旅先で声をかけてきた男の子
わが家には小学4年生の息子と小学2年生の娘がいます。家族4人でプール付きの宿泊施設へ旅行に出かけたときのことです。プールで子どもたちが遊んでいると、小学校低学年くらいの男の子が「一緒に遊ぼう」と声をかけてきました。
わが子たちもすぐに打ち解け、3人で楽しそうに遊び始めました。少し離れた場所にご夫婦がいたため、「あの二人が保護者かな」と思い、旅先のほほ笑ましい交流を温かく見守っていたのです。
ところが、その男の子は何かあるたびに私のところへ話しかけに来たり、浮き輪を取ってほしいと頼んできたりするようになり、気づけば私はわが子だけでなくその子の様子まで見守る状況になっていました。
姿を消した保護者に募る不安
しばらくすると、男の子のお母さんが近くに来て「遊んでもらってすみません〜」と声をかけてくれました。「これで一緒に見守れるな」と思ったものの、お母さんはそのまま再び離れていってしまいました。目の届く場所にはいるものの、結局私が男の子の様子を見守り続けることになり、モヤモヤ……。
それから1時間弱が経ったころ、ふと見ると、さっきまでプールサイドにいたはずのご両親の姿がありません。「どこへ行ったんだろう」と周囲を見渡しても見つからず、男の子だけが私たちと一緒に遊んでいる状態に。
プールという場所柄、「もし転んだり溺れたりしたらどうしよう」と不安な気持ちがどんどん大きくなっていきました。結局、それから約30分後にご両親は宿泊施設の中から何事もなかったかのように戻ってきたのです。
休憩なのか買い物なのか理由は定かではありませんが、ご両親が不在の間も男の子はずっと私たちと遊んでおり、私はわが子とその子の双方に気を配りながら過ごしていました。
子ども同士はすっかり仲良くなっていましたが、万が一の責任範囲を考えると、このまま任された状態にしておくわけにはいきません。「そろそろお父さんとお母さんのところへ戻ったら?」と促すと、男の子は素直にうなずき、ご両親のもとへ戻っていきました。
旅先での出会いは素晴らしいものですが、「一緒に遊ぶこと」と「子どもを任せること」は違います。お母さんに声をかけられた時点で、「ずっと見守ることはできない」ともっとはっきり伝えるべきでしたし、ご両親の姿が消えた段階でホテルのスタッフへ相談すべきだったと痛感しました。特にプールでは一瞬の油断が重大な事故につながりかねないため、保護者が責任を持って見守ることの大切さを改めて実感した出来事でした。
著者:鈴木ゆり/30代女性。2014年生まれの息子、2016年生まれの娘、夫の4人暮らし。会社員(事務)。趣味は旅行とカフェ巡り。食材の冷凍ストックで時短料理を考えるのが好き。
イラスト:キヨ
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2026年8月)