまで、私たちが面倒を見るわ!」
義母の言葉に救われた私は、すぐに荷物をまとめて義実家へ。「あなたは何も悪くないのよ」と温かく出迎えてくれた義両親のサポートのもと、私は着々と離婚準備を進めることができたのです。
浮気相手の悲惨な末路
1週間後、夫が海外出張から帰ってくる日のこと――。
私は家を出たあと、浮気相手に「言われた通り、家を出ました」とだけ返信していました。すると浮気相手は、私がいなくなったわが家に上がり込み、夫の帰りを待っていたようです。
どうやらこれまでも家に来たことがあるようで、スマートロックの解錠方法を夫から聞いていたとのこと……。
「帰ってきた彼を私が出迎えるなんて、最高のサプライズでしょ?」とマウントのメッセージが送られてきたときはゾッとしました。
しかし、いざ夫が帰宅すると事態は彼女の想定と逆方向に進みます。
帰宅した夫に「不法侵入なんてふざけるな! 今すぐ出て行け!」と激怒されたらしく、彼女はすぐさま私に電話で泣きついてきました。ですが、泣きつく相手を完全に間違えています……。
「だって彼、普段から『妻の顔を見るのも嫌だ』ってあなたの愚痴ばかり言ってたのよ! だから奥さんを追い出せば絶対に喜んでくれると思ったのに……! 私がただの遊び相手だったなんてひどすぎる!」
そう嘆く彼女に、私は冷ややかに告げました。
「悲しんでいるところ申し訳ないけれど、早速慰謝料を請求させていただきますね。ちょうど弁護士さんとの打ち合わせが終わって、内容証明を送るところなの。あなたの分も、弁護士さんからご自宅へ送ってもらいます」
「ちょ、ちょっと待ってよ! あなたがどんな状況だろうと、私だって傷ついたんだよ!? 本命だと思わせて遊ばれてたんだから、慰謝料くらい免除してくれたっていいじゃない!」
逆上して身勝手な言い訳を繰り出す彼女に対し、私は淡々と返答しました。
「あなたに同情するつもりはありません。あなたのせいで離婚することになったのだから、しっかり責任を取ってください。……あ、そうそう。夫にはあなた以外にも複数浮気相手がいたみたい。他の女性たちにもしっかり請求しているから、あなたも支払いよろしくね」
その後――。
弁護士さんのおかげで、私は希望通りの慰謝料を獲得して無事に離婚が成立。私への慰謝料支払いや弁護士費用などで手持ちの資金が尽きた元夫は、私と入れ違いで元義実家へ引き取られていきました。
今は元義両親の厳しい監視のもと、自宅と職場を往復するだけの味気ない生活を送っているそうです。
一方、元夫と結婚できると思い込んでいた浮気相手は、仕事を辞めて貯金を使い果たすまで豪遊していたとのこと。「慰謝料だけは許して!」としがみついてきましたが、許すはずもありません。結局、彼女はどうにかお金を工面して支払ってきました。
私は元義母の知り合いの大家さんが所有するアパートを借り、新しい生活をスタート。専業主婦期間が長かったためパートからの再出発ですが、手元には十分な財産分与と慰謝料があります。焦らず、自分のペースで前を向いて歩んでいこうと思います。
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他人の幸せを横取りしようとする行為は、一瞬の満足と引き換えに、大切な信用を失う結果を招きます。誰かに依存し、他人のものを奪うのではなく、自分の足で自分の人生を誠実に築いていくこと——。それこそが自分自身を守り、本当の幸せを掴む唯一の方法なのかもしれませんね。
【取材時期:2026年7月】
※本記事は、ベビーカレンダーに寄せられた体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。